ドプラム注射液400mg


作成又は改訂年月

**2015年3月改訂(第3版)

*2009年9月改訂

日本標準商品分類番号

872219

日本標準商品分類番号等

効能又は効果追加承認年月(最新)
**2015年3月

呼吸促進剤

承認等

販売名
ドプラム注射液400mg

販売名コード

2219400A1031

承認・許可番号

承認番号
21800AMX10307000
商標名
DOPRAM injectable400mg

薬価基準収載年月

2006年6月

販売開始年月

2006年6月
※ドプラム注射液(旧製品名)として1976年10月販売開始

貯法・使用期限等

貯法

遮光,室温保存

使用期限

3年(外装容器に表示)

規制区分

劇薬

処方箋医薬品注)

注)注意−医師等の処方箋により使用すること。

**組成

成分・含量(1バイアル中)

日局ドキサプラム塩酸塩水和物400mg

添加物(1バイアル中)

クロロブタノール100mg

**性状

色・剤形

無色澄明・注射剤

容量

20mL

pH

2.9〜4.4
(45℃以上の高温下に長時間放置するとpHが低下することがある)

浸透圧比

0.3〜0.4(0.9%生理食塩液に対する比)

一般的名称

ドキサプラム塩酸塩水和物注射液

**禁忌

(次の患者には投与しないこと)

<すべての効能・効果に関する注意>

1.かんおよび他の痙攣状態の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

2.呼吸筋・胸郭・胸膜などの異常により換気能力の低下している患者[本剤の効果が期待できず,レスピレータによる補助が必要である。]

3.重症の高血圧症および脳血管障害患者[過度の昇圧,脳血管収縮・脳血流の減少を起こすおそれがある。]

4.冠動脈疾患,明瞭な代償不全性心不全[頻脈・不整脈を起こすおそれがある。]

5.新生児,低出生体重児(早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)の患児を除く)(「小児等への投与」の項参照)

6.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

<早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)に関する注意>

1.壊死性腸炎又はその疑いのある患児[壊死性腸炎が悪化又は発症するおそれがある。(「重要な基本的注意」,「重大な副作用」,「過量投与」の項参照)]

**効能・効果

1.
下記の状態における呼吸抑制ならびに覚醒遅延

(1)
麻酔時

(2)
中枢神経系抑制剤による中毒時

2.
遷延性無呼吸の鑑別診断

3.
急性ハイパーカプニアを伴う慢性肺疾患

4.
早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)

 ただし,キサンチン製剤による治療で十分な効果が得られない場合に限る。

**効能・効果に関連する使用上の注意

1. 中枢神経系抑制剤による中毒時に関する注意
 中枢神経系抑制剤による重篤な中毒患者に対し,本剤のみでは,呼吸促進ならびに意識レベルの改善が十分得られないことがあるので,本剤は従来慣用された維持療法や蘇生術の補助として用いるべきである。

2. 早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)に関する注意
 本剤は原発性無呼吸に対する治療薬であるので,本剤投与前に二次性無呼吸の除外診断を行うこと。二次性無呼吸を呈する患児には,原疾患に応じ適切な処置を行うこと。

**用法・用量

1. 下記の状態における呼吸抑制ならびに覚醒遅延:

(1) 麻酔時:
 通常,ドキサプラム塩酸塩水和物として0.5〜1.0mg/kgを徐々に静注する。

 なお,必要に応じて5分間隔で通常量を投与し,総投与量は2.0mg/kgまでとする。

 点滴静注の場合は,はじめ約5mg/minの速度で投与し,患者の状態に応じて注入速度を適宜調節する。

 なお,総投与量は5.0mg/kgまでとする。

(2) 中枢神経系抑制剤による中毒時:
 通常,ドキサプラム塩酸塩水和物として0.5〜2.0mg/kgを徐々に静注する。初回投与に反応があった患者には維持量として,必要に応じて通常量を5〜10分間隔で投与し,ついで1〜2時間間隔で投与を繰り返す。

 点滴静注の場合は症状に応じて1.0〜3.0mg/kg/hrの速度で投与する。

2. 遷延性無呼吸の鑑別診断:
 通常,ドキサプラム塩酸塩水和物として1.0〜2.0mg/kgを静注する。

 本剤の投与により呼吸興奮が十分生じない場合は呼吸抑制の原因が筋弛緩剤の残存効果によることを考慮する。

3. 急性ハイパーカプニアを伴う慢性肺疾患:
 通常,ドキサプラム塩酸塩水和物として1.0〜2.0mg/kg/hrの速度で点滴静注する。

 本剤投与開始後1〜2時間は,動脈血ガスを30分毎に測定し,血液ガスの改善がみられないか,悪化する場合にはレスピレータの使用を考慮する。本剤投与により血液ガスの改善がみられ,重篤な副作用が生じなければ投与を継続してもよい。動脈血ガス分圧の測定は適宜行い,血液ガスが適当なレベルに達したら投与を中断し,酸素吸入は必要に応じて継続する。本剤注入中断後,PaCO2が上昇した場合には本剤の再投与を考慮する。

 なお,本剤の1日の最大投与量は2400mgである。

4. 早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作):
 通常,ドキサプラム塩酸塩水和物として初回投与量1.5mg/kgを1時間かけて点滴静注し,その後,維持投与として0.2mg/kg/hrの速度で点滴静注する。なお,十分な効果が得られない場合は,0.4mg/kg/hrまで適宜増量する。

**用法・用量に関連する使用上の注意

麻酔時に関する注意
 本剤投与により,アドレナリン放出が増加する。したがって,カテコラミンに対する心筋の感受性を高める麻酔剤,例えばハロタンなどを使用したときには,本剤投与は麻酔剤投与中止後少なくとも10分間間隔をあけるべきである。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
脳浮腫患者[脳血管収縮・脳血流の減少を起こすことがある。]

2.
気管支痙攣患者[症状を悪化させるおそれがある。]

3.
重症の頻脈,不整脈および心不全の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

4.
甲状腺機能亢進症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

5.
高血圧症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

6.
褐色細胞腫の患者[急激な昇圧発作を起こすおそれがある。]

7.
胃潰瘍疾患患者および胃の手術を受ける患者[基礎胃液分泌を刺激するおそれがある。]

**重要な基本的注意

<すべての効能・効果に関する注意>

(1)上気道閉塞のないことを確認すること。

(2)呼吸仕事量が増加し,その結果,酸素消費量が増加するので,特に点滴静注の際には,酸素を同時に投与することが必要である。

(3)静脈内注射により血栓性静脈炎を起こすことがあるので同一注射部位への長期使用は避けること。

(4)他の薬剤とともに静脈内注射する場合は,十分注意して,適切な静脈に注射し,浸潤や不注意な動脈注射は避けること。

(5)酸性溶液であるので,アルカリ溶液と混合しないこと。

(6)定期的な血液ガスの監視により避けられることであるが,過換気によるPaCO2の低下は脳血管収縮脳血流を減少させる可能性があるので注意すること。

<麻酔時に関する注意>

(1)患者の昏睡状態が一時的に改善し,その後,再びもとの状態に戻る場合があるので,30分から1時間,十分な観察を行うこと(1回静注における効果の持続時間5〜12分)。

<急性ハイパーカプニアを伴う慢性肺疾患に関する注意>

(1)慢性肺疾患による症状が感染などの誘因により,急性に増悪し,さらに高度の低酸素血症と,高炭酸ガス血症(急性ハイパーカプニア)をきたす。この急性増悪時には低酸素血症の改善のために酸素投与を行うが,酸素吸入による低酸素刺激の消失により低換気を生じPaCO2が更に上昇する。本剤は,この酸素治療下における低換気を防ぎ,PaCO2の上昇を予防するために用いる。

(2)本剤投与開始後1〜2時間は動脈血液ガス分圧を30分毎に測定し,血液ガスの改善がみられないか,悪化する場合にはレスピレータの使用を考慮する。たとえば,PaO2が50Torr以上に維持できないとき,PaCO2の低下が認められずpHが7.25以下にとどまるとき又は意識レベルが悪化するときなどである。本剤投与により血液ガスの改善がみられ,重篤な副作用が生じなければ投与を継続してもよい。動脈血液ガス分圧の測定は適宜行い,血液ガスが適当なレベルに達したら投与を中断し,酸素吸入は必要に応じて継続する。本剤注入中断後,PaCO2が上昇した場合には,本剤の再投与を考慮する。

(3)本剤とレスピレータを同時に使用しないこと。

<早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)に関する注意>

(1)生後1週未満の患児,高ビリルビン血症のため光線療法を施行中の患児,肝機能障害又は腎機能障害のある患児等では,ドキサプラム及びその代謝物の血中濃度が上昇する可能性があり1-4),壊死性腸炎等の重篤な胃腸障害を含む副作用が発現するおそれがあるので,慎重に投与すること。(「重大な副作用」,「過量投与」の項参照)

**相互作用

相互作用の概略

 本剤の代謝にはチトクロームP450(CYP)3A4/5が関与する。(「薬物動態」の項参照)

 CYP3A4/5を阻害する薬剤との併用により,本剤の代謝が阻害されドキサプラムの血中濃度が上昇する可能性がある。また,CYP3A4/5を誘導する薬剤との併用により,本剤の代謝が促進されドキサプラムの血中濃度が低下する可能性がある。

併用注意

(併用に注意すること)

薬剤名等
交感神経興奮薬
モノアミン酸化酵素阻害剤

臨床症状・措置方法
血圧上昇をきたすので用量を調節するなど慎重に投与すること。

機序・危険因子
本剤と相乗的に作用を増強させる。

**副作用

<麻酔時,中枢神経系抑制剤による中毒時における呼吸抑制ならびに覚醒遅延,遷延性無呼吸の鑑別診断,急性ハイパーカプニアを伴う慢性肺疾患>
 内科領域においては,本剤が投与された605例のうち175例(28.93%)に副作用がみられた。主なものは熱感・ほてり119件(19.67%),発汗80件(13.22%),振戦22件(3.64%),血圧上昇22件(3.64%)であった。

 麻酔科領域においては,本剤が投与された2681例のうち227例(8.47%)に副作用がみられた。主なものは血圧上昇84件(3.13%),興奮状態45件(1.68%),嘔気・嘔吐30件(1.12%),頻脈29件(1.08%)であった。

重大な副作用

<すべての効能・効果>
 興奮状態(1.70%),振戦(0.76%),間代性痙攣(頻度不明),筋攣縮(頻度不明),テタニー(頻度不明),声門痙攣(頻度不明)があらわれることがある。

 このような症状が認められた場合には減量,投与速度の低減,休薬など適切な処置を行うこと。

<早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)>
 壊死性腸炎(頻度不明),胃穿孔(頻度不明),胃腸出血(頻度不明)があらわれることがある。

 本剤投与中は全身状態を十分に観察し,このような症状が認められた場合には直ちに投与を中止した上で,適切な処置を行うこと。

その他の副作用

<麻酔時,中枢神経系抑制剤による中毒時における呼吸抑制ならびに覚醒遅延,遷延性無呼吸の鑑別診断,急性ハイパーカプニアを伴う慢性肺疾患>
 次のような症状が認められた場合には減量,投与速度の低減,休薬など適切な処置を行うこと。

循環器
0.1〜5%未満 
頻脈,不整脈,血圧上昇

血液
頻度不明 
赤血球数減少,ヘマトクリット値減少

消化器
0.1〜5%未満 
嘔気・嘔吐

消化器
0.1%未満 
下痢

肝臓
頻度不明 
AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇

泌尿器
頻度不明 
尿蛋白,BUN上昇

泌尿器
0.1%未満 
尿意

過敏症
0.1〜5%未満 
発汗,熱感・ほてり,紅斑・発赤

その他
頻度不明 
咳嗽,流涎,流涙

その他
0.1〜5%未満 
体動,バッキング,唾液又は気管の分泌亢進,嚥下運動,まばたき,息苦しさ,不安感

その他
0.1%未満 
頭痛,胸部苦悶感,口渇感,不穏,顔をしかめる

 

<早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)>
 国内外で早産・低出生体重児の原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)に本剤を投与した症例において,以下が報告されている。

 以下のような副作用があらわれた場合には症状に応じて減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。

循環器
頻度不明 
高血圧,頻脈,QT延長,心室性期外収縮

血液
頻度不明 
貧血,溶血性貧血,メトヘモグロビン血症

消化器
頻度不明 
早期歯牙萌出,嘔気,嘔吐,吐き戻し,栄養不耐症,胃酸増加,(血性)胃内残渣,腹部膨満,イレウス,腸管拡張症,血便

その他
頻度不明 
痙攣,振戦,易刺激性,びくびく感,頻発啼泣,無気肺,頻呼吸,呼吸不全,代謝性アシドーシス,高血糖,尿中ブドウ糖陽性,未熟児網膜症,腎機能障害,発熱,敗血症,CRP上昇

 

高齢者への投与

 一般に高齢者では生理機能が低下しているので用量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。

**妊婦,産婦,授乳婦等への投与

 妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので,妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

**小児等への投与

1.
乳児,幼児,小児に投与する場合には慎重に投与すること。

2.
新生児,低出生体重児においては,未熟児無呼吸発作以外の疾患に対する有効性と安全性は確立していない。

**過量投与

<麻酔時,中枢神経系抑制剤による中毒時における呼吸抑制ならびに覚醒遅延,遷延性無呼吸の鑑別診断,急性ハイパーカプニアを伴う慢性肺疾患>

 過量投与による初期症状として極度の昇圧,頻脈,骨格筋機能亢進,深部腱反射の亢進がみられるので,血圧,脈拍,深部腱反射を定期的に調べることが望ましい。

 処置:過度の中枢神経興奮に対してはバルビツレートの静注,又は酸素および人工呼吸装置の速やかな使用などを行う。

 

<早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)>

 本剤による壊死性腸炎等の重篤な胃腸障害の発現は,1mg/kg/hr以上の高用量投与において多く認められており,死亡例も発現している5)。また,ドキサプラムの血中濃度が5μg/mLを超える場合に,胃腸障害等を含む副作用の発現率が上昇するとの報告がある6)

 

(参考)体重当たり用量換算表

<麻酔時,中枢神経系抑制剤による中毒時における呼吸抑制ならびに覚醒遅延,遷延性無呼吸の鑑別診断,急性ハイパーカプニアを伴う慢性肺疾患>

 

**薬物動態

1. 健康成人男子にドキサプラム1mg/kgを静注した結果,投与直後に血中濃度は最高に達した。血中濃度は静注後約4分で半減した。また,48時間後までの尿中への排泄は約15%であった。
また,術後患者に対しての1時間の点滴静注においても持続点滴により血中濃度は上昇し,点滴終了後,血中濃度は速やかに低下した7,8)

2. ヒト肝ミクロソームにおけるドキサプラムからその代謝物であるケトドキサプラム生成にはCYP3A4/5が関与することが示唆された9)
3. アミノフィリンに不応の無呼吸発作を認めた早産・低出生体重児を対象にアミノフィリン併用下で,ドキサプラム塩酸塩水和物1.5mg/kgを1時間かけて点滴静注後,維持投与として0.2mg/kg/hrの速度で点滴静注(効果不十分な場合は0.4mg/kg/hrまで増量)したとき,定常状態における血清中ドキサプラム濃度の中央値は0.472μg/mLであり,すべての患児で血清中ドキサプラム濃度は2.0μg/mL未満であった。ドキサプラムとケトドキサプラムの血清中濃度の合計の最大値は2.073μg/mLであった9)
4. ドキサプラムを未熟児に投与したときの薬物動態パラメータは,成人と比較して大きな個体間変動を示した。一方,平均値で比較すると,消失半減期は未熟児と成人で顕著な差異は認められなかったが,クリアランス及び分布容積では成人と比較して2倍程度大きくなる傾向を示した10-12)

**臨床成績

1.
麻酔時(NLA,変法NLA,GOF,thiamylal,GOP,GOE,thiobarbital,ketamine)の呼吸抑制ならびに覚醒遅延患者の呼吸機能と血液ガスの正常化および覚醒時間の短縮が認められた。

2.
薬物中毒患者に対して昏睡レベルの改善がみられ,呼吸機能ならびに血液ガスの改善も認められた。

3.
手術後の呼吸抑制患者に対する呼吸抑制の鑑別診断に際して中枢性の抑制か末梢性の抑制かの鑑別が可能であった。

4.
急性ハイパーカプニアを伴う慢性肺疾患の患者を対象にドキサプラムの効果を検討した結果,換気の増大および血液ガスの改善が認められた。

5.
アミノフィリンに不応の無呼吸発作を認めた早産・低出生体重児を対象とした臨床研究(プラセボ対照二重盲検多施設ランダム化比較試験)において,アミノフィリン併用下で,ドキサプラム塩酸塩水和物1.5mg/kgを1時間かけて点滴静注し,その後,維持投与として0.2mg/kg/hrの速度で点滴静注された。効果不十分な場合は0.4mg/kg/hrまで増量された。主要評価項目である,治療効果不十分による中止をイベントとした投与7日間のイベント発生率[99%信頼区間]は,ドキサプラム群67.5%[51.1,82.9%],プラセボ群90.5%[76.8,97.7%]であり,プラセボ群に対するドキサプラム群の優越性が示された(ドキサプラム群に対するプラセボ群のハザード比2.634, p=0.0007,log-rank検定)13)

**薬効薬理

1. 呼吸促進作用14,15)
 手術予定の成人男女に対してドキサプラムは換気量を増加させることが認められている。

 また,イヌによる実験でドキサプラムは動脈血ガス分圧を改善することが認められている。

2. 覚醒促進作用16)
 術後の麻酔下における成人女性に対してドキサプラムは覚醒時間を短縮することが認められている。

3. 麻薬性鎮痛剤による呼吸抑制の改善作用17,18)
 ドキサプラムは成人男女において麻薬性の鎮痛剤の鎮痛作用に影響を与えず呼吸抑制を改善した。

4. 作用機序19-23)
 ドキサプラムの呼吸促進作用は主に末梢性化学受容器の求心性神経活動を介して生じ,呼吸中枢に選択的に作用することが認められている。

**有効成分に関する理化学的知見

一般名:ドキサプラム塩酸塩水和物(Doxapram Hydrochloride Hydrate)

化学名:(4RS)-1-Ethyl-4-[2-(morpholin-4-yl)ethyl]-3,3-diphenylpyrrolidin-2-one monohydrochloride monohydrate

構造式

分子式:C24H30N2O2・HCl・H2O

分子量:432.98

性状:本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。本品はメタノール又は酢酸(100)に溶けやすく,水,エタノール(95)又は無水酢酸にやや溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない。

融点:218〜222℃

**承認条件

1.
医薬品リスク管理計画を策定の上,適切に実施すること。

2.
本剤の早産・低出生体重児における原発性無呼吸に対する使用により重篤な胃腸障害が発現するおそれがあることから,適切な調査を実施し,調査結果を速やかに報告すること。

包装

ドプラム注射液400mg:1バイアル(20mL)

ドプラム注射液400mg:5バイアル(20mL×5)

主要文献及び文献請求先

**主要文献

1)
汲田英樹ほか:日本新生児学会雑誌,26(3) , 642, 1990.

2)
早川文雄ほか:日本新生児学会雑誌,23(4) , 801, 1987.

3)
Nichol, H. et al.:J. Chromatogr., 182 , 191, 1980.

4)
Coutts, R.T. et al.:Xenobiotica, 21(10) , 1407, 1991.

5)
汲田英樹ほか:日本新生児学会雑誌,23(2) , 458, 1987.

6)
早川文雄ほか:日本新生児学会雑誌,23(4) , 810, 1987.

7)
藤田達士ほか:麻酔, 23(5), 424, 1974.

8)
西邑信男ほか:基礎と臨床, 8(4), 1294, 1974.

9)
Ogawa, Y. et al.:Eur. J. Pediatr.,DOI 10.1007/s00431-014-2416-1,2014.

10)
山崎俊夫ほか:小児外科,36(7) , 892, 2004.

11)
小川由貴ほか:日本小児臨床薬理学会雑誌,26(1) , 97, 2013.

12)
Robson, R.H. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol., 7, 81, 1978.

13)
山崎俊夫:周産期医学,43(5) , 603, 2013.

14)
手術予定患者を対象とした臨床薬理試験(社内資料)

15)
久保田哲弘ほか:日薬理誌,70(6) , 757, 1974.

16)
Winnie, A.P.:Acta Anaesth. Scand., Suppl. 51, 1, 1973.

17)
Gupta, P.K. et al.:Br. J. Anaesth., 45(5) , 497, 1973.

18)
Gupta, P.K. et al.:Anaesthesia., 29(1) , 33, 1974.

19)
Mitchell, R.A. et al.:Anesthesiology., 42(5) , 559, 1975.

20)
Hirsh, K. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther., 189(1) , 1, 1974.

21)
久我哲郎ほか:日薬理誌, 69(5) , 701, 1973.

22)
Funderburk, W. H. et al.:J. Pharm. Exp. Ther., 151(3) , 360, 1966.

23)
Bairam, A. et al.:Biol. Neonate, 64, 26, 1993.

*文献請求先・製品情報お問い合わせ先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。

 

キッセイ薬品工業株式会社 くすり相談センター

〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1丁目8番9号

TEL.03-3279-2304 フリーダイヤル 0120-007-622

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
キッセイ薬品工業株式会社

松本市芳野19番48号