エトキシスクレロール1%注射液


作成又は改訂年月

**2013年4月改訂(第7版 製造販売元社名変更)

*2009年6月改訂

日本標準商品分類番号

873329

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
2005年3月

国際誕生年月
1967年11月

薬効分類名

食道静脈瘤硬化剤

承認等

販売名
エトキシスクレロール1%注射液

販売名コード

3329405A1022

承認・許可番号

承認番号
20300AMY00180000
商標名
Aethoxysklerol 1% Injection

薬価基準収載年月

1991年8月

販売開始年月

1991年10月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

外箱及び容器に表示の期限内に使用すること。

*規制区分

劇薬

処方せん医薬品

注意−医師等の処方せんにより使用すること

組成

成分・分量
(1バイアル(30mL)中)

ポリドカノール 0.3g

添加物

リン酸水素ナトリウム二水塩72mg、リン酸二水素カリウム25.5mg、エタノール(96%) 1.26gを含有する。

性状

性状・色

本品は無色澄明で低粘性の注射剤である。

pH

6.4〜8.4

浸透圧比

3.14〜3.44

一般的名称

ポリドカノール

警告

本剤による内視鏡的食道静脈瘤硬化療法では、ときにショック等の重篤な副作用が起こることがある。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
ショックあるいは前ショック状態にある患者。

2.
多臓器障害あるいはDIC(播種性血管内血液凝固症候群)状態の患者。

3.
胃潰瘍出血、十二指腸潰瘍出血又は胃びらん出血のある患者。〔食道静脈瘤塞栓の結果、血行路の変化による胃・十二指腸部出血悪化のおそれがある。〕

4.
内視鏡検査が危険と判断される患者。

5.
重篤な心疾患のある患者。〔用量依存性の血圧降下作用(心拍数減少、心伝導系抑制作用)によると考えられるショックのおそれがある。〕

6.
動脈硬化又は糖尿病性細小血管症のある患者。〔末梢血管病変が悪化するおそれがある。〕

7.
血液凝固阻止剤を使用している患者。〔血栓形成が抑制・阻害されるおそれがある。〕

8.
投与部位並びにその周辺に炎症又は潰瘍のある患者。〔催炎作用により既存炎症の悪化、また潰瘍部よりの出血のおそれがある。〕

9.
妊娠初期(妊娠3ケ月以内)の患者。〔動物実験(ラット)で妊娠初期に胎児への移行が報告されている。〕

10.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮

本剤は、経内視鏡的食道静脈瘤硬化療法に用いるものである。通常、成人には1穿刺あたり本剤1〜3mLを食道静脈瘤周囲に注入する。なお、注入量は静脈瘤の状態及び患者の病態により適宜増減するが、1内視鏡治療あたりの総注入量は30mL以内とする。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
重篤な肝障害のある患者。〔肝機能障害が悪化するおそれがある。〕

2.
腎障害のある患者。〔腎障害が悪化するおそれがある。〕

3.
全身消耗性疾患を有する患者。

4.
心疾患のある患者。〔用量依存性の血圧降下作用(心拍数減少、心伝導系抑制作用)によると考えられるショックのおそれがある。〕

5.
発熱のある患者。〔催炎性物質であり、発熱症状が悪化するおそれがある。〕

重要な基本的注意

1.
患者の選択にあたっては、内視鏡的食道静脈瘤硬化療法の適応患者であることを十分に確認すること。

2.
本剤は、内視鏡的食道静脈瘤硬化療法に十分な知識及び経験のある医師が使用すること。

3.
ときに、ショック等の重篤な症状を起こすことがあるので、内視鏡的食道静脈瘤硬化療法施行に際しては、十分に問診し、患者の全身状態を観察し、異常が生じた場合直ちに中止すること。使用に際しては、救急処置がとれるようにすること。

4.
注入量は必要最小限にとどめること。

5.
食道静脈瘤内へ使用しないこと。

6.
希釈して使用しないこと。

7.
本剤の投与により食道血腫を形成することがあるので、経過観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等
オレイン酸モノエタノールアミン製剤

臨床症状・措置方法・機序・危険因子
1内視鏡治療で同時に使用すると、食道潰瘍、食道狭窄、胸水貯留の発現率が高くなることが報告されているので、同時投与を避けることが望ましい。

2. 薬剤名等
麻酔剤

臨床症状・措置方法・機序・危険因子
麻酔剤の心臓に対する作用(抗不整脈作用)を増強することがある。本剤は当初、麻酔剤として開発されたものであり、本剤の心拍数減少、心伝導系抑制作用により、相互に心機能抑制作用を増強させることが考えられる。

副作用

副作用等発現状況の概要

総症例1071例(承認時20例、市販後調査1051例)中254例(23.7%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。その主なものは食道潰瘍、食道狭窄等の消化管障害136例、AST(GOT)・ALT(GPT)・ビリルビン・LDHの上昇、アルブミン低下等の肝臓系70例、血小板減少、赤血球減少、ヘモグロビン減少、白血球増加、プロトロンビン時間延長等の血液系39例、発熱43例、胸痛22例等である。(再審査終了時)

重大な副作用

1. ショック、アナフィラキシー様症状
(頻度不明) 
ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、投与時から患者の状態を十分に観察するとともに、喘嗚、呼吸困難、血圧低下、意識消失、全身潮紅、蕁麻疹、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

2. DIC[播種性血管内血液凝固症候群]
(1%未満) 
DICがあらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察するとともに、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

血液
5%以上又は頻度不明 
脳血管障害※)、菌血症※)、門脈血栓※)、好酸球増多※)

血液
1〜5%未満 
血小板減少、貧血

血液
1%未満 
白血球増加、プロトロンビン時間延長、白血球減少

食道
5%以上又は頻度不明 
食道潰瘍、食道静脈瘤出血※)、食道穿孔※)

食道
1〜5%未満 
食道狭窄

食道
1%未満 
食道びらん・潰瘍出血、血腫

消化器
5%以上又は頻度不明 
胃・十二指腸潰瘍出血※)

消化器
1〜5%未満 
嚥下障害

消化器
1%未満 
出血性胃炎、嘔気、嘔吐

胸部
1〜5%未満 
胸痛

胸部
1%未満 
胸水貯留、縦隔炎

5%以上又は頻度不明 
肺炎※)、肺塞栓※)

腎臓
1%未満 
BUN上昇、クレアチニン上昇

肝臓
1〜5%未満 
AST(GOT)・ALT(GPT)・ビリルビン・LDHの上昇、アルブミン低下

肝臓
1%未満 
Al-P・アンモニアの上昇、血清総蛋白減少

その他
1〜5%未満 
発熱

その他
1%未満 
心窩部痛、尿糖陽性

その他の副作用の注意

観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

※)頻度不明

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので用量に注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験(ウサギ)において器官形成期の投与により胚胎児死亡率の増加及び胎児体重の低下が報告されている。]

2.
授乳中の婦人への投与を避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)において乳汁中への移行が報告されている。]

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]

その他の注意

内視鏡的食道静脈瘤硬化療法後に食道癌の発現が報告されている。

臨床成績

臨床効果1)
国内5施設で急性出血例(緊急例)5例を含む食道静脈瘤患者20例について、本剤の臨床試験が行われた。このうち効果の判定が行われた19例についての臨床試験の概要はつぎのとおりである。

(1) 止血作用
食道静脈瘤急性出血例(緊急例)に対する止血有効率は5/5(100%)であった。

(2) 硬化作用
硬化作用に基づく食道静脈瘤出血予防効果の有効率は18/19(94.7%)であった。

(3) 副作用及び臨床検査値の変動
20例の総硬化療法施行回数63回中、副作用が報告されたのは2例(3.2%)であった。臨床検査値の異常変動はPT値の上昇1例(1.6%)、AST(GOT)値、ALT(GPT)値及びLDH値の上昇1例(1.6%)が報告された。

薬効薬理

(1) 止血作用2)
静脈瘤周囲注入により、出血孔及び出血血液供給静脈を圧迫閉鎖すると共に、血管破綻部における血栓形成を促進して急性出血の止血に有効に作用する。

(2) 組織線維化作用3)
注入部位周囲に、炎症反応・潰瘍形成に続く、組織線維化作用をきたし、静脈瘤を硬化、退縮させる(イヌ)。

(3) 血管内皮細胞障害作用4)
血管内皮細胞障害による外因性血栓を形成し、それに続く器質化により静脈瘤を硬化、退縮させる(イヌ)。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ポリドカノール

化学名

polyethyleneglycol monododecyl ether

化学構造式

C12H25-(-O-CH2-CH2)nOH n:約9

平均分子量

約600

性状

ポリドカノールは無色澄明な液又は白色のワセリン様若しくはろう状の固体で、特異なにおいがあり、味はやや苦く、わずかに刺激性である。エタノール、エーテル、クロロホルム又はピリジンに極めて溶けやすい。水に溶けやすいか、又は微細な油滴状になる。
本品の水溶液(1→10)を加熱するとき約80℃で曇り、冷却するとき消える。

融点

23〜25℃

包装

30mL 1バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
鈴木博昭ほか:基礎と臨床23(8);3192〜3207(1989)

2)
正木盛夫ほか:食道静脈瘤の硬化療法〈中外医学社〉;23〜44(1986)

3)
猪狩次郎:日本消化器外科学会雑誌19(9);1897〜1907(1986)

4)
Reiji Kasukawa et al:Excerpta Medica International Congress Series 794; 75〜84(1988)

文献請求先

**カイゲンファーマ株式会社 商品企画部 学術課

〒541-0045 大阪市中央区道修町二丁目5番14号

TEL 06(6202)8975

FAX 06(6202)0872

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

**製造販売元(輸入元)
カイゲンファーマ株式会社

大阪市中央区道修町二丁目5番14号

製造元
クロイスラーCo.GmbH(ドイツ)