アコファイド錠100mg


作成又は改訂年月

**2014年6月改訂(第4版,投薬期間制限解除に伴う改訂)

*2014年4月改訂

日本標準商品分類番号

872399

薬効分類名

機能性ディスペプシア(FD)治療剤

承認等

販売名
アコファイド錠100mg

販売名コード

2399015F1020

承認・許可番号

承認番号
22500AMX00868000
商標名
Acofide Tablets 100mg

薬価基準収載年月

2013年5月

販売開始年月

2013年6月

貯法・使用期限等

貯  法

室温保存
開封後は湿気を避けて保存すること

使用期限

包装に表示の使用期限内に使用すること

規制区分

処方箋医薬品注)

注)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含量

1錠中にアコチアミド塩酸塩水和物100mgを含有する。

添加物

乳糖水和物,結晶セルロース,低置換度ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,軽質無水ケイ酸,ステアリン酸マグネシウム,ヒプロメロース,酸化チタン及びカルナウバロウ

性状

色・剤形

白色のフィルムコーティング錠

外形

 
表・裏面

外形


側面

大きさ・重量

直径9.1mm,厚さ4.2mm,重量257mg

一般的名称

アコチアミド塩酸塩水和物錠

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し,過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

機能性ディスペプシアにおける食後膨満感,上腹部膨満感,早期満腹感

効能・効果に関連する使用上の注意

1.
機能性ディスペプシアにおける心窩部の疼痛や灼熱感に対する有効性は確認されていない。

2.
上部消化管内視鏡検査等により,胃癌等の悪性疾患を含む器質的疾患を除外すること。

用法・用量

通常,成人にはアコチアミド塩酸塩水和物として1回100mgを1日3回,食前に経口投与する。

用法・用量に関連する使用上の注意

1.
本剤を1ヵ月間投与しても症状の改善が認められない場合は本剤の投与中止を考慮すること。

2.
症状が持続する場合は器質的疾患の可能性も考慮し,上部消化管内視鏡検査に加え,必要に応じて他の検査の実施を検討すること。

3.
継続的に症状が改善した場合には,本剤の投与中止を検討し,長期にわたって漫然と投与しないように注意すること(臨床成績の項参照)。

使用上の注意

重要な基本的注意

本剤はアセチルコリンエステラーゼ阻害剤であり,アセチルコリンの作用を増強するので,この点に留意して使用すること。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等
抗コリン作用を有する薬剤
 アトロピン
 ブチルスコポラミン臭化物等

臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱する可能性がある。

機序・危険因子
本剤はアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を有するため,抗コリン剤の併用により本剤の作用が抑制される。

2. 薬剤名等
コリン賦活剤やコリンエステラーゼ阻害剤
 アセチルコリン塩化物等
 ネオスチグミン臭化物等

臨床症状・措置方法
本剤及び併用薬共に作用が増強される可能性がある。

機序・危険因子
本剤と共にアセチルコリン受容体刺激作用を有する。

副作用

副作用等発現状況の概要

国内臨床試験において安全性の評価対象1,125例中183例(16.3%)に副作用(臨床検査値異常を含む)がみられた。主な副作用は下痢(2.1%),便秘(1.6%),悪心(0.8%),嘔吐(0.5%)であった。
臨床検査値異常は血中プロラクチン増加(3.6%),ALT(GPT)増加(1.8%),γ-GTP増加(1.2%),血中トリグリセリド増加(1.0%),AST(GOT)増加(1.0%),血中ビリルビン増加(0.7%),白血球数増加(0.5%),血中ALP増加(0.5%)であった(承認時)。

その他の副作用

1. *過敏症
0.5%未満 
発疹,蕁麻疹

2. 血 液
0.5〜1%未満 
白血球数増加

3. 消化器
1%以上 
下痢,便秘

4. 消化器
0.5〜1%未満 
悪心,嘔吐

5. 肝 臓
1%以上 
ALT(GPT)増加,AST(GOT)増加,γ-GTP増加

6. 肝 臓
0.5〜1%未満 
血中ビリルビン増加,血中ALP増加

7. 代謝・内分泌
1%以上 
血中プロラクチン増加,血中トリグリセリド増加

上記のような副作用があらわれた場合には,投与を中止するなど症状に応じて適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能(腎機能・肝機能等)が低下しているので注意すること。また,異常が認められた場合には,休薬するなど適切な処置を行うこと。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

2.
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが,やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[ラットで乳汁中へ移行することが報告されている1)。]

小児等への投与

低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

ラットの24ヵ月間がん原性試験において,子宮内膜腺癌が200mg/kg/日,600mg/kg/日,2,000mg/kg/日群でそれぞれ5/50例,8/50例,5/50例に認められ,600mg/kg/日(投与量換算で臨床用量の約100倍)群で有意に増加した。一方,本剤では遺伝毒性やエストロゲン様作用は認められなかった。また,マウスの24ヵ月間がん原性試験では2,000mg/kg/日(投与量換算で臨床用量の約330倍)まで,遺伝子改変動物を用いた子宮二段階発がん試験においても2,000mg/kg/日で本剤の影響は認められなかった。2),3),4)

薬物動態

1. 血漿中濃度

(1) 単回投与5)
健康成人男性に,本剤1錠(アコチアミド塩酸塩水和物として100mg)を空腹時に単回経口投与したとき,血漿中未変化体濃度推移及び薬物速度論的パラメータは以下の通りであった。

(2) 反復投与6)
健康成人男性に,本剤1回1錠(アコチアミド塩酸塩水和物として100mg)を1日3回,9日間(1日目は単回,3〜8日目は毎食前,9日目は単回),食前に反復経口投与したとき,3日目の3回目の投与より血漿中濃度はほぼ定常状態に達した。また,反復投与による薬物動態はほとんど変化しなかった。

(3) 食事の影響7)
健康成人男性に,本剤1錠(アコチアミド塩酸塩水和物として100mg)を空腹時,食前又は食後に経口投与したとき,Cmaxは食前投与で最も高く,空腹時投与に比べ62.7%上昇した。また,食後投与のCmaxは食前投与の59.6%であった。AUClastは,食後投与で最も低く,空腹時及び食前投与に比べそれぞれ76.8%及び80.0%に減少した。

2. 血漿蛋白結合率8)in vitro
In vitro平衡透析法で得られた血漿蛋白結合率は,ヒト血漿で84.21%〜85.95%,ヒト血清アルブミンで82.64%〜85.10%であり,同程度の結合率を示したため,主要な結合蛋白はアルブミンと考えられた。

3. 代謝

(1) 代謝9),10)(外国人データ)
健康成人男性6例に,[14C]アコチアミド溶液(600mg/103μCi)を空腹時に経口投与したとき,血漿中の放射能のうち,60.0%が未変化体によるものであった。その他,血漿中には脱イソプロピル体,未変化体のグルクロン酸抱合体及び脱イソプロピル体のグルクロン酸抱合体が認められた。

(2) 代謝酵素11)in vitro
ヒトCYP発現系ミクロソームを用いたin vitro代謝試験により,本剤はCYP2C8,CYP1A1又はCYP3A4によって脱イソプロピル体に代謝されると考えられる。また,ヒトUGT発現系ミクロソームを用いたin vitro代謝試験により,本剤はUGT1A8又はUGT1A9によって未変化体のグルクロン酸抱合体に代謝されると考えられる。

4. 排泄9)(外国人データ)
健康成人男性6例に,[14C]アコチアミド溶液(600mg/103μCi)を空腹時に経口投与したとき,投与後216時間までに,糞中及び尿中にそれぞれ総放射能として投与量の92.7%及び5.3%が排泄された。

薬物動態の表

単回投与したときの薬物速度論的パラメータ

投与量
(mg) 
Tmax
(hr) 
Cmax
(ng/mL) 
AUCinf
(ng・hr/mL) 
T1/2
(hr) 
100 2.42±0.97 30.82±13.33 171.3±59.43 13.31±6.91 

平均値±標準偏差, n=6
AUCinf:最終測定時点から無限大まで外挿して算出したAUC


臨床成績

1. 第III相試験12),13)
食後膨満感,上腹部膨満感,早期満腹感を主症状とする機能性ディスペプシア患者*を対象に実施した二重盲検比較臨床試験の成績は以下のとおりであった。本剤1回1錠(アコチアミド塩酸塩水和物として100mg)を食前に1日3回,4週間経口投与したとき,2つの主要評価項目である「被験者の印象の改善率」及び「3症状(食後膨満感,上腹部膨満感,早期満腹感)の消失率」について,プラセボ群に対する優越性が検証された。また,4週間の治療期及び4週間の後観察期の両評価項目の結果の推移は下図のとおりであった。
*RomeIII基準に準じ,同意取得6ヵ月以上前から食後膨満感,上腹部膨満感,早期満腹感の症状を1つ以上有し,同意取得3ヵ月以上前より症状が持続している20〜64歳の患者

(1)
治療期最終調査時点(投与4週又は中止時)における被験者の印象の改善率

(2)
治療期最終調査時点(投与4週又は中止時)における3症状(食後膨満感,上腹部膨満感,早期満腹感)の消失率

(3)
被験者の印象の改善率の推移

(4)
3症状(食後膨満感,上腹部膨満感,早期満腹感)消失率の推移

2. 長期投与試験14)
食後膨満感,上腹部膨満感,早期満腹感を主症状とする機能性ディスペプシア患者*を対象に,4週毎の来院時に症状の改善の程度により休薬,再服薬,中止,終了することが可能とされていた長期投与試験において,投与4週時及び24週時の「被験者の印象の改善率」はそれぞれ48.9%(193/395例)及び48.9%(69/141例)であった。24週時まで一度も休薬せずに継続投与された患者は405例中22例であり,本剤の長期投与が必要となる患者は限られていた。なお,症状改善による休薬例は75.1%(304/405例)で,そのうち50.7%(154/304例)で症状の改善が12週間継続し,本剤の投与を終了した。
*RomeIII基準に準じ,同意取得6ヵ月以上前から食後膨満感,上腹部膨満感,早期満腹感の症状を1つ以上有し,同意取得3ヵ月以上前より症状が持続している20〜79歳の患者

臨床成績の表

治療期最終調査時点(投与4週又は中止時)における被験者の印象の改善率

  プラセボ群
(442例) 
300mg/日群
(450例) 
改善*1例数 154 235 
被験者の印象の改善率(%)*2
[95%信頼区間] 
34.8
[30.5, 39.3] 
52.2
[47.6, 56.7] 
改善率の群間差(%)
[95%信頼区間] 
− 17.4
[11.0, 23.7] 
p値*3 − p<0.001 

*1:被験者の印象(7段階:「非常に良くなった」,「良くなった」,「少し良くなった」,「変わらない」,「少し悪くなった」,「悪くなった」及び「非常に悪くなった」)のうち,「非常に良くなった」,「良くなった」を改善と定義した。
*2:改善例数の割合として改善率を算出した。
*3:Fisherの直接確率法,有意水準両側5%


治療期最終調査時点(投与4週又は中止時)における3症状(食後膨満感,上腹部膨満感,早期満腹感)の消失率

  プラセボ群
(442例) 
300mg/日群
(450例) 
3症状の消失*4例数 40 69 
3症状消失率(%)*5
[95%信頼区間] 
9.0
[6.7, 12.0] 
15.3
[12.2, 18.9] 
3症状消失率の群間差(%)
[95%信頼区間] 
− 6.3
[2.1, 10.5] 
p値*6 − p=0.004 

*4:3症状(食後膨満感,上腹部膨満感,早期満腹感)すべての消失を「消失」と定義した。
*5:消失例数の割合として消失率を算出した。
*6:Fisherの直接確率法,有意水準両側5%


被験者の印象の改善率の推移

評価時点 観察期 治療期:1週 治療期:2週 治療期:3週 治療期:4週 治療期:最終 後観察期:1週 後観察期:2週 後観察期:3週 後観察期:4週 後観察期:最終 
症例数(例):300mg/日群 450 450 446 441 439 450 438 434 433 432 439 
症例数(例):プラセボ群 442 442 440 430 428 442 430 429 427 424 430 

3症状(食後膨満感,上腹部膨満感,早期満腹感)消失率の推移

評価時点 観察期 治療期:1週 治療期:2週 治療期:3週 治療期:4週 治療期:最終 後観察期:1週 後観察期:2週 後観察期:3週 後観察期:4週 後観察期:最終 
症例数(例):300mg/日群 450 450 448 443 441 450 439 435 434 433 439 
症例数(例):プラセボ群 442 442 441 430 428 442 431 429 428 424 431 

薬効薬理

1. 消化管運動亢進作用15),16)
イヌの食後期胃前庭部運動の増強作用及びラットの胃前庭部運動の亢進作用を示した。また,イヌ及びラットのクロニジン誘発胃前庭部運動低下の改善作用を示した。

2. 胃排出遅延改善作用16)
ラットのクロニジン誘発胃排出遅延の改善作用を示した。

3. 作用機序17)
アセチルコリンエステラーゼ阻害作用を示した。

有効成分に関する理化学的知見

1. 一般名
アコチアミド塩酸塩水和物(JAN)
Acotiamide Hydrochloride Hydrate(JAN)
Acotiamide(INN)

2. 化学名
N-{2-[Bis(1-methylethyl)amino]ethyl}-2-[(2-hydroxy-4,5-dimethoxybenzoyl)amino]thiazole-4-carboxamide monohydrochloride trihydrate

3. 分子式
C21H30N4O5S・HCl・3H2O

4. 分子量
541.06

5. 構造式

6. 性 状
白色〜淡黄色の結晶又は結晶性の粉末である。NN-ジメチルホルムアミドにやや溶けやすく,メタノール及びエタノール(99.5)にやや溶けにくく,水,2-プロパノール及びアセトニトリルに溶けにくく,アセトンに極めて溶けにくい。酢酸エチル及びヘキサンにほとんど溶けない。

7. 融 点
融点は観察されない。

包装

PTP包装 100錠(10錠×10),500錠(10錠×10×5)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
杉本 透 他:妊娠動物および胎仔での生体内動態(ラット)(社内資料)

2)
志賀敦史 他:24カ月間がん原性試験(ラット)(社内資料)

3)
志賀敦史 他:24カ月間がん原性試験(マウス)(社内資料)

4)
河部真弓 他:ENU誘発子宮がんに及ぼす影響(rasH2マウス)(社内資料)

5)
中島光好 他:第I相臨床試験(単回投与試験)(社内資料)

6)
中島光好 他:第I相臨床試験(反復投与試験)(社内資料)

7)
浦江明憲 他:薬物動態試験(食事の影響)(社内資料)

8)
杉本 透 他:動態試験(単回投与後の体内動態;追加)(社内資料)

9)
James K et al:Mass Balance and Metabolism Study(第I相臨床試験)(社内資料)

10)
Mukai Y et al:Metabolite Profiling of Acotiamide(Human Mass Balance Study)(社内資料)

11)
Furuta S et al:Eur J Pharmacol 497:223, 2004

12)
Matsueda K et al:Gut 61:821, 2012

13)
松枝 啓 他:第III相臨床試験(社内資料)

14)
松枝 啓 他:長期投与試験(社内資料)

15)
Nagahama K et al:Neurogastroenterol Motil 24:566, 2012

16)
Kawachi M et al:Eur J Pharmacol 666:218, 2011

17)
Matsunaga Y et al:J Pharmacol Exp Ther 336:791, 2011

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発売元
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*東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号