タルグレチンカプセル75mg


作成又は改訂年月

2016年1月作成(第1版)

日本標準商品分類番号

874291

日本標準商品分類番号等

国際誕生年月
1999年12月

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤

承認等

販売名
タルグレチンカプセル75mg

販売名コード

4291042M1022

承認・許可番号

承認番号
22800AMX00025000
商標名
TARGRETIN capsules 75mg

薬価基準収載年月

2016年4月

販売開始年月

2016年6月 

貯法・使用期限等

貯法

気密容器、遮光、室温保存

使用期限

外箱表示

規制区分

劇薬

処方箋医薬品注)

注)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

販売名

タルグレチンカプセル75mg

有効成分の名称

ベキサロテン

有効成分の含量(1カプセル中)

ベキサロテンとして75mg

添加物

ポリエチレングリコール400、ポリソルベート20、ポビドン、ブチルヒドロキシアニソール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆レシチン

性状

外観・性状

白色の軟カプセル剤

一般的名称

ベキサロテンカプセル

警告

1.
本剤には催奇形性があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある婦人には投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には使用上の注意を厳守すること。[「重要な基本的注意」、「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

2.
本剤の投与にあたっては、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「重要な基本的注意」、「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

2.
重度の肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。「慎重投与」の項参照]

3.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4.
ビタミンA製剤を投与中の患者[ビタミンA過剰症と類似した副作用症状を起こすおそれがある。「相互作用」の項参照]

5.
ビタミンA過剰症の患者[ビタミンA過剰症が増悪するおそれがある。「相互作用」の項参照]

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

皮膚T細胞性リンパ腫

効能又は効果に関連する使用上の注意

1.
本剤投与の適応となる疾患の診断は、病理診断に十分な経験を持つ医師又は施設により行うこと。

2.
未治療の皮膚T細胞性リンパ腫に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。

3.
本剤の皮膚以外の病変(内臓等)に対する有効性及び安全性は確立していない。

4.
臨床試験に組み入れられた患者の組織型、病期等について、「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。

用法及び用量

通常、成人にはベキサロテンとして1日1回300mg/m2(体表面積)を食後経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

1.
全身投与による他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

2.
体表面積から換算した本剤(1カプセルあたりベキサロテンとして75mgを含有する)の服用量は、以下の表のとおりである。


3.
下垂体性甲状腺機能低下症があらわれることがあるので、投与開始前及び投与期間中は定期的に甲状腺機能検査(甲状腺刺激ホルモン、遊離トリヨードサイロニン、遊離サイロキシン等の測定)を実施し、遊離サイロキシンが基準値から25%以上低下した場合には、レボチロキシンナトリウムの投与を行うこと。

4.
Grade 3以上の副作用及び高トリグリセリド血症が発現した場合には、以下の基準を目安として、本剤を休薬、減量又は中止すること。

用量調節の目安

Grade 3以上の副作用が発現した場合(高トリグリセリド血症が発現した場合は以下の<高トリグリセリド血症への対応>に従うこと。)

発現時の1日投与量が300mg/m2(体表面積)の場合には、副作用が消失又はGrade 1以下に改善するまで休薬し、200mg/m2(体表面積)で投与を再開する。4週間休薬しても、副作用が消失、又はGrade 1以下に回復しない場合には、投与を中止する。

発現時の1日投与量が200mg/m2(体表面積)の場合には、副作用が消失又はGrade 1以下に改善するまで休薬し、100mg/m2(体表面積)で投与を再開する。4週間休薬しても、副作用が消失、又はGrade 1以下に回復しない場合には、投与を中止する。

発現時の1日投与量が100mg/m2(体表面積)の場合には、副作用が消失又はGrade1以下に改善するまで休薬し、100mg/m2(体表面積)で投与を再開する。4週間休薬しても、副作用が消失、又はGrade 1以下に回復しない場合には、投与を中止する。

<高トリグリセリド血症への対応>
血清トリグリセリド値が200mg/dLを超えた場合には、脂質異常症治療薬の処方を考慮する。脂質異常症治療薬による治療を行っても血清トリグリセリド値が400mg/dLを超えている場合には、脂質異常症治療薬の処方を調整する。脂質異常症治療薬の処方を調整しても、血清トリグリセリド値が500mg/dLを超えている場合には投与量を減量する(1日投与量が300mg/m2(体表面積)の場合、順次200mg/m2(体表面積)、100mg/m2(体表面積)へと減量する)。また、血清トリグリセリド値が1,000mg/dLを超えた場合には、本剤を休薬する。休薬後、血清トリグリセリド値が400mg/dL未満で安定した場合には、休薬前より1段階低用量で投与を再開する。4週間休薬しても回復しない場合には、投与を中止する。

GradeはNCI-CTCAE version 4.0による。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
膵炎の既往歴又は危険因子を有する患者[膵炎が発現するおそれがある。また、本剤投与による高トリグリセリド血症とともに急性膵炎を発現した例が報告されている。「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照]

2.
軽度及び中等度の肝障害のある患者[本剤は肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。]

重要な基本的注意

1.
本剤には催奇形性があり、また副作用の発現頻度が高いので、使用上の注意を厳守し、患者又はそれに代わり得る適切な者に副作用についてよく説明した上で使用すること。

2.
妊娠する可能性のある婦人への使用に際しては、疾患の重症度及び治療の緊急性を考慮した上で、患者に次の注意事項についてよく説明し理解させた後、使用すること。

(1)
本剤には催奇形性があるので、妊娠する可能性のある婦人で他に代わるべき治療法がない重症な患者にやむを得ず投与する場合には、投与開始前の少なくとも1カ月前から、投与中及び投与終了後少なくとも1カ月後までは必ず避妊させること。

(2)
本剤の投与は次の正常な生理周期の2日又は3日目まで開始しないこと。

(3)
本剤の投与開始前1週間以内の妊娠検査が陰性であるとの結果を確認すること。

(4)
本剤の投与期間中は定期的に妊娠検査を実施すること。

(5)
本剤が経口避妊薬の血漿中濃度を低下させる可能性があるため、経口避妊薬による避妊法の場合には、経口避妊薬以外の方法をあわせて使用すること。

3.
本剤はマウス及びイヌを用いた動物実験において、精子形成能に異常を起こすことが報告されているので、男性に投与する場合には、投与期間中及び投与終了後少なくとも3カ月以上は避妊させること。

4.
脂質異常症(高トリグリセリド血症等)があらわれることがあるので、投与開始前及び投与期間中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[「重大な副作用」の項参照]

5.
膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の急性膵炎に関する初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。[「重大な副作用」の項参照]

6.
内分泌障害により異常が認められた場合には、必要に応じて、内分泌障害の治療に十分な知識と経験を有する医師との連携のもとで適切な処置を行うこと。[「重大な副作用」の項参照]

7.
低血糖があらわれることがあるので、投与開始前及び投与期間中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[「重大な副作用」の項参照]

8.
白血球減少症、好中球減少症、貧血があらわれることがあるので、投与開始前及び投与期間中は定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。[「重大な副作用」の項参照]

9.
肝機能障害があらわれることがあるので、投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[「重大な副作用」の項参照]

10.
光線過敏症があらわれることがあるので、外出時には帽子や衣類等による遮光や日焼け止め効果の高いサンスクリーンの使用により、日光やUV光線の照射を避けるよう患者を指導すること。[「その他の副作用」、「その他の注意」の項参照]

11.
白内障があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には眼科を受診するよう患者に指導すること。[「その他の副作用」、「その他の注意」の項参照]

相互作用

相互作用の概略

本剤はCYP3Aを誘導することが示されている。

併用禁忌

(併用しないこと)

薬剤名等
ビタミンA製剤
 チョコラA等

臨床症状・措置方法
ビタミンA過剰症と類似した副作用症状を発現するおそれがある。

機序・危険因子
本剤はビタミンAと同じレチノイドである。

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等
CYP2C8阻害剤
 ゲムフィブロジル(国内未承認)等

臨床症状・措置方法
ゲムフィブロジルとの併用により本剤の血中トラフ濃度が約4倍上昇した。
本剤の作用が増強するおそれがあるので、CYP2C8阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する際には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。

機序・危険因子
CYP2C8の阻害により本剤の代謝が阻害されると考えられる。

2. 薬剤名等
CYP3Aの基質
 アトルバスタチン、シンバスタチン、ミダゾラム等

臨床症状・措置方法
本剤との併用によりアトルバスタチンのAUCが約50%低下した。

機序・危険因子
本剤のCYP3A誘導作用により、併用薬剤の代謝が促進されると考えられる。

3. 薬剤名等
糖尿病用薬
 インスリン、スルホニルウレア系薬剤、チアゾリジン系薬剤等

臨床症状・措置方法
糖尿病用薬との併用により、低血糖を発現した例が認められている。

機序・危険因子
本剤が血糖降下作用を増強する可能性がある。

4. 薬剤名等
紫外線療法
 PUVA療法、UVB療法等

臨床症状・措置方法
NB-UVB療法との併用により、光線過敏症を発現した例が認められている。

機序・危険因子
本剤はin vitro試験(光溶血性試験及びヒスチジン光酸化反応)において光毒性が認められている。

副作用

副作用等発現状況の概要

皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)患者を対象とした国内第I/II相試験において、安全性評価対象16例中16例(100%)に副作用(臨床検査値の変動を含む)が認められた。主な副作用は、甲状腺機能低下症15例(93.8%)、高コレステロール血症13例(81.3%)、高トリグリセリド血症12例(75.0%)、白血球減少症、好中球減少症及び白血球数減少各5例(31.3%)、貧血及び好中球数減少各3例(18.8%)、頭痛、悪心、嘔吐、肝機能異常、倦怠感、AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加及び血小板数増加各2例(12.5%)であった。(承認時)
副作用の頻度については、CTCL患者を対象とした国内第I/II相試験の集計に基づき記載した。また、当該試験で認められていない副作用については頻度不明とした。

重大な副作用

1. 脂質異常症
高トリグリセリド血症(75.0%)、高コレステロール血症(81.3%)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には休薬、減量又は投与を中止する等、適切な処置を行うこと。[「慎重投与」の項参照]

2. 膵炎
膵炎(頻度不明)があらわれることがあり、高トリグリセリド血症とともに急性膵炎を発現した例が報告されている。定期的に膵酵素を含む検査を行う等、患者の状態を十分に観察し、腹痛等の膵炎を示唆する症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

3. 下垂体性甲状腺機能低下症、低血糖
下垂体性甲状腺機能低下症(93.8%)、低血糖(頻度不明)等の内分泌障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。

4. 白血球減少症、好中球減少症、貧血
白血球減少症(31.3%)、好中球減少症(31.3%)、貧血(18.8%)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。

5. 肝不全、肝機能障害
肝不全(頻度不明)、AST(GOT)、ALT(GPT)、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害(25.0%)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。

6. 感染症
肺炎(頻度不明)、敗血症(頻度不明)等の重篤な感染症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。

7. 間質性肺疾患
間質性肺疾患(頻度不明)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

8. 血栓塞栓症
肺塞栓症(頻度不明)、心筋梗塞(頻度不明)、脳血管発作(頻度不明)等の血栓塞栓症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。

9. 横紋筋融解症
横紋筋融解症(頻度不明)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、筋力低下、筋肉痛、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

次のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

代謝
10%未満 
高尿酸血症、食欲減退

代謝
頻度不明注) 
食欲不振、低蛋白血症

血液
10%以上 
血小板数増加

血液
10%未満 
血小板増加症、活性化部分トロンボプラスチン時間延長

血液
頻度不明注) 
末梢性浮腫、骨髄機能不全、リンパ節症、白血球増加症、好酸球増加症

内分泌
10%未満 
血中甲状腺刺激ホルモン減少、サイロキシン減少、遊離サイロキシン減少

内分泌
頻度不明注) 
甲状腺機能低下症

循環器
10%未満 
洞性不整脈、心電図QT延長

胃腸障害
10%以上 
悪心、嘔吐

胃腸障害
頻度不明注) 
下痢

皮膚
10%未満 
脱毛症、皮膚炎、光線過敏症

皮膚
頻度不明注) 
そう痒症、発疹、皮膚障害、剥脱性皮膚炎、皮膚剥脱

腎臓
10%未満 
腎機能障害、血中クレアチニン増加

腎臓
頻度不明注) 
血中尿素窒素増加

その他
10%以上 
頭痛、倦怠感

その他
10%未満 
無感情、耳管開放、片耳難聴、発声障害、浮腫

その他
頻度不明注) 
無力症、ホルモン値変動/ホルモン値異常、疼痛、発熱、感染/細菌感染、悪寒、背部痛、白内障

その他の副作用の注意

注)海外でのみ認められた副作用

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
動物実験で催奇形作用が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[ラットの胚・胎児発生に関する試験で、外表異常(口蓋裂、眼球膨隆部の陥凹、小耳、耳介低位及び舌突出)、内臓異常(小眼球)、骨格異常・変異(頭蓋骨、椎骨及び胸骨)並びに骨化遅延が認められている。また、ベキサロテンは合成レチノイドであることから、ビタミンA過剰誘発催奇形性のおそれがある。]

2.
授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[乳汁中に移行する可能性がある。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する本剤の安全性は確立していない。[使用経験がない。]

過量投与

海外臨床試験において、1日300mg/m2(体表面積)を超える用量を反復投与した際に、高コレステロール血症、白血球減少症、下痢等の発現率が高くなったとの報告がある。

適用上の注意

薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

保存時:
ボトル包装の開封後は湿気を避けて保管すること。

その他の注意

1.
海外において本剤投与後に有棘細胞癌及び基底細胞癌の発現が報告されている。

2.
In vitro試験(光溶血性試験及びヒスチジン光酸化反応)において光毒性が認められている。

3.
ラット26週間反復投与試験において3mg/kg以上、イヌ39週間反復投与試験において10mg/kg以上の用量で、不可逆性の白内障が認められている。

薬物動態

1. 血中濃度

単回及び反復投与1)
CTCL患者に本剤150又は300mg/m2(体表面積)を食後に単回又は反復投与した時、単回投与時と比較して反復投与時の曝露量は低下し、AUC0-24に基づく累積係数は開始用量に係らず0.5であった。


2. 食事の影響1)〜3)
健康成人(12例)に本剤75mgを絶食下に単回投与、健康成人(24例)に本剤400mg/m2 注)を食事中又は食直後に単回投与、及びCTCL患者(9例)に本剤150又は300mg/m2を食後に単回投与した際のPKデータを比較した結果、実投与量により補正した本剤のCmax及びAUCinfは、絶食下投与と比較して、食事中又は食直後投与でそれぞれ6.1及び7.5倍、並びに食後投与でそれぞれ7.0及び9.0倍高値を示した。
注)本剤の承認された用法・用量は、1日1回300mg/m2を食後経口投与である。

3. 分布In vitro試験成績)
0.005〜5μg/mLの濃度範囲において、ベキサロテンのヒト血漿蛋白結合率は99.8〜99.9%であった4)

4. 代謝・排泄

(1)
ヒト肝ミクロソームを用いた検討において、ベキサロテンは主にCYP3A4によって代謝された5)

(2)
ベキサロテン(75〜300mg)を経口投与したとき、未変化体及び代謝物は尿中では認められなかった6)。本剤の消失における腎排泄の寄与は小さく、主な代謝経路は肝代謝であると考えられる。

5. 相互作用
健康成人(24例)に本剤400mg/m2 注)及びケトコナゾール(CYP3A阻害剤)400mgを併用投与したとき、本剤単独投与時に対するケトコナゾール併用投与時のCmax及びAUCinfの幾何平均値の比[90%CI]は、それぞれ0.925[0.815, 1.049]及び0.935[0.840, 1.040]であった3)
本剤はin vitroでCYP2C8及びCYP2C9を阻害し、阻害定数はそれぞれ1.43μM及び29μMであった7)
注)本剤の承認された用法・用量は、1日1回300mg/m2を食後経口投与である。

薬物動態の表

CTCL患者におけるベキサロテン食後単回及び反復経口投与後の薬物動態パラメータ

投与量(mg/m2/day) 150 150 300 300 
単回/反復 単回 反復 単回 反復 
例数 
AUC0-24(ng・h/mL) 7767±3071 3831±2105 20476±7603 10815±3541 
Cmax(ng/mL) 1512±547 777±545 3628±1370 2475±799 
Tmax(h) 3.3±1.1 4.1±0.1 3.7±0.8 2.5±0.9 
t1/2(h) 2.7±0.2 3.7±0.9 3.2±0.7 4.2±1.1 

平均値±標準偏差


各食事条件下で投与したPKパラメータ

食事条件 例数 実投与量により補正した
Cmax(ng/mL) 
実投与量により補正した
AUCinf(ng・h/mL) 
絶食下 12 1.03±0.67 4.43±1.99 
食事中又は食直後 24 6.32±2.11 33.14±11.97 
食後 7.25±3.02 39.68±16.84 

平均値±標準偏差


臨床成績

未治療を含む病期IIB期以上(IIB〜IVB期)、並びに病期IB及びIIA期で標準的初回治療に対して難治性のCTCL患者(ただし、成人T細胞白血病・リンパ腫は組入れ対象から除外した)を対象とした国内第I/II相試験において、13例(第I相部分:6例、第II相部分:7例)に本剤300mg/m2を1日1回、最大24週間、食後に経口投与した。主要評価項目である、投与開始から24週時点又は中止時におけるmodified Severity Weighted Assessment Tool(mSWAT)に基づいた奏効(完全寛解+部分寛解)率は61.5%(8/13例)であり、病期別及び組織型別での奏効率は下表の通りであった。
なお、病期IIA、IIIB及びIVA期の患者は組入れ対象であったが結果的に組み入れられなかった。未治療の患者は1/13例(病期IIB期、菌状息肉症)組み入れられたが、奏効が得られなかった。

臨床成績の表

  寛解例数/
評価例数 
奏効(CR+PR)注)
(95%信頼区間)(%) 
全体 8/13 61.5%(31.6, 86.1) 
病期別:IB 3/5 60.0%(14.7, 94.7) 
病期別:IIB 2/4 50.0%(6.8, 93.2) 
病期別:IIIA 3/3 100.0%(29.2, 100.0) 
病期別:IVB 0/1 0.0%(0.0, 97.5) 
組織型別:菌状息肉症 8/12 66.7%(34.9, 90.1) 
組織型別:未分化大細胞型リンパ腫 0/1 0.0%(0.0, 97.5) 

注)mSWATによる評価で完全寛解(CR)又は部分寛解(PR)であった患者


薬効薬理

1. 作用機序
ベキサロテンは、レチノイドX受容体(RXRα、RXRβ及びRXRγ)に結合し、転写を活性化することにより、アポトーシス誘導及び細胞周期停止作用を示し、腫瘍増殖を抑制すると推測されている8)〜11)

2. 抗腫瘍効果

(1) In vitro
ベキサロテンは、CTCL由来HH及びHuT78細胞株の増殖を抑制した10),11)

(2) In vivo
ベキサロテンは、HH細胞株を皮下移植したマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した12)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
ベキサロテン(JAN) (英名)Bexarotene(JAN)

化学名
4-[1-(3,5,5,8,8-Pentamethyl-5,6,7,8-tetrahydronaphthalen-2-yl)ethenyl]benzoic acid

分子式
C24H28O2

分子量
348.48

構造式

融 点
約225〜227℃

性 状
白色の粉末である。
N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、アセトニトリルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。

承認条件

1.
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

2.
国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

包装

14カプセル(14カプセル×1)(PTP)、100カプセル(ボトル)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
国内第I/II相試験(B-1101試験)治験総括報告書(社内資料)

2)
海外第I相試験(RR-845-99-003試験)(社内資料)

3)
薬物動態試験(L1069-61試験)(社内資料)

4)
ヒト血漿蛋白結合試験(社内資料)

5)
ヒト肝ミクロソームCYP同定試験(社内資料)

6)
海外第II相試験(L1069DM-01試験)(社内資料)

7)
ヒト肝ミクロソームCYP阻害試験(社内資料)

8)
RXR結合性試験(社内資料)

9)
Qin, S., et al.: J. Steroid Biochem Mol Biol.112, 25, 2008.

10)
In vitro抗腫瘍試験(社内資料)

11)
Zhang, C., et al.: Clin. Cancer Res., 8, 1234, 2002.

12)
In vivo抗腫瘍試験(社内資料)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

株式会社ミノファーゲン製薬 くすり相談窓口

FAX番号
03(5909)2324

商品情報お問い合わせ先
株式会社ミノファーゲン製薬 くすり相談窓口

電話番号
03(5909)2322

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
株式会社ミノファーゲン製薬

東京都新宿区西新宿3-2-11