ヨンデリス点滴静注用0.25mg/ヨンデリス点滴静注用1mg


作成又は改訂年月

※※2016年4月改訂(第3版)( 部)

※2015年12月改訂

日本標準商品分類番号

87 4291

日本標準商品分類番号等

国際誕生年月
2007年9月

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤

承認等

販売名
ヨンデリス点滴静注用0.25mg

販売名コード

4291431D1027

承認・許可番号

承認番号
22700AMX01019000
商標名
Yondelis I.V. infusion 0.25mg

薬価基準収載年月

※2015年11月

販売開始年月

2015年12月

貯法・使用期限等

貯法

2〜8℃に保存すること。密封容器

使用期限

外箱及びラベルに表示の使用期限を参照のこと。

規制区分

毒薬

処方箋医薬品

(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

成分・含量

1バイアル中
トラベクテジン0.25mg

添加物

精製白糖100mg、リン酸二水素カリウム6.8mg、pH調節剤

性状

白色の塊又は粉末(凍結乾燥注射剤)

pH注1)

3.6〜4.8

浸透圧比注1)

約1(生理食塩液に対する比)

注1)トラベクテジン0.25mg相当量/5mL生理食塩液

販売名
ヨンデリス点滴静注用1mg

販売名コード

4291431D2023

承認・許可番号

承認番号
22700AMX01020000
商標名
Yondelis I.V. infusion 1mg

薬価基準収載年月

※2015年11月

販売開始年月

2015年12月

貯法・使用期限等

貯法

2〜8℃に保存すること。密封容器

使用期限

外箱及びラベルに表示の使用期限を参照のこと。

規制区分

毒薬

処方箋医薬品

(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

成分・含量

1バイアル中
トラベクテジン1mg

添加物

精製白糖400mg、リン酸二水素カリウム27.2mg、pH調節剤

性状

白色の塊又は粉末(凍結乾燥注射剤)

pH注1)

3.6〜4.8

浸透圧比注1)

約1(生理食塩液に対する比)

注1)トラベクテジン1mg相当量/20mL生理食塩液

一般的名称

点滴静注用トラベクテジン

警告

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

2.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

効能又は効果

悪性軟部腫瘍

効能又は効果に関連する使用上の注意

1.
本剤の化学療法未治療例における有効性及び安全性は確立していない。

2.
臨床試験に組み入れられた病理組織型以外の患者における本剤の有効性及び安全性は確立していない。

3.
「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。(「臨床成績」の項参照)

用法及び用量

通常、成人にはトラベクテジンとして1回1.2mg/m2(体表面積)を24時間かけて点滴静注し、少なくとも20日間休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

1.
本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

2.
薬液が漏出した場合、重度の組織障害を起こすおそれがあるので、中心静脈から投与すること。

3.
本剤の投与時には生理食塩液(点滴静注用0.25mg:5mL、点滴静注用1mg:20mL)により溶解してトラベクテジン0.05mg/mLの濃度にした後、必要量を注射筒で抜き取り、500mL以上の生理食塩液で希釈すること。

4.
本剤の投与にあたっては、以下の基準を参考に必要に応じて、休薬又は減量すること。

(1)
本剤投与開始前の臨床検査値が「投与開始基準」の基準値を満たさない場合は、本剤を投与しない又は基準値に回復するまで投与を延期すること。

(2)
「減量基準」に該当する副作用が発現した場合は、1段階ごとに減量すること。ただし、最低投与量は0.8mg/m2とする。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増強するおそれがある。]

2.
感染症を合併している患者[骨髄抑制により、感染症が悪化するおそれがある。]

3.
※※肝機能障害のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある(「薬物動態」の項参照)。

4.
※※アントラサイクリン系薬剤による治療歴のある患者又は心機能障害のある患者[心機能障害が発現又は増悪するおそれがある。]

重要な基本的注意

1.
AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬又は中止等の適切な処置を行うこと。

2.
骨髄機能が抑制され、敗血症性ショック等の好中球減少に伴う感染等があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬又は中止等の適切な処置を行うこと。

3.
横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感等の症状を観察するとともに、本剤投与開始前及び投与中は定期的にCK(CPK)の検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

4.
※※心機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に心エコー等の心機能検査(左室駆出率(LVEF)の測定を含む)を行うとともに、心機能障害に関連する臨床的な徴候や症状を十分に観察すること。

5.
生殖可能な年齢の患者に投与する場合には、性腺に対する影響を考慮すること。(「その他の注意」の項参照)

相互作用

本剤は、主にチトクロームP450(CYP)3A4により代謝される。

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等
CYP3A阻害剤(ケトコナゾール注2)、クラリスロマイシン、アプレピタント等)

臨床症状・措置方法
本剤の血漿中濃度が上昇し、副作用の頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。併用が避けられない場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。(「薬物動態」の項参照)

機序・危険因子
これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。

2. 薬剤名等
CYP3A誘導剤(リファンピシン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等)

臨床症状・措置方法
本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。(「薬物動態」の項参照)

機序・危険因子
これらの薬剤等のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進されると考えられる。

注2)ケトコナゾールの注射剤及び経口剤は国内未承認である。

副作用

副作用等発現状況の概要

<国内臨床試験成績>
国内臨床試験における副作用発現率は98.6%(72/73例)であった。主な副作用は、悪心90.4%(66例)、好中球減少87.7%(64例)、ALT(GPT)上昇71.2%(52例)、白血球減少64.4%(47例)、食欲減退63.0%(46例)、AST(GOT)上昇58.9%(43例)、倦怠感54.8%(40例)、便秘47.9%(35例)、嘔吐39.7%(29例)、血小板減少38.4%(28例)、γ-GTP上昇38.4%(28例)、貧血32.9%(24例)であった。(承認時)

重大な副作用

注3)

1. 肝不全、肝機能障害
肝不全(頻度不明注4))及びAST(GOT)(58.9%)、ALT(GPT)(71.2%)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は中止等の適切な処置を行うこと。

2. 骨髄抑制
好中球減少(87.7%)、白血球減少(64.4%)、血小板減少(38.4%)、貧血(32.9%)、リンパ球減少(27.4%)、発熱性好中球減少症(15.1%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は中止等の適切な処置を行うこと。

3. 横紋筋融解症
横紋筋融解症(1.4%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

4. 重篤な過敏症
過敏症(頻度不明注4))により死亡に至った例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。

5. 感染症
肺炎(1.4%)、敗血症性ショック(頻度不明注4))等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は中止等の適切な処置を行うこと。

6. ※※心機能障害
うっ血性心不全(1.4%)及び左室駆出率低下(頻度不明注4))等の心機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は中止等の適切な処置を行うこと。

注3)副作用の頻度は、国内臨床試験の成績に基づき記載した。

注4)海外で報告されたものについては頻度不明とした。

その他の副作用

注3)

次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

1. 消化器
20%以上 
悪心、食欲不振、便秘、嘔吐

2. 消化器
5〜20%未満 
口内炎、下痢、味覚異常

3. 消化器
5%未満 
消化不良、腹痛

4. 消化器
頻度不明注4) 
膵炎

5. 肝臓
20%以上 
γ-GTP上昇

6. 肝臓
5〜20%未満 
ALP上昇、ビリルビン上昇

7. 精神神経系
5〜20%未満 
頭痛

8. 精神神経系
5%未満 
浮動性めまい、末梢感覚性神経障害、不眠症

9. 精神神経系
頻度不明注4) 
錯感覚

10. 呼吸器
5%未満 
咳嗽、呼吸困難

11. 筋骨格系
5〜20%未満 
筋肉痛、CK(CPK)上昇

12. 筋骨格系
5%未満 
関節痛、背部痛

13. 循環器
5%未満 
潮紅

14. 循環器
頻度不明注4) 
低血圧

15. 皮膚・皮下組織系
5%未満 
脱毛、注射部位反応

16. 皮膚・皮下組織系
頻度不明注4) 
注射部位壊死、注射部位紅斑、注射部位疼痛、皮下溢血

17. その他
20%以上 
倦怠感

18. その他
5〜20%未満 
発熱、疲労、浮腫

19. その他
5%未満 
クレアチニン上昇、低カリウム血症、脱水、アルブミン減少、体重減少

20. その他
頻度不明注4) 
静脈炎

注3)副作用の頻度は、国内臨床試験の成績に基づき記載した。

注4)海外で報告されたものについては頻度不明とした。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある婦人及びパートナーが妊娠する可能性のある男性には、適切な避妊を行うよう指導すること。[ラットで本剤の胎盤及び胎児への移行が確認されており、胎児への影響又は催奇形性を示す可能性がある。また、動物試験では精巣への影響及び遺伝毒性が認められている。]

2.
授乳中の婦人には本剤の投与期間中は授乳を避けさせること。[ヒトで乳汁移行に関するデータはない。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[国内における使用経験がない。]

過量投与

本剤の過量投与に対する解毒剤は知られていない。
過量投与が行われた場合には、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、対症療法等の適切な処置を行うこと。

適用上の注意

1. 調製時

(1)
本剤の調製にあたっては、溶解時及び希釈時は生理食塩液を使用すること。また、本剤は他の薬剤とは混注しないこと。

(2)
本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚に本剤、溶解液及び希釈液が付着した場合は、直ちに多量の流水及び石けんでよく洗い流すこと。

(3)
溶解液及び希釈液は調製後速やかに使用すること。溶解から30時間以内に投与を終了すること。

2. 投与経路
必ず中心静脈からの点滴投与とし、末梢静脈、皮下、筋肉内には投与しないこと。

3. 投与時

(1)
静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないように投与すること。

(2)
他の薬剤等との配合又は同じ静注ラインでの同時注入は避けること。

<調製方法>

(1)
無菌的環境下の安全キャビネット内で、0.25mgバイアルには5mL、1mgバイアルには20mLの生理食塩液をシリンジで注入し溶解する。溶解液の使用は、1回のみとする。

(2)
完全に溶解するまでバイアルを振とうする。溶解液は無色澄明であることを確認する。

(3)
必要な量の溶解液をバイアルから抜き取り、500mL〜1000mLの生理食塩液の入った点滴バッグに注入する。

その他の注意

1.
遺伝毒性に関して、細菌を用いた復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験及びマウスの骨髄細胞を用いた小核試験において、陽性の結果が報告されている。

2.
ラットにトラベクテジン50μg/kg/日以上(AUCに基づく用量比較で臨床曝露量未満)を3週間ごとに反復投与したところ、精巣の精上皮変性、精子巨細胞の出現、精巣上体の細胞残屑及び雌において性周期の若干の遅延が認められている。また、サルにトラベクテジン70μg/kg/日(AUCに基づく用量比較で臨床曝露量未満)を3週間ごとに反復投与したところ、未熟精巣の発生頻度増加が認められている。

3.
サルにトラベクテジン25μg/kg/日以上(AUCに基づく用量比較で臨床曝露量未満)を3週間ごとに反復投与したところ、網膜浮腫が認められている。

4.
海外で、本剤投与後に白血病、骨髄異形成症候群等の悪性腫瘍が発生したとの報告がある。

薬物動態

1. 血漿中濃度1)〜5)

(1)
日本人の悪性軟部腫瘍患者に本剤1.2mg/m2を24時間かけて点滴静注したときの血漿中トラベクテジン濃度は多相性の消失を示し、平均の最終相消失半減期は107時間であった。

(表1参照)

(2)
外国人患者(固形癌、肉腫)に本剤を24時間かけて点滴静注注5)した場合、0.05〜1.8mg/m2の用量範囲でCmax及びAUC48hに用量比例性がみられた。

(3)
外国人の固形癌患者に本剤1.5mg/m2を24時間かけて21日を1サイクルとして反復点滴静注注5)したときのCmax、AUCinf及びCLについて、サイクル1と2との間に明確な差異は認められなかった。
(表2参照)

2. 分布6), 7)
In vitro試験において、未変化体の血漿蛋白結合率は10〜100ng/mLの濃度範囲で97.28〜97.77%であり、検討された濃度範囲において、概ね一定であった。
また、in vitro試験において、トラベクテジンはP-糖蛋白(P-gp)の基質であることが示された。

3. 代謝8), 9)

(1)
In vitro試験において、トラベクテジンは主にCYP3A4で代謝されることが示された。

(2)
14C標識トラベクテジン1.1mgをヒトに投与したときの総放射能のAUCinfに対する未変化体のAUCinf比について、3時間かけて点滴静注した際の6例の平均値は0.082、24時間かけて点滴静注した際の個別値(n=2)はそれぞれ0.077及び0.086であり、血漿中において、未変化体と比較して代謝物の占める割合が大きいことが示唆された(外国人データ)注5)

4. 排泄(外国人データ)9)
固形癌患者(n=8)に1.1mgの用量で14C標識トラベクテジンを24時間又は3時間かけて点滴静注注5)したとき、17日間までに投与された放射能の57.6%が糞中に排泄され、10日間までに尿中には5.8%が排泄された。未変化体は排泄された放射能の1%未満であった。

5. 相互作用(外国人データ)10)〜12)

(1)
固形癌患者(11例)に本剤0.2又は0.58mg/m2を3時間かけて点滴静注*4, 注5)するとともに、ケトコナゾール*5200mgを本剤の投与12時間前から12時間ごとにそれぞれ計6又は15回反復経口投与した際に、ケトコナゾール非併用時(本剤1.3mg/m2、用量補正)と比較して、本剤0.58mg/m2投与時(8例)のCmax及びAUClastはそれぞれ21及び66%増加した。

(2)
固形癌患者(8例)にリファンピシン600mg(第1〜6日目)を1日1回反復経口投与するとともに、本剤1.3mg/m2を3時間かけて点滴静注*4, 注5)(第6日目)した際に、リファンピシン非併用時と比較して、本剤のCmax及びAUCinfはそれぞれ22及び38%低下した。

(3)
悪性軟部腫瘍患者(38例)に本剤1.3、1.5又は1.65mg/m2を3時間かけて点滴静注注5)するとともに、デキサメタゾン4mgを1日2回、本剤の投与前日から4日間反復経口投与した際に、デキサメタゾン非併用時と比較して、本剤のクリアランス(17例)は28%増加した。

6. ※※肝機能障害患者(外国人データ)13)
肝機能障害注6)を有する固形癌患者に本剤(0.58又は0.9mg/m2投与、各n=3)を3時間かけて点滴静注*4, 注5)した場合、用量補正したCmax及びAUClastは、正常な肝機能の患者(1.3mg/m2投与、n=9)と比較して、それぞれ40%及び97%増加した。

*4:本剤投与30分以上前にデキサメタゾンリン酸エステルナトリウム20mgを静脈内投与することとされた。

*5:経口剤は国内未承認

注5)本剤の承認用法・用量:1回1.2mg/m2(体表面積)を24時間かけて点滴静注。1サイクルを21日間として、投与を繰り返す。

※※注6)総ビリルビンが施設基準値上限の1.5倍超〜3倍以下、かつAST及びALTが施設基準値上限の8倍未満

薬物動態の表

表1 本剤を1.2mg/m2で24時間点滴静注したときのトラベクテジンの薬物動態パラメータ

tmax
(h) 
Cmax
(pg/mL) 
AUCinf
(ng・h/mL) 
t1/2
(h) 
CL
(L/h) 
Vdss
(L) 
24.3
(1.47,27.2) 
1660
(1720) 
66.0
(24.7) 
107
(29) 
34.3
(10.4) 
3040
(1170) 

平均値(標準偏差)[tmax:中央値(範囲)]、tmax及びCmaxはn=37、その他はn=33
デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム:本剤投与開始約30分前に20mgを静脈内投与


表2 本剤を21日サイクルで反復投与したときのサイクル1及び2におけるトラベクテジンの薬物動態パラメータ(1.5mg/m2、24時間点滴静注注5)、海外データ)

サイクル tmax
(h) 
Cmax
(pg/mL) 
AUCinf
(ng・h/mL) 
t1/2
(h) 
CL
(L/h) 
VdZ
(L) 
24.1
(2.0,26.5) 
1840
(1121) 
56.8
(24.9) 
103.2
(41.8) 
54.7
(23.5) 
7509
(3412) 
23.5
(2.0,25.6) 
1724
(1436) 
58.1
(49.0) 
77.4
(57.3) 
71.0
(51.2) 
5655
(3142) 

平均値(標準偏差)[tmax:中央値(範囲)]、n=24(サイクル1、tmax及びCmaxはn=23)、n=20(サイクル2)


臨床成績

悪性軟部腫瘍 第II相臨床試験2), 14)
アントラサイクリン系などの使用可能な抗悪性腫瘍剤による治療後に病勢進行が認められた進行又は再発悪性軟部腫瘍患者を対象に、無増悪生存期間(PFS)を主要評価項目とし、本剤のベストサポーティブケア(BSC)に対する優越性の検討を目的とした第II相比較試験を実施した。本試験に登録された患者の組織型は粘液型/円形細胞型脂肪肉腫、滑膜肉腫、胞巣型横紋筋肉腫、骨外性Ewing肉腫/未熟神経外胚葉性腫瘍、隆起性皮膚線維肉腫、胞巣状軟部肉腫、明細胞肉腫、類血管腫線維性組織球腫、線維形成性小細胞腫瘍、骨外性粘液型軟骨肉腫及び間葉型軟骨肉腫であった。その結果、有効性解析対象例73例(本剤37例、BSC36例)でのPFSにおいて、本剤のBSCに対する優越性が確認された。
(表3参照)

臨床成績の表

表3 無増悪生存期間の結果

治療群 症例数 PFS中央値(月)
(90%信頼区間) 
p値注7) ハザード比注8)
(90%信頼区間) 
本剤 37 5.6
(4.2,7.5) 
<0.0001 0.07
(0.03,0.14) 
BSC 36 0.9
(0.9,1.0) 
<0.0001 0.07
(0.03,0.14) 

注7)割付調整因子(組織型)を層とした層別ログランク検定のp値として算出した。有意水準は片側0.05であった。
注8)割付調整因子(組織型)にて調整したCox比例ハザードモデルに基づき算出した。


薬効薬理

1. 抗腫瘍効果15)〜20)
本剤は、ヒ卜滑膜肉腫由来SYO-1細胞株、ヒトEwing肉腫由来SK-ES-1細胞株、ヒト胞巣型横紋筋肉腫由来SJCRH30細胞株、ヒト骨肉腫由来KHOS/NP細胞株、ヒト横紋筋肉腫由来RD細胞株及びヒ卜平滑筋肉腫由来SK-LMS-1細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、腫瘍の増殖を抑制した。

2. 作用機序21)〜30)
本剤は、DNAの副溝部分に結合し、ヌクレオチド除去修復機構を阻害すること等により細胞死及び細胞周期停止を誘導し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。
また、本剤は、ヒト粘液型脂肪肉腫及びヒ卜Ewing肉腫において染色体転座により発現するそれぞれFUS-CHOPタンパク及びEWS-FLI1タンパクの転写因子としての機能を阻害し、がん関連遺伝子の発現を制御することが報告されている。

有効成分に関する理化学的知見

構造式

一般名
トラベクテジン(Trabectedin)

化学名
(1'R,6R,6aR,7R,13S,14S,16R)-6',8,14-Trihydroxy-7',9-dimethoxy-4,10,23-trimethyl-19-oxo-3',4',6a,7,12,13,14,16-octahydro-2'H,6H-spiro[6,16-(epithiopropanooxymethano)-7,13-epiminobenzo[4,5]azocino[1,2-b][1,3]dioxolo[4,5-h]isoquinolin-20,1'-isoquinolin]-5-yl acetate

分子式
C39H43N3O11S

分子量
761.84

融点
155〜162℃(分解)

性状
白色の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール(99.5)又は酢酸(100)に溶けやすく、アセトンにやや溶けやすく、ジクロロメタン又はアセトニトリルに溶けにくく、水にはほとんど溶けない。

承認条件

1.
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

2.
国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

包装

ヨンデリス点滴静注用0.25mg:1バイアル

ヨンデリス点滴静注用1mg:1バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
山谷英利:「染色体転座を伴う悪性軟部腫瘍患者を対象としたET-743の第II相臨床試験」における薬物動態の検討,社内資料,研究報告書No.525(2015)

2)
※Kawai A, et al.:Lancet Oncol., 16, 406(2015)

3)
※Ueda T, et al.:Invest New Drugs, 32, 691(2014)

4)
Misset J L:Pharmacokinetics in the study titled “Phase I Pharmacokinetic Study to Determine the Safety of Ecteinascidin-743 (ET-743) Administered as a Continuous Intravenous Infusion Over 24 Hours Every 21 Days In Patients With Solid Tumors”,社内資料,研究報告書No.552(2015)

5)
Komuro M:Statistical analysis to assess dose proportionality of the PK parameters of YONDELIS,社内資料,研究報告書No.511(2015)

6)
Vermeir M:The plasma protein binding and blood distribution of R279741 (ET-743) in animals and man,社内資料,研究報告書No.515(2015)

7)
Beumer J-H, et al.:Invest New Drugs, 25, 1(2006)

8)
Vermeir M:An in-vitro study on the metabolism of R279741 (ET-743) in liver subcellular fractions of male Cynomolgus monkey and man, and in E. coli membranes containing heterologously expressed human CYPs, and on the identification of the cytochrome P-450 isoenzymes involved in its metabolism,社内資料,研究報告書No.526(2015)

9)
Hoogendam I:Mass balance study of ET-743 administered as a 3- or 24-Hour intravenous infusion to patients with advanced cancer,社内資料,研究報告書No.517(2015)

10)
Dirix L:An Open-Label, Multicenter Study to Assess the Potential Effects of Ketoconazole on the Pharmacokinetics of Trabectedin in Subjects with Advanced Malignancies,社内資料,研究報告書No.519(2015)

11)
Sharma S:An Open-Label, Multicenter Study to Assess the Potential Effects of Rifampin on the Pharmacokinetics of Trabectedin in Subjects with Advanced Malignancies,社内資料,研究報告書No.520(2015)

12)
Cubedo R:Pharmacokinetics in Phase II Clinical Trial of ET-743 as 2nd or 3rd Line Treatment in Patients With Advanced Stage and/or Metastatic Soft Tissue Sarcoma,社内資料,研究報告書No.553(2015)

13)
※※Knoblauch R:An Open-Label, Multicenter, Pharmacokinetic Study of Trabectedin in Subjects with Advanced Malignancies and Hepatic Dysfunction,社内資料,研究報告書No.556(2016)

14)
染色体転座を伴う悪性軟部腫瘍患者を対象としたET-743の第II相臨床試験,社内資料,研究報告書No.509(2015)

15)
小森敏治 他:ヒトユーイング肉腫由来細胞株SK-ES-1のヌードマウス皮下移植腫瘍に対するTrabectedin(ET-743)の抗腫瘍効果,社内資料,研究報告書No.501(2015)

16)
小森敏治 他:ヒト胞巣型横紋筋肉腫由来細胞株SJCRH30のヌードマウス皮下移植腫瘍に対するTrabectedin(ET-743)の抗腫瘍効果,社内資料,研究報告書No.502(2015)

17)
小森敏治 他:ヒト骨肉腫由来細胞株KHOS/NPのヌードマウス皮下移植腫瘍に対するTrabectedin(ET-743)の抗腫瘍効果,社内資料,研究報告書No.503(2015)

18)
小森敏治 他:ヒト横紋筋肉腫由来細胞株RDのヌードマウス皮下移植腫瘍に対するTrabectedin(ET-743)の抗腫瘍効果,社内資料,研究報告書No.504(2015)

19)
小森敏治 他:ヒト平滑筋肉腫由来細胞株SK-LMS-1のヌードマウス皮下移植腫瘍に対するTrabectedin(ET-743)の抗腫瘍効果,社内資料,研究報告書No.505(2015)

20)
小森敏治 他:ヒト滑膜肉腫由来細胞株SYO-1のヌードマウス皮下移植腫瘍に対するTrabectedin(ET-743)の抗腫瘍効果及びその用量反応性,社内資料,研究報告書No.506(2015)

21)
Pommier Y, et al.:Biochemistry, 35, 13303(1996)

22)
Zewail-Foote M, et al.:J Med Chem., 42, 2493(1999)

23)
Takebayashi Y, et al.:Nat Med., 7, 961(2001)

24)
Tavecchio M, et al.:Eur J Cancer, 44, 609(2008)

25)
Minuzzo M, et al.:Proc Natl Acad Sci USA., 97, 6780(2000)

26)
Friedman D, et al.:Cancer Res., 62, 3377(2002)

27)
Allavena P, et al.:Cancer Res., 65, 2964(2005)

28)
Germano G, et al.:Cancer Cell, 23, 249(2013)

29)
Forni C, et al.:Mol Cancer Ther., 8, 449(2009)

30)
Grohar PJ, et al.:Neoplasia, 13, 145(2011)

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主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。

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