フラグミン静注5000単位/5mL


作成又は改訂年月

** 2012年11月改訂 (第3版)

* 2011年4月改訂

日本標準商品分類番号

873334

日本標準商品分類番号等

国際誕生年月
1985年8月

薬効分類名

血液凝固阻止剤

承認等

販売名
フラグミン静注5000単位/5mL

販売名コード

3334403A2160

承認・許可番号

承認番号
22100AMX01342
商標名
FRAGMIN IV 5000IU/5mL

薬価基準収載年月

2009年9月

販売開始年月

2009年11月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

最終年月をラベル・外箱等に記載

規制区分

生物由来製品

処方箋医薬品注)

注)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

1バイアル中:
容量

5mL

有効成分

ダルテパリンナトリウム
5,000低分子ヘパリン国際単位(抗第Xa因子活性)

**添加物

等張化剤
pH調節剤

有効成分のダルテパリンナトリウムはブタの腸に由来する。

性状

本剤は無色澄明の水性注射液であり、そのpH及び浸透圧比は次のとおりである。

pH

5.0〜7.5

浸透圧比

約1(生理食塩液対比)

一般的名称

ダルテパリンナトリウム注射液

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

原則禁忌

(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)

1.
高度な出血症状を有する患者(汎発性血管内血液凝固症(DIC)を除く)[症状が悪化するおそれがある。]

2.
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)の既往歴のある患者[HITがより発現しやすいと考えられる。(「その他の注意」の項参照)]

3.
本剤の成分又はヘパリン、他の低分子量ヘパリンに対し過敏症の既往歴のある患者

4.
重篤な肝障害又はその既往歴のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。]

効能又は効果

1.
血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析)

2.
汎発性血管内血液凝固症(DIC)

用法及び用量

1. 血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析)
本剤を直接又は生理食塩液により希釈して投与する。

(1) 出血性病変又は出血傾向を有しない患者の場合
通常、成人には体外循環開始時、ダルテパリンナトリウムとして15〜20国際単位/kgを回路内に単回投与し、体外循環開始後は毎時7.5〜10国際単位/kgを抗凝固薬注入ラインより持続注入する。

(2) 出血性病変又は出血傾向を有する患者の場合
通常、成人には体外循環開始時、ダルテパリンナトリウムとして10〜15国際単位/kgを回路内に単回投与し、体外循環開始後は毎時7.5国際単位/kgを抗凝固薬注入ラインより持続注入する。

2. 汎発性血管内血液凝固症(DIC)
通常、成人にはダルテパリンナトリウムとして1日量75国際単位/kgを24時間かけて静脈内に持続投与する。
なお、症状に応じ適宜増減する。

使用上の注意

重要な基本的注意

1.
本剤の使用にあたっては、観察を十分に行い、出血の悪化がみられた場合には減量又は投与を中止すること。

2.
脊椎・硬膜外麻酔あるいは腰椎穿刺等との併用により、穿刺部位に血腫が生じ、神経の圧迫による麻痺があらわれるおそれがある。
併用する場合には神経障害の徴候及び症状について十分注意し、異常が認められた場合には直ちに適切な処置を行うこと。

3.
本剤の抗凝固作用を急速に中和する必要のある場合にはプロタミンを投与する。プロタミン1mgは本剤の100国際単位の効果を抑制する。

相互作用

他の薬剤との相互作用は、可能なすべての組合せについて検討されているわけではない。抗凝固療法施行中に新たに他剤を併用したり、休薬する場合には、凝固能の変動に注意すること。

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等
抗凝血剤
 ヘパリンナトリウム
 ワルファリン等

臨床症状・措置方法
出血傾向が増強するおそれがある。

機序・危険因子
相加的に抗凝血作用が増強される。

2. 薬剤名等
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
 アスピリン
 ジピリダモール等

臨床症状・措置方法
出血傾向が増強するおそれがある。

機序・危険因子
血小板凝集抑制作用を有するため、抗凝血作用が増強される。

3. 薬剤名等
*非ステロイド性消炎鎮痛薬
 イブプロフェン等

臨床症状・措置方法
出血傾向が増強するおそれがある。

機序・危険因子
血小板凝集抑制作用を有するため、抗凝血作用が増強される。
(特に腎不全のある患者)

4. 薬剤名等
血栓溶解剤
 ウロキナーゼ
 t-PA製剤等

臨床症状・措置方法
出血傾向が増強するおそれがある。

機序・危険因子
血栓溶解作用と、本剤の抗凝血作用の相加的作用による。

5. 薬剤名等
テトラサイクリン系抗生物質
強心配糖体
 ジギタリス製剤

臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱するおそれがある。

機序・危険因子
機序不明

副作用

副作用等発現状況の概要

1. 血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析)
調査症例数6,768例中、副作用発現症例は64例(0.95%)であり、副作用発現件数は延べ73件であった。その主なものは、出血性の副作用29件(0.43%)、そう痒感8件(0.12%)等であった。(承認時までの調査及び市販後の使用成績調査の集計)

2. 汎発性血管内血液凝固症(DIC)
調査症例数1,684例中、副作用発現症例は65例(3.86%)であり、副作用発現件数は延べ75件であった。その主なものは、出血性の副作用43件(2.55%)、ALT(GPT)上昇7件(0.42%)、肝機能障害6件(0.36%)、AST(GOT)上昇5件(0.30%)等であった。(承認時までの調査及び市販後の使用成績調査の集計)

重大な副作用

1. ショック・アナフィラキシー様症状(頻度不明注)
ショックが起こることがある。呼吸困難、浮腫等のアナフィラキシー様症状を伴うことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、血圧の維持、体液の補充管理、気道の確保等の適切な処置を行うこと。

2. 出血(0.85%)
頭蓋内出血(0.08%)、消化管出血(0.27%)、後腹膜出血(頻度不明注))等の重篤な出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、出血又は出血の悪化等異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。血液凝固能が著しく低下し、抗凝血作用を急速に中和する場合は、硫酸プロタミンを投与すること。

3. 血小板減少(0.01%)
血小板減少があらわれることがあるので血小板数を測定し、著明な減少が認められた場合には投与を中止すること。

4. 血栓症(頻度不明注)
著明な血小板減少とそれに伴う血栓症の発現が報告されている。ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)の場合は、著明な血小板減少と脳梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等の血栓症やシャント閉塞、回路内閉塞を伴う。本剤投与後は血小板数を測定し、著明な減少や血栓症を疑わせる異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

注:自発報告のため頻度不明。

その他の副作用

次のような症状があらわれた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
1. 過敏症注1)(0.1%未満)
そう痒感、発熱

2. 過敏症注1)(頻度不明注2)
発疹

3. 肝臓(0.1〜5%未満)
ALT(GPT)の上昇

4. 肝臓(0.1%未満)
AST(GOT)、Al-Pの上昇

5. 消化器(0.1%未満)
嘔気、食欲不振

6. 皮膚(頻度不明注2)
脱毛

7. *その他(頻度不明注2)
骨粗鬆症注3)

注1:このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

注2:自発報告のため頻度不明。

*注3:類薬(ヘパリン等)の長期投与で報告がある。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1. 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

2. 授乳婦
投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で、乳汁中へ移行することが確認されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(低出生体重児、新生児、乳児又は幼児に対しては使用経験がない。小児には使用経験が少ない)。

適用上の注意

1. 調製時
本剤は、抗ヒスタミン剤と混合すると反応し沈殿を生じるおそれがあるので、混注は避けること。

2. 使用後
保存剤を添加していないので、残液を保存使用しないこと。

その他の注意

1.
動物実験での反復投与試験(ラット)において高用量で対照薬(ヘパリン)に比べて軽度の骨多孔症がみられたとの報告がある。

2.
外来透析患者では、穿刺部の止血を確認してから帰宅させること。

3.
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)はヘパリン−血小板第4因子複合体に対する自己抗体(HIT抗体)の出現による免疫学的機序を介した病態であり、重篤な血栓症(脳梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等)を伴うことがある。HIT発現時に出現するHIT抗体は100日程度で消失〜低下するとの報告がある[「原則禁忌」の項参照]。また、投与終了数週間後に、HITが遅延して発現したとの報告もある。

4.
本剤は未分画ヘパリンや他の低分子量ヘパリン又は合成多糖類と製造工程、分子量の分布が異なり、同一単位(抗第Xa因子活性)でも他のヘパリン類とは必ずしも互換性がないため、投与量の設定の際には本剤の用法・用量に従うこと。

薬物動態

健康成人に本剤を25国際単位/kg単回投与した場合、投与直後及び2時間後の血中濃度は0.50及び0.21国際単位/mLであり、半減期は1.53時間であった。また、本剤を15国際単位/kg/時間の速度で3時間静脈内持続投与した場合、血中濃度は徐々に上昇し3時間後には0.49国際単位/mLに達した。投与終了後の半減期は1.78時間であった。なお、25国際単位/kg単回投与後の尿中排泄を、抗第Xa因子活性として測定したところ、投与6時間後までの尿中累積排泄率は3.11%であった。
血液透析患者に本剤を体外循環開始時約1,000国際単位単回投与し、体外循環開始後毎時約500国際単位の速度で5時間持続注入した場合、血中濃度は0.29〜0.44国際単位/mLであった。
汎発性血管内血液凝固症患者に本剤の1日量約3,900国際単位を5日間静脈内持続投与した場合、0.09〜0.11国際単位/mLの血中濃度が維持された。1〜3)

臨床成績

1. 血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析)2〜12)

(1) 出血性病変又は出血傾向を有しない患者

1)
出血性病変又は出血傾向を有しない患者を対象とした二重盲検比較試験において、血液透析時の抗凝固剤としての有用性が認められている。

2)
出血性病変又は出血傾向を有しない患者を対象とした二重盲検比較試験を含む臨床試験において、本剤の体外循環路内の血液凝固防止効果は97.1%(364/375例)であった。

(2) 出血性病変又は出血傾向を有する患者

1)
出血性病変又は出血傾向を有する患者を対象とした比較試験において、血液透析時の抗凝固剤としての有用性が認められている。

2)
出血性病変又は出血傾向を有する患者を対象とした比較臨床試験を含む臨床試験において、本剤の体外循環路内の血液凝固防止効果は92.3%(180/195例)であった。

2. 汎発性血管内血液凝固症(DIC)2〜12)
二重盲検比較試験を含む臨床試験において、本剤は出血症状、臓器症状ならびに凝血学的検査値を改善し、総合効果は「中等度改善」以上で48.0%(47/98例)、「軽度改善」以上で77.6%(76/98例)であった。

薬効薬理

1. 血液凝固阻止作用13〜20)
ダルテパリンナトリウムは、ヒト血漿において血漿カルシウム再加時間、第Xa因子凝固時間などを用量依存的に延長する(in vitro)。

2. 実験的透析モデルにおける抗凝固作用13〜20)
ダルテパリンナトリウムは、イヌでの実験的透析モデルにおいて透析回路内残血を用量依存的に抑制する。

3. 抗血栓作用13〜20)
ダルテパリンナトリウムは、ウサギでの大腿動静脈シャントモデル及び静脈血栓モデルにおいて血栓重量を用量依存的に抑制する。

4. 実験的DICモデルに対する作用13〜20)
ダルテパリンナトリウムは、エンドトキシン、組織トロンボプラスチン及びトロンビン誘発DICモデルにおいて、各種血液凝固・線溶機能検査値を改善し、腎糸球体及び肺のフィブリン血栓形成を抑制する(ウサギ、ラット)。

5. エンドトキシン・ショックモデルに対する作用13〜20)
ダルテパリンナトリウムは、イヌでのエンドトキシン・ショックモデルにおいて発赤及び糜爛形成を抑制する。

6. 作用機序13〜20)
ダルテパリンナトリウムの抗凝固作用は、アンチトロンビンIIIとの相互作用が主な作用と考えられる。いわゆるヘパリンの各種凝固因子に対する阻害作用は、その分子量約5,000を境に大きく異なることが確かめられている。すなわち、ヘパリンがアンチトロンビンIIIを介して抗第Xa因子作用を発揮するためには分子量が5,000あれば十分であるが、一方ヘパリンがアンチトロンビンIIIを介して抗第IIa(トロンビン)因子作用を発揮するためには分子量は少なくとも5,000以上を必要とする。本品は平均分子量が約5,000であるため、抗凝固作用の要であると考えられる抗第Xa因子活性は従来のヘパリン(平均分子量12,000〜15,000)と同等であるが、出血との相関性が示唆される活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)延長作用(抗トロンビン作用と高い相関性を示す)は弱い。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
ダルテパリンナトリウム(dalteparin sodium)

分子量
平均相対分子量約5,000(90%が分子量2,000〜9,000の範囲に分布)

構造式

性状
白色〜黄白色の粉末で、吸湿性である。
水に溶けやすく、エタノール(99.5)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。

本質
ブタの小腸粘膜由来のヘパリンを亜硝酸分解して得た解重合ヘパリンのナトリウム塩;平均相対分子量は約5,000で、90%が分子量2,000〜9,000の範囲に分布し、硫酸エステル化の度合は二糖当たり2〜2.5である。

包装

フラグミン静注5000単位/5mL:5mL(1mLあたり1,000低分子ヘパリン国際単位)×10バイアル、50バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
高橋 薫ほか:基礎と臨床 23(10):3847,1989

2)
高橋幸雄ほか:基礎と臨床 24(2):675,1990

3)
櫻川信男ほか:臨床医薬 8(2):423,1992

4)
太田和夫ほか:基礎と臨床 24(2):637,1990

5)
松井則明:臨床透析 5(7):1089,1989

6)
鈴木利昭ほか:基礎と臨床 24(2):659,1990

7)
秋沢忠男ほか:診療と新薬 26(10):1777,1989

8)
太田和夫ほか:診療と新薬 27(1):33,1990

9)
沢田克徳ほか:基礎と臨床 23(17):7009,1989

10)
櫻川信男ほか:基礎と臨床 25(13):4153,1991

11)
津田雅之ほか:臨床医薬 8(1):233,1992

12)
辻 肇ほか:診療と新薬 29(2):437,1992

13)
浜野修一郎ほか:日本薬理学雑誌 94:243,1989

14)
S Hamano,et al.Thromb Res 55(4):439,1989

15)
浜野修一郎ほか:日本薬理学雑誌 94:237,1989

16)
社内資料:ラット出血時間に対するヘパリンとの比較試験

17)
浜野修一郎ほか:臨床検査機器・試薬 15:140,1992

18)
浜野修一郎ほか:日本薬理学雑誌 98:53,1991

19)
T Siba,et al.Semin Thromb Hemost 16 Suppl:55,1990

20)
Holmer E,et al.Biochem J 193(2):395,1981

文献請求先

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キッセイ薬品工業株式会社 くすり相談センター

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