ジュリナ錠0.5mg


作成又は改訂年月

** 2018年4月改訂 (第9版)

* 2013年2月改訂

日本標準商品分類番号

872473

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
**2018年3月

効能又は効果追加承認年月(最新)
2008年10月

国際誕生年月
2008年4月

薬効分類名

経口エストラジオール製剤

承認等

販売名
ジュリナ錠0.5mg

販売名コード

2473001F1028

承認・許可番号

承認番号
22000AMX01595
商標名
Julina 0.5mg

薬価基準収載年月

2008年6月

販売開始年月

2008年9月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

外箱に表示

規制区分

処方箋医薬品注)

注)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含量

1錠中,エストラジオール0.5mg含有

添加物

乳糖水和物,トウモロコシデンプン,アルファー化デンプン,ポビドン,ステアリン酸マグネシウム,ヒプロメロース,マクロゴール6000,タルク,酸化チタン,黄色三二酸化鉄,三二酸化鉄

性状

色・剤形

明るい灰黄色のフィルムコーティング錠

外形(識別コード)

直径(mm)

6

厚さ(mm)

2.85

重さ(mg)

82

一般的名称

エストラジオール錠

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば,乳癌,子宮内膜癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある.]

2.
*未治療の子宮内膜増殖症のある患者[子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合があるため.]

3.
乳癌の既往歴のある患者[乳癌が再発するおそれがある.]

4.
血栓性静脈炎や肺塞栓症のある患者,又はその既往歴のある患者[エストロゲンは凝固因子を増加させ,血栓形成傾向を促進するとの報告がある.]

5.
動脈性の血栓塞栓疾患(例えば,冠動脈性心疾患,脳卒中)又はその既往歴のある患者[「その他の注意」の項参照]

6.
妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]

7.
重篤な肝障害のある患者[代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため,症状が増悪することがある.]

8.
診断の確定していない異常性器出血のある患者[出血が子宮内膜癌による場合は,癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある.]

9.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

●更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う下記症状
血管運動神経症状(Hot flush及び発汗),腟萎縮症状

●閉経後骨粗鬆症

用法及び用量

更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状
通常,成人に対しエストラジオールとして1日1回0.5mgを経口投与する.
なお,増量する場合は,エストラジオールとして1日1回1.0mgを経口投与することができる.

閉経後骨粗鬆症
通常,成人に対しエストラジオールとして1日1回1.0mgを経口投与する.

用法及び用量に関連する使用上の注意

閉経後骨粗鬆症に対して本剤を投与する場合,投与後6カ月〜1年後に骨密度を測定し,効果が認められない場合には投与を中止し,他の療法を考慮すること.

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
肝障害のある患者[肝障害を悪化させることがある.]

2.
子宮内膜症のある患者[症状が増悪するおそれがある.]

3.
子宮筋腫のある患者[子宮筋腫の発育を促進するおそれがある.]

4.
高血圧,心疾患,腎疾患,又はその既往歴のある患者[エストロゲンの過量投与では体液貯留を来し,これらの疾患を悪化させるおそれがある.]

5.
片頭痛,てんかんのある患者[症状を悪化させることがあるので,観察を十分に行うこと.]

6.
糖尿病患者[耐糖能を低下させるおそれがあるので,十分管理を行いながら使用すること.]

7.
乳癌家族素因が強い患者,乳房結節のある患者,乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者[症状を悪化させるおそれがある.]

8.
術前又は長期臥床状態の患者[血液凝固能が亢進され,心血管系の副作用の危険性が高くなることがある.]

9.
全身性エリテマトーデスの患者[症状を悪化させるおそれがある.]

10.
ポルフィリン症の患者[症状を悪化させるおそれがある.]

11.
重篤な高トリグリセリド血症の患者[急性膵炎を発症するおそれがある.]

重要な基本的注意

1.
外国において,卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を長期併用した女性では,乳癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなり,その危険性は併用期間が長期になるに従って高くなるとの報告があるので,本剤の使用にあたっては,患者に対し本剤のリスクとベネフィットについて十分な説明を行うとともに必要最小限の使用にとどめ,漫然と長期使用を行わないこと.(「その他の注意」の項参照)

2.
*投与前に病歴,家族素因等の問診,乳房検診並びに婦人科検診(子宮を有する患者においては子宮内膜細胞診及び超音波検査による子宮内膜厚の測定を含む)を行い,投与開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行うこと.

3.
投与初期に性器出血が発現した場合,通常は投与継続中に消失するが,頻発する場合又は持続する場合には,必要に応じて子宮内膜検査を行うこと.

4.
本剤の服用により,血栓症があらわれることがあるので,次のような症状・状態があらわれた場合は投与を中止すること.また,患者に対しては次のような症状・状態が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう,あらかじめ説明すること.

(1) 下肢の疼痛・浮腫,突然の呼吸困難,息切れ,胸痛,中枢神経症状(めまい,意識障害,四肢の麻痺等),急性視力障害等
(2) 血栓症のリスクが高まる状態
体を動かせない状態,顕著な血圧上昇がみられた場合等

5.
子宮を有する女性に投与する場合は,子宮内膜癌予防の見地から黄体ホルモンの併用が原則である.(「その他の注意」1.の項参照)

6.
他のホルモン補充療法から本剤に切り替える場合,周期的投与法では治療周期の最終日以降,また逐次的投与法では休薬の後,本剤の投与を開始すること.

相互作用

本剤は主に薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される.

併用注意

(併用に注意すること)

薬剤名等
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル等
マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン等
イミダゾール系抗真菌剤
ケトコナゾール等
トリアゾール系抗真菌剤
イトラコナゾール等

臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が増加し,作用が増強されるおそれがある.

機序・危険因子
これらの薬剤等は薬物代謝酵素CYP3A4を阻害することにより,本剤の代謝を阻害すると考えられる.

薬剤名等
リファンピシン
バルビツール酸系製剤
フェノバルビタール等
カルバマゼピン
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が減少し,作用が減弱されるおそれがある.

機序・危険因子
これらの薬剤等は薬物代謝酵素CYP3A4を誘導することにより,本剤の代謝を促進すると考えられる.

副作用

副作用等発現状況の概要

更年期障害及び卵巣欠落症状
更年期障害及び卵巣欠落症状に対する国内試験において,エストラジオール0.5mgあるいは1.0mg投与した総症例143例中44例(30.8%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた.主な副作用は,性器分泌物24例(16.8%),乳房不快感9例(6.3%),腹痛7例(4.9%),性器出血6例(4.2%),腹部膨満6例(4.2%)等であった.(承認時)

閉経後骨粗鬆症
閉経後骨粗鬆症に対する国内試験において,総症例56例中34例(60.7%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた.主な副作用は,乳房不快感12例(21.4%),乳頭痛8例(14.3%),性器分泌物5例(8.9%),乳房痛5例(8.9%)等であった.(効能追加承認時)

重大な副作用

静脈血栓塞栓症,血栓性静脈炎(頻度不明)
静脈血栓塞栓症や血栓性静脈炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には使用を中止し,適切な処置を行うこと.

重大な副作用(類薬)

アナフィラキシー様症状
アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には使用を中止し,適切な処置を行うこと.

その他の副作用

下記の副作用があらわれることがあるので,このような場合には適切な処置を行うこと.
生殖器
5%以上 
性器分泌物

生殖器
1〜5%未満 
性器出血

生殖器
1%未満 
外陰腟不快感,子宮頸管ポリープ

生殖器
頻度不明 
月経困難症(性器出血時の腹痛),女性陰部そう痒症,腟真菌症

乳房
5%以上 
乳房不快感

乳房
1〜5%未満 
乳房痛,乳頭痛

乳房
頻度不明 
乳房のう胞,乳房障害(乳腺症)

消化器
1〜5%未満 
腹部膨満,腹痛,悪心

消化器
1%未満 
便秘,腹部不快感,下痢,胃炎

精神神経系
1〜5%未満 
浮動性めまい

精神神経系
1%未満 
頭痛,不眠症,感覚減退(四肢のしびれ感等)

循環器
1%未満 
血圧上昇,動悸

電解質代謝
1〜5%未満 
浮腫

内分泌・代謝系
1〜5%未満 
血中トリグリセリド増加

内分泌・代謝系
1%未満 
TSH増加

筋・骨格系
1〜5%未満 
背部痛,筋骨格硬直(肩又は手のこわばり等)

皮膚
1%未満 
湿疹

その他
頻度不明 
倦怠感

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.なお,本剤は,75歳を超える高齢者での使用経験はない.

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には使用しないこと.[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.卵胞ホルモン剤を妊娠マウスに投与した場合,児の成長後腟上皮及び子宮内膜の癌性変化を示唆する結果が報告されている.また新生児に投与した場合,児の成長後腟上皮の癌性変化を認めたとの報告がある.]

2.
授乳中の女性には使用しないこと.[ヒトにおいて,母乳中への移行が報告されている.]

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.]

その他の注意

1. ホルモン補充療法(HRT)と子宮内膜癌の危険性
卵胞ホルモン剤を長期間(約1年以上)使用した閉経期以降の女性では,子宮内膜癌になる危険性が対照群の女性と比較して高く,この危険性は,使用期間に相関して上昇し(1〜5年間で2.8倍,10年以上で9.5倍),黄体ホルモン剤の併用により抑えられる(対照群の女性と比較して0.8倍)との疫学調査の結果が報告されている1)

2.
黄体ホルモン剤の併用投与については,以下のいずれかの方法で行うことが望ましい.

<参考>
(1) 持続的投与
連続して本剤と黄体ホルモン剤を投与する.

(2) 周期的投与
黄体ホルモン剤を併用して毎月12〜14日間投与する.

3. HRTと乳癌の危険性

(1)
米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験(Women’s Health Initiative(WHI)試験)の結果,結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では,乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.24)との報告がある2).並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果,結合型エストロゲン単独投与群では,乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.80)との報告がある3,4)

(2)
英国における疫学調査(Million Women Study(MWS))の結果,卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用している女性では,乳癌になる危険性が対照群と比較して有意に高くなり(2.00倍),この危険性は,併用期間が長期になるに従って高くなる(1年未満:1.45倍,1〜4年:1.74倍,5〜9年:2.17倍,10年以上:2.31倍)との報告がある5)

4. HRTと冠動脈性心疾患の危険性
米国におけるWHI試験の結果,結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では,冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して高い傾向にあり,特に服用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告がある6).並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果,結合型エストロゲン単独投与群では,冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.91)との報告がある3)

5. HRTと脳卒中の危険性
米国におけるWHI試験の結果,結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では,脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.31)との報告がある7).並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果,結合型エストロゲン単独投与群では,脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.37)との報告がある3,8)

6. HRTと認知症の危険性
米国における65歳以上の閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験(WHI Memory Study(WHIMS))の結果,結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では,アルツハイマーを含む認知症の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:2.05)との報告がある9).並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果,結合型エストロゲン単独投与群では,アルツハイマーを含む認知症の危険性がプラセボ投与群と比較して有意ではないが,高い傾向がみられた(ハザード比:1.49)との報告がある10)

7. HRTと卵巣癌の危険性

(1)
卵胞ホルモン剤を長期間使用した閉経期以降の女性では,卵巣癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなるとの疫学調査の結果が報告されている11,12,13)

(2)
米国におけるWHI試験の結果,結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群において,卵巣癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意ではないが,高い傾向がみられた(ハザード比:1.58)との報告がある14)

8.
卵胞ホルモン剤の長期投与により,肝腫瘍が発生したとの報告がある.

9.
高用量の卵胞ホルモン剤の投与により,プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)が増大したとの報告がある.

10. HRTと胆のう疾患の危険性
米国におけるWHI試験の結果,結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群において,胆のう疾患になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.59)との報告がある.並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果,結合型エストロゲン単独投与群では,胆のう疾患になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.67)との報告がある15)

薬物動態

単回投与16)
閉経後の健康女性10例に,エストラジオール(E2)1.0mgを単回経口投与したとき,E2は経口投与後2時間以内に速やかに吸収され,血漿中E2濃度は投与後6〜8時間後に血漿中最大薬物濃度(Cmax)に達した.その後12時間後までその血漿中濃度はほぼ一定であった.血漿中E2濃度は投与48時間後には,ほぼ投与前値まで減少した.また,血漿中エストロン(E1)濃度の経時的変化はE2で認められたものと類似していた.
(表1参照)

反復投与17)
閉経後の健康女性9例にエストラジオール(E2)1.0mgを1日1回28日間反復経口投与したとき,血漿中E2濃度は投与開始後第17日目までに定常状態に達し,定常状態のE2の血漿中平均トラフ濃度は約30pg/mLであった.28日間反復経口投与した場合のE2の蓄積係数は2.2であった.血漿中エストロン(E1)濃度は,血漿中E2の6〜8倍の濃度で,E2と類似した血漿中濃度推移を示した.
(表2参照)


E2 1.0mgを1日1回28日間反復経口投与したときの血漿中E2濃度の推移

更年期障害及び卵巣欠落症状を有する患者にエストラジオール(E2)0.5mg及び1.0mgを1日1回,8週間反復経口投与したとき,平均血清中E2濃度は0.5mg投与群(72例)で投与前値(3.10pg/mL)から投与8週後(又は中止時)で21.41pg/mL,1.0mg投与群(71例)で投与前値(2.25pg/mL)から44.95pg/mLに上昇した18)

表1 E2 1.0mgを単回経口投与したときの血漿中E2及びE1の薬物動態学的パラメータ

測定物質 Cmax(pg/mL) tmax(h) AUC(0-48h)
(ng・h/mL) 
t1/2(h) 
E2(10例) 37.2±13.0 8.1±6.9 1.01±0.49 23.9±10.7 
E1(10例) 193.1±72.0 4.8±2.5 4.22±1.55 17.2±6.8 

算術平均値±標準偏差
Cmax:最高血漿中濃度,tmax:最高血漿中濃度到達時間,AUC:血漿中濃度曲線下面積,t1/2:消失半減期


表2 E2 1.0mgを反復経口投与したときの血漿中E2及びE1の薬物動態学的パラメータ

  測定物質 投与第1日目
<初回投与> 
投与第28日目
<最終投与> 
Cmax
(pg/mL) 
E2(9例) 33.08±16.33 57.66±17.20 
Cmax
(pg/mL) 
E1(9例) 197.99±57.38 485.60±175.81 
tmax
(h) 
E2(9例) 6.22±3.23 4.44±1.94 
tmax
(h) 
E1(9例) 6.22±2.73 4.22±1.56 
AUC(0-12h)
(pg・h/mL) 
E2(9例) 276.10±99.46 576.50±187.02 
AUC(0-12h)
(pg・h/mL) 
E1(9例) 1660±560 4300±1610 

算術平均値±標準偏差
Cmax:最高血漿中濃度,tmax:最高血漿中濃度到達時間,AUC:血漿中濃度曲線下面積


臨床成績

更年期障害及び卵巣欠落症状を有する患者211例にプラセボ,エストラジオール0.5mg及び1.0mgを1日1回,8週間反復経口投与した無作為化二重盲検試験において,投与8週後(又は中止時)の血管運動神経症状(Hot flush,発汗)及び腟乾燥感の各症状は,プラセボに比して0.5mg群及び1.0mg群で有意に改善した.また,投与8週後(又は中止時)のHot flushの1日平均回数の投与前値からの減少率は,0.5mg群で79.6%,1.0mg群で82.5%であり,プラセボ群の57.9%と比して有意差が認められた18)

自然閉経又は両側卵巣摘出に伴う骨粗鬆症患者309例(子宮摘出例を含む)を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検試験(基礎治療薬としてカルシウム500mg,ビタミンD3 200IU/日を全例投与)において,エストラジオール1.0mg含有製剤を投与した患者(下表脚注参照)の腰椎骨密度はプラセボ対照群に比して有意に増加した(下表参照).骨代謝マーカーは閉経前女性の基準値内に回復し,最小有意変化を超える投与前からの変化率を示した19)

腰椎骨密度の変化率(%)

    28週 52週 80週 104週 
腰椎骨密度
(L2-4,DEXA法) 
プラセボ投与 +0.80 +0.11 
腰椎骨密度
(L2-4,DEXA法) 
E2 1.0mg投与 +6.16 +7.95 +9.60 +10.15 

注)子宮を有する患者にエストラジオール1.0mg/レボノルゲストレル0.04mg配合剤,子宮摘出例にエストラジオール1.0mg単剤を投与した時の平均変化率を示す.


薬効薬理

1.
エストラジオール(E2)は腟上皮の角化,腟及び子宮のシアル酸含有量の減少,腟及び子宮重量の増加を引き起こし,黄体化ホルモンや卵胞刺激ホルモンの分泌や排卵及び着床を抑制した.

2.
卵巣機能の急激な低下に伴いエストロゲンの分泌が低下すると,エストロゲン依存性の機能及び組織の変化が引き起こされる.この持続的なエストロゲン低下による障害の代表的なものとして,のぼせ,発汗などがあげられる.本剤はE2を経口投与することにより血中エストロゲン濃度を上昇させ,これらの症状を軽減させる.

3.
ラットに卵巣摘出手術日からE2 1.5μg/kg/日を28日間皮下投与したとき,E2は卵巣摘出による脛骨海綿骨骨密度の減少に対して予防効果を示した20)

4.
ラットに卵巣摘出手術日からE2 4μg/kg/日を28日間皮下投与したとき,E2は卵巣摘出による脛骨海綿骨骨密度の減少に対して予防効果を示した21)

5.
卵巣摘出29日後のラットにE2 5μg/kg/日を24週間皮下投与したとき,E2は卵巣摘出による脛骨及び腰椎海綿骨骨密度の減少に対して治療効果を示した22)

有効成分に関する理化学的知見

構造式

一般名
エストラジオール(Estradiol)

化学名
Estra-1,3,5(10)-triene-3,17β-diol

分子式
C18H24O2

分子量
272.38

融点
175〜180℃

性状
本品は白色〜微黄色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない.
本品は1,4-ジオキサン又はN,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく,アセトンにやや溶けやすく,エタノール(95)にやや溶けにくく,ジエチルエーテルに溶けにくく,水にほとんど溶けない.本品は硫酸に溶ける.本品は吸湿性である.

包装

錠剤
0.5mg PTP包装 140錠(28錠×5),280錠(28錠×10)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
Grady, D. et al.:Obstet. Gynecol. 85(2), 304(1995)

2)
Chlebowski, R. T. et al.:JAMA 289(24), 3243(2003)

3)
Anderson, G. L. et al.:JAMA 291(14), 1701(2004)

4)
Stefanick, M. L. et al.:JAMA 295(14), 1647(2006)

5)
Beral, V. et al.:Lancet 362(9382), 419(2003)

6)
Manson, J. E. et al.:New Engl. J. Med., 349(6), 523(2003)

7)
Wassertheil-Smoller, S. et al.:JAMA 289(20), 2673(2003)

8)
Hendrix, S. L. et al.:Circulation 113(20), 2425(2006)

9)
Shumaker, S. A. et al.:JAMA 289(20), 2651(2003)

10)
Shumaker, S. A. et al.:JAMA 291(24), 2947(2004)

11)
Rodriguez, C. et al.:JAMA 285(11), 1460(2001)

12)
Lacey, J. V. Jr. et al.:JAMA 288(3), 334(2002)

13)
Beral, V. et al.:Lancet 369(9574), 1703(2007)

14)
Anderson, G. L. et al.:JAMA 290(13), 1739(2003)

15)
Cirillo, D. J. et al.:JAMA 293(3), 330(2005)

16)
金子真紀:バイエル薬品社内資料[薬物動態(単回投与)](1995)

17)
長澤俊樹:バイエル薬品社内資料[薬物動態(反復投与)](2000)

18)
小嶋祐子:バイエル薬品社内資料[更年期障害及び卵巣欠落症状を有する患者を対象とした二重盲検試験](2002)

19)
石田小津枝:バイエル薬品社内資料[骨粗鬆症患者を対象とした二重盲検試験](2005)

20)
Kollenkirchen, U:バイエル薬品社内資料[薬効薬理](2004)

21)
Malmstrom, C:バイエル薬品社内資料[薬効薬理](2004)

22)
Knauthe, R:バイエル薬品社内資料[薬効薬理](1998)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい.

バイエル薬品株式会社・メディカルインフォメーション

〒530-0001 大阪市北区梅田二丁目4番9号

バイエル医療用医薬品のお問い合わせ先
バイエル薬品株式会社・くすり相談

フリーダイヤル 0120-106-398

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元(輸入)
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大阪市北区梅田二丁目4番9号