ラディオガルダーゼカプセル500mg


作成又は改訂年月

* 2012年12月改訂 (第2版)

2010年11月作成

日本標準商品分類番号

873929

日本標準商品分類番号等

効能又は効果追加承認年月(最新)
2012年12月

国際誕生年月
1997年9月

薬効分類名

解毒剤

承認等

ラディオガルダーゼカプセル500mg

販売名コード

392900XM1028

承認・許可番号

承認番号
22200AMX00966000
商標名
RADIOGARDASE

薬価基準収載年月

薬価未収載

販売開始年月

2010年12月

貯法・使用期限等

貯法

室温,遮光保存

使用期限

外箱等に表示

規制区分

処方箋医薬品

注意−医師等の処方箋により使用すること

組成及び性状の表

組成・性状

成分・含量(1カプセル中) ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)水和物500mg注)(鉄として154.7mg相当) 
添加物 カプセル本体中:
 ゼラチン
 青色2号
 ラウリル硫酸ナトリウム 
色・剤形 青色の0号硬カプセル剤 
外形  
識別コード   PB 

注)原薬の鉄含量が30.94%のとき,付着水を含むヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)水和物として500mgを含有する。


禁忌

(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

・放射性セシウムによる体内汚染の軽減

・タリウム及びタリウム化合物による中毒

用法及び用量

 通常,1回6カプセル(ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)水和物として3g)を1日3回経口投与する。
 なお,患者の状態,年齢,体重に応じて適宜増減する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

<放射性セシウムによる体内汚染の軽減>

(1) 治療開始後は糞便中及び尿中,又は全身の放射能をシンチレーションカウンタ等で適宜測定し,本剤の投与継続の必要性を検討すること。

(2) ゴイアニア事故における本剤の投与量を参考に,用量及び投与回数を適宜増減すること。[【臨床成績】の項参照]

<タリウム及びタリウム化合物による中毒>

 臨床症状によるほか,必要に応じて血中,尿中又は糞便中のタリウム量を測定し,本剤の投与継続の必要性を検討すること。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

(1) 不整脈又は電解質異常がある患者[低カリウム血症により症状が増悪するおそれがある。]

(2) 消化管の蠕動運動の障害のある患者[本剤と結合した放射性セシウムが消化管局所に滞留することで放射線障害を発現するおそれがある。]

(3) 鉄代謝異常の患者[長期投与により本剤に含まれる鉄が蓄積するおそれがある。]

重要な基本的注意

(1) 投与中は定期的に血清カリウム濃度の検査を行い,必要に応じてカリウムを補充するなど適切な処置を行うこと。

(2) 本剤の服用により体内で遊離した鉄が吸収され,蓄積される可能性があるため投与期間中は血清フェリチン等の推移を適宜確認することが望ましい。

(3) 便秘を呈する場合は本剤の効果が十分得られない可能性があるため,排便状態を確認し,必要に応じて下剤等の使用を考慮すること。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)

併用注意の表

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 
副腎皮質ホルモン製剤,グリチルリチン製剤,利尿剤 低カリウム血症を増悪させるおそれがある。 これらの薬剤はカリウムの排泄作用を有する。 
テトラサイクリン系抗生物質 テトラサイクリン系抗生物質の吸収が減弱するおそれがある。 本剤中の鉄イオンと難溶性のキレートを形成し,テトラサイクリン系抗生物質の吸収を阻害する可能性がある。 

副作用

副作用等発現状況の概要

 本剤は副作用発現頻度が明確となる臨床試験を実施していない。
 以下のような副作用があらわれた場合には,投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。

その他の副作用

その他の副作用の表

その他の副作用

      頻度不明 
消化器 便秘,胃部不快感 
その他 低カリウム血症 

高齢者への投与

 一般に,高齢者では生理機能が低下しているので,副作用の発現に注意し,慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

小児等への投与

 低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。[【臨床成績】の項参照]

過量投与

 ゴイアニアの事故において,本剤が1日に20g投与された場合に,胃部不快感が認められたとの報告がある1)

適用上の注意

服用時:
 本剤の服用により,便が青みを帯びる場合がある。また,便の変色により血便等の発現を見逃すおそれがあるので,注意すること。

その他の注意

 排泄物等の取扱いについて,医療法その他の放射線防護に関する法令,関連する告示及び通知等を遵守し,適正に処理すること。[放射性セシウムと結合した本剤は主に糞便中に排泄されるため,本剤投与中の患者の糞便中には放射性セシウムが高濃度に含まれる可能性がある。]

薬物動態

 本剤をブタに単回胃内投与又はラットに5日間反復経口投与したとき,本剤はほとんど吸収されず,糞便中に排泄された2),3)

臨床成績

<健康成人における放射性セシウムの排泄促進作用4)>

 放射性セシウム(137Cs:37kBq)を経口摂取した健康成人7例に,本剤1.0gを1日3回投与したとき,放射性セシウムの生物学的半減期の平均値が94日から31日に短縮した。

<ゴイアニアにおける放射性セシウムの被曝事故1)>

 ブラジルのゴイアニアの事故において,放射性セシウム(137Cs)の体内汚染を受けた46例に本剤が投与された。成人及び若年成人には本剤1日3〜10g,小児には本剤1日1〜3gが,2,3又は6回に分けて経口投与された(投与間隔は投与量に応じて調整され,最短2時間間隔で投与された)。46例中25例について,本剤の投与中及び投与中止後の放射性セシウムの生物学的半減期に関するデータが得られ(表1),本剤投与による放射性セシウムの生物学的半減期の短縮が認められた。また,本剤の投与により糞便中/尿中の放射能排泄比が増加した。

<タリウム中毒患者におけるタリウム排泄促進作用5),6)>

 タリウム中毒患者2名に,1日当たり6gの本剤を,それぞれ5日間又は22日間投与した。いずれの症例においても糞便中及び尿中のタリウム排泄量が増加し,脱毛等の症状が改善した。
 また,タリウム中毒患者1名に,本剤1.5gを1日3回,2週間投与した。その結果,血中タリウム濃度が低下し,感覚異常等の症状が改善した。

臨床成績の表

1.

表1:本剤の投与中及び投与中止後の放射性セシウムの生物学的半減期

年齢 投与量 患者数a) 137Csの生物学的半減期b)
投与中 
137Csの生物学的半減期b)
投与中止後 
平均短縮率 
19歳以上 10g/日
6g/日
3g/日 
5例
10例
6例 
26±6日
25±15日
25±9日 

80±15日 

69% 
12〜14歳 10g/日 5例 30±12日 62±14日 46% 
4〜9歳 3g/日 7例 24±3日 42±4日 43% 

a) 19歳以上は13例であるが,複数の投与量で治療されていた8例は,投与量別にそれぞれ1例として集計
b) 平均値±標準偏差


薬効薬理

<放射性セシウムの排泄促進作用>

 放射性セシウム(137Cs)を投与したラットに,放射性セシウム投与直後から本剤を11日間経口投与したとき,血液,肝臓,腎臓,脾臓,大腿骨及び全身の放射能が減少した7)

<タリウムの排泄促進作用>

 放射性タリウム(204Tl)を静脈内投与したラットに,本剤を9日間混餌投与したとき,放射能の累積糞中排泄量が増加し,体内滞留量は低下した8)

有効成分に関する理化学的知見

一般名:ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)水和物

化学名:Iron(III)hexacyanoferrate(II)

構造式:

   注)x=14〜16

分子式:Fe4[Fe(CN)6]3・xH2O(x=14〜16)

分子量:859.23(脱水和物として)

性  状:青紫色の粒状の結晶性粉末である。

取扱い上の注意

容器の開け方:

 本剤容器の蓋はチャイルドロックを施しているため,次の手順で開封すること。

 ステップ1:蓋を強く押す。
 ステップ2:押しながら蓋をねじる。

承認条件

・放射性セシウムによる体内汚染の軽減
   ・タリウム及びタリウム化合物による中毒
 本剤の臨床使用経験は限られていることから,製造販売後に本剤が投与された全症例を対象に使用成績調査を実施し,可能な限り情報を把握するとともに,本剤の安全性及び有効性に関するデータを収集し,本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

包装

36カプセル/容器

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
IAEA TECDOC Series No. 1009. Dosimetric and Medical Aspects of the Radiological Accident in Goiania in 1987. 1998; pp.37-45.

2)
Nielsen P, Dresow B, Fischer R, Gabbe EE, Heinrich HC, Pfau AA. Intestinal absorption of iron from 59Fe-labelled hexacyanoferrates(II) in piglets. Arzneimittelforschung 1988; 38: 1469-71.

3)
Nielsen P, Dresow B, Fischer R, Heinrich HC. Bioavailability of iron and cyanide from 59Fe- and 14C-labelled hexacyanoferrates(II) in rats. Z Naturforsch 1990; 45c: 681-90.

4)
Stromme A. Increased Excretion of 137Cs in Humans by Prussian Blue. Symposium on Diagnosis and Treatment of Deposited Radionuclides; proceedings. 1968; 329-32.

5)
Pelclova D, Urban P, Ridzon P, Senholdova Z, et al. Two-year follow-up of two patients after severe thallium intoxication. Human & Experimental Toxicology 2009; 28: 263-72.

6)
Miller MA, Patel MM, Coon T. Prussian blue for treatment of thallium overdose in the US. Hospital Pharmacy 2005; 40: 796-7.

7)
Le Gall B, Taran F, Renault D, Wilk JC, Ansoborlo E. Comparison of prussian blue and apple-pectin efficacy on 137Cs decorporation in rats. Biochimie 2006; 88: 1837-41.

8)
Heydlauf H. Ferric-cyanoferrate(II): an effective antidote in thallium poisoning. Eur J Pharmacol 1969; 6: 340-4.

文献請求先

日本メジフィジックス株式会社 営業業務部

〒661-0976 兵庫県尼崎市潮江1丁目2番6号

0120-07-6941(フリーダイアル)

製造販売業者の氏名又は名称及び住所

製造販売元
日本メジフィジックス株式会社

東京都江東区新砂3丁目4番10号

輸入先
ハウプト・ファーマ・ベルリン GmbH

ドイツ

提携
HEYL Chemisch-pharmazeutische Fabrik GmbH & Co.KG

ドイツ