フルダラ錠10mg


作成又は改訂年月

**2015年6月改訂(第15版)

*2013年1月改訂

日本標準商品分類番号

874229

日本標準商品分類番号等

国際誕生年月
1991年4月

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤

承認等

販売名
フルダラ錠10mg

販売名コード

4229002F1022

承認・許可番号

承認番号
21900AMY00009
商標名
Fludara

薬価基準収載年月

2007年6月

販売開始年月

2007年7月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

包装に表示されている期限内に使用すること

規制区分

劇薬

処方箋医薬品注)

注)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含量

1錠中、フルダラビンリン酸エステル10mg含有

添加物

乳糖水和物、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、タルク、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄

性状

色・剤形

うすい帯黄赤色のフィルムコーティング錠

外形(識別コード)

  

長径

10.8mm

短径

4.2mm

厚さ

3.3mm

重さ

154mg

一般的名称

フルダラビンリン酸エステル錠

警告

1.
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

2.
骨髄抑制により感染症又は出血傾向等の重篤な副作用が増悪又は発現することがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[「重要な基本的注意」の項参照]

3.
遷延性のリンパ球減少により、重症の免疫不全が増悪又は発現する可能性があるので、頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、免疫不全の徴候について綿密な検査を行うこと。[「重要な基本的注意」の項参照]

4.
致命的な自己免疫性溶血性貧血が報告されているので、自己免疫性溶血性貧血の既往歴の有無、クームス試験の結果に拘わらず、溶血性貧血の徴候について綿密な検査を行うこと。

5.
放射線非照射血の輸血により移植片対宿主病(GVHD:graft versus host disease)があらわれることがあるので、本剤による治療中又は治療後の患者で輸血を必要とする場合は、照射処理された血液を輸血すること。

6.
ペントスタチンとの併用により致命的な肺毒性が報告されているので併用しないこと。[「禁忌」、「相互作用」の項参照]

なお、本剤使用にあたっては、添付文書を熟読のこと。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
重篤な腎障害のある患者(クレアチニンクリアランス<24時間蓄尿により測定>が30mL/分未満の患者)[本剤は腎から排泄されるので、排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。]

2.
妊婦又は妊娠している可能性のある女性[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

3.
ペントスタチンを投与中の患者[「警告」、「相互作用」の項参照]

4.
フルダラビンリン酸エステルにより溶血性貧血を起こしたことのある患者[重篤な溶血性貧血を起こすおそれがある。]

5.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

●再発又は難治性の下記疾患
低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫
マントル細胞リンパ腫

●貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病

効能又は効果に関連する使用上の注意

慢性リンパ性白血病において、本剤の対象は、未治療例の場合、原疾患の進展に起因する貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病患者(Rai分類でハイリスク群又はBinet分類でB又はC期)であり、既治療例の場合、少なくとも一種類の標準的なアルキル化剤を含む治療に無効又は進行性の慢性リンパ性白血病患者である。

用法及び用量

通常、成人にはフルダラビンリン酸エステルとして、40mg/m2(体表面積)を1日1回5日間連日経口投与し、23日間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、体表面積により、次の投与量を1日用量とする。ただし、患者の状態により適宜減量する。

体表面積(m2):0.89−1.13
1日用量(1日あたりの錠数):40mg(4錠)

体表面積(m2):1.14−1.38
1日用量(1日あたりの錠数):50mg(5錠)

体表面積(m2):1.39−1.63
1日用量(1日あたりの錠数):60mg(6錠)

体表面積(m2):1.64−1.88
1日用量(1日あたりの錠数):70mg(7錠)

体表面積(m2):1.89−2.13
1日用量(1日あたりの錠数):80mg(8錠)

体表面積(m2):2.14−2.38
1日用量(1日あたりの錠数):90mg(9錠)

※:小数点以下2桁に四捨五入

用法及び用量に関連する使用上の注意

1.
腎機能が低下している患者(クレアチニンクリアランスが30〜70mL/分)では、腎機能の低下に応じて次のような目安により投与量を減量し、安全性を確認しながら慎重に投与すること。[「薬物動態」の項参照]

<減量の目安>
クレアチニンクリアランス(mL/分):70
体表面積(m2):0.45−0.73
1日用量(1日あたりの錠数):20mg(2錠)
体表面積(m2):0.74−1.01
1日用量(1日あたりの錠数):30mg(3錠)
体表面積(m2):1.02−1.30
1日用量(1日あたりの錠数):40mg(4錠)
体表面積(m2):1.31−1.58
1日用量(1日あたりの錠数):50mg(5錠)
体表面積(m2):1.59−1.87
1日用量(1日あたりの錠数):60mg(6錠)
体表面積(m2):1.88−2.16
1日用量(1日あたりの錠数):70mg(7錠)
体表面積(m2):2.17−2.44
1日用量(1日あたりの錠数):80mg(8錠)

クレアチニンクリアランス(mL/分):50
体表面積(m2):0.53−0.86
1日用量(1日あたりの錠数):20mg(2錠)
体表面積(m2):0.87−1.20
1日用量(1日あたりの錠数):30mg(3錠)
体表面積(m2):1.21−1.54
1日用量(1日あたりの錠数):40mg(4錠)
体表面積(m2):1.55−1.88
1日用量(1日あたりの錠数):50mg(5錠)
体表面積(m2):1.89−2.21
1日用量(1日あたりの錠数):60mg(6錠)
体表面積(m2):2.22−2.55
1日用量(1日あたりの錠数):70mg(7錠)
体表面積(m2):2.56−2.89
1日用量(1日あたりの錠数):80mg(8錠)

クレアチニンクリアランス(mL/分):30
体表面積(m2):0.65−1.05
1日用量(1日あたりの錠数):20mg(2錠)
体表面積(m2):1.06−1.47
1日用量(1日あたりの錠数):30mg(3錠)
体表面積(m2):1.48−1.88
1日用量(1日あたりの錠数):40mg(4錠)
体表面積(m2):1.89−2.30
1日用量(1日あたりの錠数):50mg(5錠)
体表面積(m2):2.31−2.71
1日用量(1日あたりの錠数):60mg(6錠)
体表面積(m2):2.72−3.13
1日用量(1日あたりの錠数):70mg(7錠)
体表面積(m2):3.14−3.54
1日用量(1日あたりの錠数):80mg(8錠)

2.
本剤による治療中に高度の骨髄抑制が認められた場合には、次のような目安により、適切に減量、休薬又は投与中止の判断を行うこと。

<投与量調整の目安>
低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫
骨髄機能の回復の指標
好中球数1,200/mm3以上及び血小板数75,000/mm3以上
投与量の調節
次クール開始にあたり、好中球数及び血小板数が上記の指標に回復するまで休薬する。
・1週後までに回復した場合は40mg/m2/日で投与を継続する。
・2週後までに回復した場合は30mg/m2/日に減量する。
・2週後までに回復しなかった場合は投与を中止する。

慢性リンパ性白血病
骨髄機能の回復の指標
好中球数1,000/mm3以上及び血小板数100,000/mm3以上
投与量の調節
次クール開始にあたり、好中球数及び血小板数が上記の指標に回復するまで休薬する。
・2週後までに回復した場合は40mg/m2/日で投与を継続する。
・2週後までに回復しなかった場合、
-好中球数500/mm3以上、及び血小板数50,000/mm3以上であれば30mg/m2/日に減量する。
-好中球数500/mm3未満、又は血小板数50,000/mm3未満であれば20mg/m2/日に減量する。

3.
国内臨床試験において、本剤の6クールを超える投与での低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫に対する有効性及び安全性は確認されていない[「臨床成績」の項参照]。6クールを超えて投与を行う場合には、投与継続について慎重に判断すること。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
腎機能が低下している患者(クレアチニンクリアランスが30〜70mL/分の患者)[副作用が強くあらわれるおそれがある。]

2.
感染症を合併している患者[骨髄抑制により感染症が増悪するおそれがある。]

3.
肝障害のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]

重要な基本的注意

1.
骨髄抑制により感染症又は出血傾向等の重篤な副作用が増悪又は発現することがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。[「その他の注意」の項参照]

2.
遷延性のリンパ球減少(特にCD4陽性リンパ球の減少)により、重症の免疫不全が増悪又は発現する可能性があるので、頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、免疫不全の徴候について綿密な検査を行うこと。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うとともに、カンジダ等の真菌、サイトメガロウイルス等のウイルス、ニューモシスチス・カリニ等による重症日和見感染に注意すること。また、日和見感染の発現を抑制するため、あらかじめ適切な措置を講ずること。

3.
生殖可能な年齢の患者に投与する場合には、性腺に対する影響を考慮すること。[「その他の注意」の項参照]

4.
**B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)で、本剤の投与により、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎又は劇症肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。本剤の治療期間中及び治療終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。

相互作用

併用禁忌

(併用しないこと)

薬剤名等
ペントスタチン
 (コホリン)

臨床症状・措置方法
致命的な肺毒性が発現することがある。

機序・危険因子
機序は不明

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等
シタラビン

臨床症状・措置方法
骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。

機序・危険因子
in vivo試験及びin vitro試験において、シタラビンの活性代謝物であるara-CTPの細胞内濃度の上昇が認められている。

2. 薬剤名等
他の抗悪性腫瘍剤

臨床症状・措置方法
骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。

機序・危険因子
ともに骨髄抑制作用を有する。

副作用

副作用等発現状況の概要

低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を対象とした国内臨床試験における総症例64例中、64例(100.0%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な自他覚症状は悪心26例(40.6%)、食欲不振23例(35.9%)、疲労22例(34.4%)、下痢20例(31.3%)、血尿15例(23.4%)、頭痛15例(23.4%)、上気道炎13例(20.3%)、便秘13例(20.3%)、発疹12例(18.8%)、鼻咽頭炎10例(15.6%)等であった。
主な臨床検査値異常はリンパ球減少62例(96.9%)、白血球減少62例(96.9%)、好中球減少61例(95.3%)、ヘモグロビン減少42例(65.6%)、赤血球減少39例(60.9%)、血小板減少35例(54.7%)、CRP上昇29例(45.3%)、ALT(GPT)上昇27例(42.2%)、AST(GOT)上昇24例(37.5%)、LDH上昇23例(35.9%)、総ビリルビン上昇17例(26.6%)、高尿酸血症15例(23.4%)、ALP上昇12例(18.8%)、γ-GTP上昇12例(18.8%)等であった。(承認時)

重大な副作用

1. 骨髄抑制
(頻度不明) 
汎血球減少、好中球減少、血小板減少、ヘモグロビン減少、赤血球減少等があらわれる又は増悪することがあるので、頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

2. 間質性肺炎
(頻度不明) 
間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、咳、発熱等の症状が認められた場合には速やかにX線検査を行い、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

3. 精神神経障害
(頻度不明) 
錯乱、昏睡、興奮、けいれん発作、失明、末梢神経障害等の精神神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

4. 腫瘍崩壊症候群
(頻度不明) 
腫瘍崩壊症候群(初期症状:側腹部痛、血尿)があらわれることがある。この合併症は高尿酸血症、高リン酸血症、低カルシウム血症、代謝性アシドーシス、高カリウム血症、血尿及び腎不全を伴うことがあるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと(本剤の治療効果が投与開始後1週間であらわれることがあるので、この合併症の危険性のある患者では予防措置を講じること)。

5. **重症日和見感染
(頻度不明) 
敗血症、肺炎等の重症日和見感染があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスによる肝炎の増悪又は劇症肝炎を認めることがある観察を十分に行い、異常が認められた場合には、抗生剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤の投与等適切な処置を行うこと。

6. 自己免疫性溶血性貧血
(頻度不明) 
致命的な自己免疫性溶血性貧血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、輸血(放射線照射血)、副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うこと。

7. 自己免疫性血小板減少症
(頻度不明) 
自己免疫性血小板減少症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

8. 赤芽球癆
(頻度不明) 
赤芽球癆があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

9. 脳出血、肺出血、消化管出血
(頻度不明) 
脳出血、肺出血、消化管出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

10. 出血性膀胱炎
(頻度不明) 
出血性膀胱炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血尿が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

11. 重篤な皮膚障害
(頻度不明) 
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、口腔粘膜の発疹、口内炎等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

12. 心不全
(頻度不明) 
心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

13. 進行性多巣性白質脳症(PML)
(頻度不明) 
進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

下記の副作用があらわれることがあるので、このような場合には適切な処置を行うこと。

呼吸器
5%以上 
上気道炎、鼻咽頭炎、咽頭炎、咳

呼吸器
5%未満 
アレルギー性鼻炎、喘鳴、呼吸困難

呼吸器
頻度不明 
呼吸障害、低酸素(症)

消化器
5%以上 
悪心、食欲不振、下痢、便秘、胃部不快感、口内炎

消化器
5%未満 
腹痛、消化不良、嘔吐

消化器
頻度不明 
口唇疱疹

精神神経系
5%以上 
頭痛、不眠、めまい、感覚減退(しびれ)

精神神経系
頻度不明 
脱力感、下肢知覚異常、手指感覚異常、視力障害、視神経炎、視神経障害、下垂手、錯感覚注)

循環器
5%以上 
不整脈、動悸

循環器
5%未満 
浮腫

循環器
頻度不明 
脈拍数増加

代謝異常
頻度不明 
代謝性アシドーシス、膵酵素変化

肝臓
5%以上 
ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇、ALP上昇、γ-GTP上昇、血清アルブミン低下、血清総蛋白減少、ウロビリン尿

肝臓
頻度不明 
黄疸

皮膚
5%以上 
発疹、表皮剥離

皮膚
5%未満 
皮膚そう痒症

腎臓
5%以上 
高尿酸血症、蛋白尿、高カリウム血症、低ナトリウム血症、クレアチニン上昇

腎臓
5%未満 
BUN上昇、低カルシウム血症

腎臓
頻度不明 
高リン酸血症

泌尿器
頻度不明 
尿中結晶

その他
5%以上 
CRP上昇、疲労、発熱、体重減少

その他
5%未満 
腰痛、筋肉痛、神経痛、味覚異常、けん怠感、多汗、潮紅

その他
頻度不明 
疼痛、水痘、悪寒、無力症注)、インフルエンザ様症状注)、末梢性浮腫注)、四肢痛注)、粘膜障害

その他の副作用の注意

注)外国の臨床試験で報告された有害事象

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、本剤投与前に患者の状態及び臓器機能を十分に検討し確認すること。投与開始後は、患者の状態を慎重に観察すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
胎児毒性及び催奇形性が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[妊娠中に注射剤の投与を受けた患者で奇形を有する児を出産したとの報告がある。]

2.
授乳中の女性に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験で乳汁中に移行することが認められている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]

過量投与

徴候、症状
外国の急性白血病を対象とした注射剤での臨床試験で、過量投与により失明、昏睡などの重篤な精神神経障害の発現が報告されている。

処置
本剤の投与を中止し、慎重に観察を行うとともに適切な対症療法を行うこと。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

1.
フルダラビンリン酸エステルと他の抗悪性腫瘍剤で治療された患者に、骨髄異形成症候群、急性白血病、エプスタイン・バーウイルス関連リンパ増殖性疾患が発生したとの報告がある。

2.
注射剤による治療中又は治療後に、皮膚癌の発生、悪化又は再燃が報告されている。

3.
低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫患者を対象に本剤を用いて実施した第II相臨床試験において、白血球数が最低値に至るまでの期間(クールごとの中央値)は8〜14日、好中球数は15〜21日、リンパ球数は7日、ヘモグロビンは14〜21日、血小板数は14〜15日であり、回復までの期間(最低値から、各クール投与開始前のグレードへ改善するまでの期間、クールごとの中央値)は、白血球数:8〜14日、好中球数:7〜8日、リンパ球数:7〜15日、ヘモグロビン:6.5〜8日、血小板数:7〜11日であった。また、全クールを通じての最低値はそれぞれ、49.5日、61.5日、68.5日、72.0日及び89.5日と、投与2〜3クール目にみられた。

4.
動物実験(ラット、イヌ)において精巣毒性が認められ、4週間の休薬期間では回復性が確認されていないので、不妊など性腺に対する影響を考慮すること。また、男性において、本剤による治療中、精子のDNA損傷が認められたという報告がある。

薬物動態

1. 薬物動態
日本人の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫患者に本剤30、40及び50mg/m2を1日1回5日間連日経口投与したとき、投与1日目及び5日目の血漿中主代謝物(2F-ara-A)濃度は、30mg/m2の投与5日目の1例を除き、投与1〜2時間後に最高値に達した後、二相性に消失し、最終相半減期は8〜14時間であった。また、投与5日目のAUCは1日目の1.3〜1.4倍に増加した1)



[注:本剤の承認用量は1日量40mg/m2(体表面積)]

2. 蛋白結合
最終添加濃度0.2〜5μg/mLでの2F-ara-Aのヒト血漿との蛋白結合率は19.3〜29.4%であり、濃度によらずほぼ一定であった2)。また、2F-ara-A(最終添加濃度0.285μg/mL)のヒト血清アルブミンとの結合率は9.1%であった3)

3. 代謝・排泄
経口投与後消化管で吸収され、血液中で速やかに2F-ara-Aに代謝された後、2F-ara-Aとして主に尿中に排泄される。日本人の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫患者に本剤30、40及び50mg/m2/日を1日1回5日間連日投与したとき、いずれの投与群においても投与5日後までに累積投与量の約33.1〜39.0%が2F-ara-Aとして尿中に排泄された1)
[注:本剤の承認用量は1日量40mg/m2(体表面積)]

4. 腎機能低下患者における動態(参考:静脈内投与)
腎機能低下患者(米国人癌患者、血清クレアチニン濃度≧1.5mg/dL又はクレアチニンクリアランス<70mL/分)に80〜260mg/m2の用量で単回静脈内投与したとき、血漿中2F-ara-A濃度の全身クリアランスは腎機能の正常な患者に比して低下した4)。さらに、腎機能低下患者(米国人白血病患者、クレアチニンクリアランス<70mL/分)に5日間連日点滴静注したとき、血漿中2F-ara-A濃度の全身クリアランスとクレアチニンクリアランスには正の相関関係が認められた。また、AUCは、腎機能低下度がより大きい患者では腎機能の正常な患者に比して最大約2倍まで増加した5)
これらのことから、腎機能低下患者では、血漿中2F-ara-Aの曝露量を腎機能の正常な患者と等しくするために、腎機能の低下の程度(クレアチニンクリアランス:30〜70mL/分)に応じて投与量を減量する必要があると考えられる。

臨床成績

1. 国内での臨床試験成績
治療歴を有する低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫患者において、総症例52例を対象に、本剤40mg/m2/日を5日間連日単独経口投与及び休薬23日間(計28日間)を1クールとして最大6クール実施した国内第II相臨床試験での有効性は以下のとおりであった。平均投与クールは4.7クールであった6)

2. 外国での臨床試験成績
治療歴を有するB細胞性慢性リンパ性白血病(B-CLL)患者78例を対象とした海外第II相臨床試験及び未治療のB-CLL患者81例を対象とした海外第II相臨床試験での有効性は以下のとおりであった。なお、いずれの試験においても、本剤40mg/m2/日を5日間連日経口投与及び休薬23日間(計28日間)を1クールとして最大8クール実施した。

臨床成績の表

国内での臨床試験成績

  評価症例 完全寛解 部分寛解 奏効率
(95%信頼区間) 
TTFの中央値
(95%信頼区間) 
Lg−NHL 46例 14例 16例 65%
(50−79%) 
8.6ヵ月
(6.6−12.0ヵ月) 
MCL 6例 0例 1例 17%
(0−64%) 
6.1ヵ月
(4.6−8.7ヵ月) 

Lg−NHL:低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫
MCL:マントル細胞リンパ腫
完全寛解:不確定完全寛解を含む、奏効率:部分寛解以上、TTF:治療成功期間


外国での臨床試験成績

  評価症例 完全寛解 部分寛解 奏効率
(95%信頼区間) 
投与クール最大
(平均) 
既治療例 78例 14例 26例 51%
(40−63%) 
8クール
(5クール) 
未治療例 81例 10例 55例 80.2%
(70−88%) 
8クール
(5.9クール) 

奏効率:部分寛解以上[米国国立がん研究所(National Cancer Institute:NCI)規準による全有効性評価対象例での解析]


薬効薬理

1. 作用機序
DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼなどを阻害し、DNA及びRNA合成並びにDNA修復を阻害することにより増殖細胞及び静止細胞のいずれにも抗腫瘍効果を発揮する7〜12)

2. 抗腫瘍効果
種々の培養ヒト白血病細胞株を用いた腫瘍選択性試験において、骨髄性白血病細胞に比べ慢性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病及び成人T細胞白血病・リンパ腫細胞で強い増殖阻害作用を示した13)。非ホジキンリンパ腫については、患者由来細胞及び株化細胞に対して増殖抑制作用を示し、マントル細胞リンパ腫患者から採取した細胞においてアポトーシス増強作用を示した14〜16)。(in vitro
マウスL1210白血病細胞又はヒトJOK-1白血病細胞を腹腔内移植したマウスにおいて、静脈内投与(L1210、JOK-1)、経口投与(JOK-1)ともに延命効果を示した17〜19)。(in vivo

有効成分に関する理化学的知見

構造式

一般名
フルダラビンリン酸エステル(Fludarabine Phosphate)〔JAN〕

化学名
(+)-2-Fluoro-9-(5-O-phosphono-β-D-arabinofuranosyl)-9H-purin-6-amine

分子式
C10H13FN5O7P

分子量
365.21

性状
本品は白色の結晶性の粉末である。
本品はN,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、水又は0.1mol/L塩酸試液に溶けにくく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は吸湿性である。

取扱い上の注意

小児の手のとどかない所に保管するよう指導すること。

包装

錠剤
10mg PTP包装 10錠(5錠×2)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
社内資料(薬物動態, 2003)[FDR-08]

2)
社内資料(蛋白結合, 1997)[FDR-06]

3)
Reichelova, V. et al.:J. Liq. Chromatogr. 18:1123(1995)[FDR0026]

4)
Malspeis, L. et al.:Semin. Oncol. 17:18(1990)[FDR0025]

5)
Williams, G. et al.:Proceedings of the ASCO 17:219a abstract 845(1998)[FDR0024]

6)
Tobinai, K. et al.:J. Clin. Oncol. 24:174(2006)[FDR0044]

7)
Huang, P. et al.:J. Biol. Chem. 265:16617(1990)[FDR0005]

8)
Huang, P. et al.:Molecular Pharmacology 39:449(1991)[FDR0006]

9)
Tseng, W. -C. et al.:Molecular Pharmacology 21:474(1982)[FDR0007]

10)
Sandoval, A. et al.:Clin. Cancer Res. 2:1731(1996)[FDR0008]

11)
Rao, V. et al.:Clin. Cancer Res. 9:3204(2003)[FDR0009]

12)
Yamauchi, T. et al.:Clin. Cancer Res. 7:3580(2001)[FDR0010]

13)
社内資料(in vitro抗腫瘍効果, 1997)[FDR-02]

14)
Clodi, K. et al.:Br. J. Haematol. 103:217(1998)[FDR0015]

15)
Di Gaetano, N. et al.:Br. J. Haematol. 114:800(2001)[FDR0014]

16)
Lathan, B. et al.:Eur. J. Cancer Clin. Oncol. 24:1891(1988)[FDR0013]

17)
社内資料(in vivo抗腫瘍効果, 1987)[FDR-03]

18)
Bai, L. et al.:Oncol. Rep. 7:33(2000)[FDR0018]

19)
社内資料(in vivo抗腫瘍効果, 1998)[FDR-04]

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

サノフィ株式会社 コールセンター くすり相談室

〒163-1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号

電話番号
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製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

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