ブレーザベスカプセル100mg


作成又は改訂年月

* 2016年10月改訂 (第2版)

2012年5月作成

日本標準商品分類番号

873999

日本標準商品分類番号等

国際誕生年月
2002年11月

薬効分類名

グルコシルセラミド合成酵素阻害薬

承認等

販売名
ブレーザベスカプセル100mg

販売名コード

3999030M1021

承認・許可番号

承認番号
22400AMX00659000
商標名
BRAZAVES 100mg

薬価基準収載年月

2012年5月

販売開始年月

2012年5月

貯法・使用期限等

貯  法

室温保存

使用期限

包装に表示

規制区分

処方箋医薬品

注意-医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含量

1カプセルはミグルスタット100mgを含有

添加物

デンプングリコール酸ナトリウム、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム

性状

白色の硬カプセル剤

外形

 4号

識別コード

OGT 918
100

大きさ(約)

長径:14mm
短径:6.5mm
重さ:149mg

一般的名称

ミグルスタットカプセル

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

2.
本剤及び本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

ニーマン・ピック病C型

用法及び用量

通常、成人には、1回200mgを1日3回経口投与する。
小児には、下記の通り体表面積に基づき用量を調整して経口投与する。
なお、患者の状態に応じて適宜減量する。

体表面積(m2):0.47以下
用量:1回100mg, 1日1回

体表面積(m2):0.47を超え0.73以下
用量:1回100mg, 1日2回

体表面積(m2):0.73を超え0.88以下
用量:1回100mg, 1日3回

体表面積(m2):0.88を超え1.25以下
用量:1回200mg, 1日2回

体表面積(m2):1.25を超える
用量:1回200mg, 1日3回

用法及び用量に関連する使用上の注意

腎機能障害のある患者においては、本剤の排泄が遅延し全身曝露量が増加するため、腎機能の程度に応じて、開始用量を下記の通りとし、その後は患者の状態に応じて用量を調整すること。(「薬物動態」の項参照)

クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73m2):50以上70以下
推奨開始用量:1回200mg, 1日2回

クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73m2):30以上50未満
推奨開始用量:1回100mg, 1日2回

※小児の患者では、(体表面積/1.8)×推奨開始用量に基づく換算を参考に用量を調整すること。

重度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min/1.73m2未満)に対する本剤の使用経験はない。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
腎機能障害のある患者[腎機能が悪化するおそれがある。また、使用経験が少ない。「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照]

2.
肝機能障害のある患者[肝機能が悪化するおそれがある。また、使用経験が少ない。]

3.
胃腸障害のある患者[下痢、鼓腸、腹痛等の消化器症状を増強するおそれがある。]

重要な基本的注意

1.
本剤の有用性を6ヵ月ごとに評価し、投与継続の可否を慎重に検討すること。少なくとも本剤投与開始1年後には、投与の継続について再評価すること。有用性が認められない場合には投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと。

2.
腎機能障害のある患者においては、腎機能の程度に応じて投与量を適宜減量することから、腎機能を定期的に検査すること。

3.
浮動性めまいが報告されているので、本剤投与中は自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

4.
本剤の投与により消化器系症状(主として下痢)が発現することがある。下痢が認められた場合には、食事内容の変更(炭水化物を多く含む食事を避ける等)、本剤の投与時期を食事時間から離す、止瀉薬を投与する、本剤を一時的に減量する等の適切な処置を行うこと。(本剤投与により、消化管での二糖類分解酵素が阻害され、食物の吸収低下が起こると考えられている。)

5.
末梢性ニューロパチーが報告されているので、本剤の投与開始前に神経学的検査を行い、投与中は6ヵ月ごとに実施すること。患者の状態を十分観察し、しびれ感やピリピリ感などの症状が現れた場合は、投与継続の可否を慎重に検討すること。

6.
振戦が高頻度に報告されている。患者の状態を十分観察し、振戦が認められた場合は本剤の減量又は投与を中止する等の適切な処置を行うこと。

7.
血小板数減少が報告されているので、本剤投与中は定期的に血小板数をモニタリングし、異常が認められた場合には本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うこと。

8.
動物試験で、白血球数及び赤血球数の変動並びに肝酵素の上昇がみられているので、これらの臨床検査値の変動に注意すること。

9.
動物試験で、ミグルスタット投与により雄性生殖器重量及び精子形成の低下、並びに受胎率の低下が報告されているので、男性患者で受胎を希望する場合には、事前に本剤の投与を中止し、3ヵ月間は避妊するよう適切に指導すること。

10.
小児において、本剤投与の初期段階で成長遅延が報告されている。成長期の患者では、投与中は定期的に身長及び体重をモニタリングし、投与継続の可否を慎重に検討すること。

副作用

副作用等発現状況の概要

国内臨床試験で、小児患者1例を含むニーマン・ピック病C型患者4例において、12ヵ月(1例)又は6ヵ月(3例)までに発現した副作用は、下痢4例(100%)5件、体重減少2例(50%)2件、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加1例(25%)1件、鼓腸1例(25%)1件、傾眠1例(25%)1件、痙性麻痺1例(25%)1件、振戦1例(25%)1件、発疹1例(25%)1件、睡眠障害1例(25%)1件、甲状腺機能低下症1例(25%)1件、二次性高血圧1例(25%)1件であった(承認時)。
外国におけるニーマン・ピック病C型の成人/青年期及び小児患者を対象とした臨床試験32例において、12ヵ月までに発現した主な副作用は、下痢25例(78%)、鼓腸17例(53%)、腹痛11例(34%)、体重減少11例(34%)、振戦6例(19%)、腹部膨満4例(13%)、食欲減退4例(13%)、嘔吐3例(9%)、腹部不快感3例(9%)、振戦増悪2例(6%)、錯感覚2例(6%)、嗜眠2例(6%)等であった。

重大な副作用

重度の下痢
下痢が高頻度に報告されており、重度の下痢も報告されているので、下痢が認められた場合には、食事内容の変更や本剤の減量等の適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」の項参照]

その他の副作用

(海外データ)
次のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の減量又は投与を中止する等の適切な処置を行うこと。

代謝及び栄養障害
10%以上 
体重減少、食欲減退

精神障害
1%以上10%未満 
うつ病、不眠症、リビドー減退

神経系障害
10%以上 
振戦

神経系障害
1%以上10%未満 
末梢性ニューロパチー、運動失調、健忘、錯感覚、感覚鈍麻、頭痛、浮動性めまい

胃腸障害
10%以上 
下痢、鼓腸、腹痛

胃腸障害
1%以上10%未満 
悪心、嘔吐、腹部膨満/不快感、便秘、消化不良

筋骨格系及び結合組織障害
1%以上10%未満 
筋痙縮、筋力低下

全身障害
1%以上10%未満 
疲労、無力症、悪寒、倦怠感

臨床検査
1%以上10%未満 
血小板数減少、神経伝導検査異常

頻度は海外臨床試験成績より算出した。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、慎重に投与すること。高齢者に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない(使用経験がない)。また、動物実験で次世代児において胚の発生や、胎児及び新生児の発育を抑制する作用が報告されている。]

2.
授乳中の婦人には投与しないこと。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない(使用経験がない)。]

小児等への投与

4歳未満のニーマン・ピック病C型患者に対する本剤の使用経験はない。[「薬物動態」及び「臨床成績」の項参照]

過量投与

過量投与時の急性症状は確認されていない。HIV陽性患者に対して本剤を最高3000mg/日、6ヵ月間経口投与した試験において、有害事象として顆粒球減少症、浮動性めまい及び錯感覚等が認められた。また、800mg/日以上の用量を投与されたHIV陽性患者では、白血球減少症及び好中球減少症も認められた。1)

適用上の注意

以下の点について指導すること。

(1)
本剤はPTPシートから取り出して服用すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

(2)
PTPシートから取り出す際には、指の腹で押し出さず、裏面の目印箇所からシートを剥がした後、ゆっくりと指の腹で押し出すこと。

薬物動態

1. 血漿中濃度

(1) 健康成人

1) 単回投与(外国人データ)2)
外国人健康成人24例にミグルスタット100mgを食後及び絶食下で単回経口投与し、投与後36時間まで経時的に血漿中濃度を測定したときの薬物動態パラメータは下表の通りであった。食後投与では、絶食下投与と比較してCmaxは36%低下し、AUC0-∞は14%低下した。
(表1参照)

2) 単回投与(日本人データ)3)
日本人健康成人8例にミグルスタット100mgを絶食下で単回経口投与し、投与後48時間まで経時的に血漿中濃度を測定したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは下図及び下表の通りであった。


(表2参照)

(2) ニーマン・ピック病C型患者(外国人データ)4)
ニーマン・ピック病C型患者に対し、ミグルスタット1回200mg 1日3回を1ヵ月間反復経口投与した12歳以上の6例及びミグルスタットを体表面積で用量調整して1ヵ月間投与した12歳未満の4例の薬物動態パラメータは下表の通りであった。
(表3参照)

2. 代謝・排泄(外国人データ)
14C]-ミグルスタット100mgを健康成人6例に単回投与したとき、放射能の83%が尿中、12%が便中から回収された。尿中及び便中から数種類の代謝物が同定された。尿中に多量に存在した代謝物はミグルスタットグルクロニドで、投与量の5%に相当する。5)
なお、ゴーシェ病III型患者にミグルスタットを1ヵ月間反復経口投与した後の脳脊髄液中濃度は、12歳以上の患者で血漿中濃度の37〜42%、12歳未満の患者で血漿中濃度の31〜67%であった。6)
In vitro試験において、各CYP分子種(CYP1A2、2A6、2C9、2C19、2D6、2E1、3A4及び4A11)に対する阻害作用を検討した結果、CYP1A2及び2E1ではわずかな阻害作用が認められたが、他のCYP分子種では阻害は認められなかった。7)

3. 蛋白結合率8)
In vitro試験においてタンパク結合率を検討した結果、血漿蛋白との結合は認められず、赤血球に対する結合率(平均値)は38.8%であった。

4. 高齢者での体内動態
65歳を超える高齢患者での検討は行っていない。

5. 肝機能障害患者における体内動態
肝機能障害患者での検討は行っていない。

6. 腎機能障害患者における体内動態(外国人データ)9)
ファブリー病患者16例にミグルスタットを1回100mg 1日1回あるいは2回投与した時の補正クレアチニンクリアランスに対するミグルスタット経口投与の見かけのクリアランス(CL/F)は下表の通りであった。腎機能障害患者においてミグルスタットに対する全身曝露量が増加する。
重度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min/1.73m2未満)に対する本剤の使用経験はない。[「慎重投与」の項参照]
(表4参照)

表1

  Cmax
(ng/mL) 
AUC0-∞
(ng・h/mL) 
tmax
(h) 
t1/2
(h) 
食後 843
(36.5%) 
9320
(20.3%) 
4.50
(1.50-8.00) 
8.00
(19.3%) 
絶食下 1328
(24.6%) 
10868
(20.0%) 
2.5
(1.00-4.00) 
7.78
(24.7%) 

n=24、数値は幾何平均値(変動係数)、ただし、tmaxは中央値(範囲)


表2

  Cmax
(ng/mL) 
AUC0-∞
(ng・h/mL) 
tmax
(h) 
t1/2
(h) 
CL/F
(mL/min) 
100mg 1380
(19.9%) 
10310
(6.6%) 
2.25
(1-3) 
8.52
(11.1%) 
161.6
(6.6%) 

n=8、数値は幾何平均値(変動係数)、ただし、tmaxは中央値(範囲)


表3

用法・用量 Cmax
(ng/mL) 
AUC0-8h
(ng・h/mL) 
tmax
(h) 
12歳以上         
1回200mg
1日3回 
2698
(22.9%) 
16412
(19.5%) 
3.00
(0.75-4.00) 
12歳未満(用法・用量は体表面積で補正)         
1回200mg
1日3回 
2075 11975 4.00 
1回200mg
1日2回 
3505 20725 4.00 
1回200mg
1日2回 
3086 17040 3.08 
1回200mg
1日1回(午前)
1回100mg
1日1回(午後) 
2223 15866 4.00 

12歳以上:幾何平均値(変動係数)、ただし、tmaxは中央値(範囲)
12歳未満:個々の患者の数値


表4

クレアチニンクリアランス
(mL/min/1.73m2) 
CL/F(mL/min)
CL/F(mL/min)
平均 
CL/F(mL/min)
標準偏差 
80以上 182.56 40.18 
50以上80未満 106.70 19.65 
30以上50未満 88.70 11.23 
30未満 60.74 4.99 

臨床成績

1. 国内における臨床成績10)
ニーマン・ピック病C型成人患者(1例)に、ミグルスタット1回100mg 1日3回(開始用量)を14日間投与後、1回200mg 1日3回(維持用量)に増量し、計6ヵ月間投与したところ、因果関係が認められた有害事象は軽度の下痢1件のみであった。下痢は投与開始2日目より発現し、ミグルスタットの継続投与中に軽快したが、回復することなく持続している。

2. 外国における臨床成績11)
英国と米国で12歳以上のニーマン・ピック病C型患者29例を対象とした無作為化並行群間オープンラベル比較対照試験でミグルスタット(本剤)投与群(20例)は1回200mg 1日3回、12ヵ月間経口投与し、対照群(9例)は非投与(標準的な治療)とした。別途、小児サブスタディとして、12歳未満の小児患者(12例)に本剤を体表面積に応じて12ヵ月投与した。その後延長試験として12ヵ月間本剤を投与し、さらに延長継続期間(試験終了まで)も設定し継続した(12歳以上の患者では最長68ヵ月、小児患者では最長52ヵ月投与)。
12ヵ月時点の有効性の主要評価項目である水平方向の衝動性眼球運動速度の変化量±標準偏差は−0.431±0.938ms/deg、非投与群で0.074±0.823ms/degであった。小児患者では12ヵ月時点の水平方向の衝動性眼球運動速度の変化量±標準偏差は−0.465±0.401ms/degであった。本剤投与の19例及び小児サブスタディ10例(4歳以上12歳未満対象)について、嚥下機能、歩行指数及び認知機能検査の全てが悪化しなかった患者又は水平方向の衝動性眼球運動のみが悪化した患者を安定とみなしたところ、12歳以上では68%(13/19例)が安定化し、12歳未満では80%(8/10例)が安定化した。

薬効薬理

ミグルスタットは、ニーマン・ピック病C型において蓄積するスフィンゴ糖脂質の生合成経路において、グルコシルセラミド合成酵素を阻害してグルコシルセラミドの生成を抑制する。12)
ニーマン・ピック病C型モデルマウスにミグルスタット(1200mg/kg/日)を反復経口投与したところ、神経症状(企図振戦及び運動失調)発現の遅延、生存期間の延長、小脳の細胞構造の維持及び脳におけるガングリオシド蓄積の抑制が認められた。13)

有効成分に関する理化学的知見

一般名:
ミグルスタット Miglustat(JAN)

化学名:
(2R, 3R, 4R, 5S)-1-Butyl-2-(hydroxymethyl)piperidine-3, 4, 5-triol

構造式:

分子式:
C10H21NO4

分子量:
219.28

融 点:
約130℃

性 状:
ミグルスタットは白色の結晶性粉末である。水に溶けやすい。

承認条件

国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、再審査期間中の全投与症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

包装

ブレーザベス カプセル100mg:84カプセル(21カプセル×4)PTP

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
社内資料:HIV患者における有効性と安全性

2)
van Giersbergen PL, et al. J Clin Pharmacol 2007;47:1277-82.

3)
社内資料:日本人健康成人における薬物動態

4)
社内資料:ニーマン・ピック病C型患者における薬物動態

5)
社内資料:健康成人における[14C]-ミグルスタット経口投与後の吸収および排泄

6)
社内資料:ゴーシェ病III型患者における脳脊髄液中濃度

7)
社内資料:ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験

8)
社内資料:血漿蛋白および赤血球とのin vitro結合試験

9)
社内資料:ファブリー病患者における薬物動態

10)
社内資料:日本人ニーマン・ピック病C型患者における臨床試験

11)
Patterson MC, et al. Lancet Neurol 2007;6:765-772.

12)
Platt FM, et al. J Biol Chem 1994;269:8362-5.

13)
Zervas M, et al. Curr Biol 2001;11:1283-7.

資料請求先及び製品情報お問い合わせ先

*資料請求先・製品情報お問い合わせ先
アクテリオンファーマシューティカルズジャパン株式会社

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