タナトリル錠10


作成又は改訂年月

**2015年4月改訂(第17版) D6

*2014年6月改訂

日本標準商品分類番号

872144

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
2002年3月

薬効分類名

アンジオテンシン変換選択性阻害剤

承認等

販売名
タナトリル錠10

販売名コード

2144008F3024

承認・許可番号

承認番号
20500AMZ00546
商標名
TANATRIL Tablets 10

薬価基準収載年月

1993年11月

販売開始年月

1993年12月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存、開封後は湿気を避けて保存のこと

使用期限

外箱、容器に使用期限を表示

基準名

日本薬局方

イミダプリル塩酸塩錠

規制区分

処方箋医薬品

(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

成分・含量 (1錠中)

日局 イミダプリル塩酸塩 10mg

添加物

ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物、マクロゴール6000

性状

剤形

素錠

色調

白色

外形

サイズ(mm)

直径:6.5

サイズ(mm)

厚さ:2.6

重さ(g)

0.09

識別コード

TA136

一般的名称

イミダプリル塩酸塩製剤

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
本剤の成分に対し、過敏症の既往歴のある患者

2.
血管浮腫の既往歴のある患者 (アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等) 〔呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある。〕

3.
デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者〔ショックを起こすことがある。〕(「相互作用」の項参照)

4.
アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜 (AN69) を用いた血液透析施行中の患者〔アナフィラキシーを発現することがある。〕(「相互作用」の項参照)

5.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照〕

6.
アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者 (ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)〔非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。〕(「重要な基本的注意」の項参照)

効能又は効果

高血圧症、腎実質性高血圧症

用法及び用量

通常、成人にはイミダプリル塩酸塩として5〜10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、重症高血圧症、腎障害を伴う高血圧症又は腎実質性高血圧症の患者では2.5mgから投与を開始することが望ましい。

用法及び用量に関連する使用上の注意

クレアチニンクリアランスが30mL/分以下、又は血清クレアチニンが3mg/dL以上の重篤な腎機能障害のある患者では、投与量を半量にするか、若しくは投与間隔をのばすなど慎重に投与すること。〔排泄の遅延による過度の血圧低下及び腎機能を悪化させるおそれがある。〕(「慎重投与」及び【薬物動態】の項参照)

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者〔「重要な基本的注意」の項参照〕

2.
高カリウム血症の患者〔「重要な基本的注意」の項参照〕

3.
腎機能障害のある患者〔<用法・用量に関連する使用上の注意>及び「重大な副作用」の項参照〕

4.
脳血管障害のある患者〔過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させることがある。〕

5.
高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕

重要な基本的注意

1.
両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。

2.
高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。

3.
アリスキレンフマル酸塩を併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。

4.
本剤の投与により、次の患者では、初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので、投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。

(1)
重症の高血圧症患者

(2)
血液透析中の患者

(3)
利尿降圧剤投与中の患者 (特に最近利尿降圧剤投与を開始した患者)

(4)
厳重な減塩療法中の患者

5.
降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

6.
手術前24時間は投与しないことが望ましい。

相互作用

併用禁忌

(併用しないこと)

1.

薬剤名等 
デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行
  リポソーバー
  イムソーバTR
  セルソーバ
  等

臨床症状・措置方法
ショックを起こすことがある。

機序・危険因子
陰性に荷電したデキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートにより血中キニン系の産生が亢進し、さらに本剤によりブラジキニンの代謝が妨げられて、ブラジキニンが蓄積すると考えられる。

2.

薬剤名等 
アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた透析 (AN69)

臨床症状・措置方法
アナフィラキシーを発現することがある。

機序・危険因子
多価イオン体であるAN69により血中キニン系の産生が亢進し、さらに本剤によりブラジキニンの代謝が妨げられて、ブラジキニンが蓄積すると考えられる。

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等 
カリウム保持性利尿剤 (スピロノラクトン、トリアムテレン等)
カリウム補給剤 (塩化カリウム等)

臨床症状・措置方法
血清カリウム値が上昇することがある。
併用する場合は血清カリウム値に注意すること。

機序・危険因子
本剤はアンジオテンシンII産生を抑制し、アルドステロンの分泌を低下させるため、カリウム排泄を減少させると考えられる。腎機能障害のある患者には特に注意する。

2. 薬剤名等 
アリスキレンフマル酸塩

臨床症状・措置方法
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。
なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。

機序・危険因子
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

3. 薬剤名等 
*アンジオテンシンII受容体拮抗剤

臨床症状・措置方法
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。

機序・危険因子
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

4. 薬剤名等 
利尿降圧剤 (トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等)

臨床症状・措置方法
利尿降圧剤で治療中の患者に本剤を初めて投与する場合、降圧作用が増強するおそれがあるので少量より投与するなど慎重に投与すること。

機序・危険因子
利尿剤の投与は血漿レニン活性を上昇させているため、本剤の投与により急激な血圧低下を起こすと考えられる。

5. 薬剤名等 
リチウム製剤 (炭酸リチウム)

臨床症状・措置方法
リチウム中毒(眠気、振戦、錯乱等) を起こすことがある。
定期的にリチウムの血中濃度を測定し、異常があれば減量もしくは投与中止する。

機序・危険因子
腎尿細管におけるリチウムの再吸収を促進すると考えられる。

6. 薬剤名等 
非ステロイド性抗炎症剤 (インドメタシン等)

臨床症状・措置方法
降圧作用が減弱することがある。
定期的に血圧を観察し、適切な処置をとる。

機序・危険因子
非ステロイド性抗炎症剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させると考えられる。

7. 薬剤名等 
非ステロイド性抗炎症剤 (インドメタシン等)

臨床症状・措置方法
腎機能を悪化させるおそれがある。異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

機序・危険因子
非ステロイド性抗炎症剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。

8. 薬剤名等 
カリジノゲナーゼ製剤

臨床症状・措置方法
本剤との併用により過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある。

機序・危険因子
本剤のキニン分解抑制作用とカリジノゲナーゼ製剤のキニン産生作用により、血管平滑筋の弛緩が増強すると考えられる。

9. 薬剤名等 
他の降圧作用を有する薬剤 (降圧剤、硝酸剤等)

臨床症状・措置方法
降圧作用が増強することがある。
定期的に血圧を測定し、両剤の用量を調節する。

機序・危険因子
相加的に作用 (降圧作用) を増強させると考えられる。

副作用

副作用等発現状況の概要

臨床試験(治験)
総症例858例中、副作用が報告されたのは50例 (5.83%) であり、その主なものは、咳嗽23例 (2.68%)、咽頭部不快感4例 (0.47%)、胃部不快感2例 (0.23%)、動悸2例 (0.23%)等であった。また、臨床検査値異常として本剤との因果関係が疑われたものは、56例 (6.53%)であり、その主なものは、ALT (GPT) 上昇739例中15例 (2.03%)、AST (GOT) 上昇739例中13例 (1.76%)、クレアチニン上昇722例中6例 (0.83%)等であった。

使用成績調査 (1993年10月〜1999年9月)
総症例5,774例中、副作用が報告されたのは390例 (6.75%) であり、その主なものは、咳嗽275例 (4.76%)、低血圧15例 (0.26%)、めまい13例 (0.23%)、頭痛11例 (0.19%)、咽頭部異和感・不快感8例 (0.14%)、ふらつき8例 (0.14%)、発疹7例 (0.12%) 等であった。

重大な副作用

1.
呼吸困難を伴う顔面、舌、声門、喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫 (自発報告につき頻度不明) があらわれることがあるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤の投与及び気道確保等の適切な処置を行うこと。

2.
重篤な血小板減少 (0.1%未満) があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

3.
急性腎不全 (自発報告につき頻度不明)、また、腎機能障害の増悪 (0.1%未満) があらわれることがあるので、腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

4.
重篤な高カリウム血症 (0.1%未満) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。

5.
紅皮症 (剥脱性皮膚炎)、皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson症候群)、天疱瘡様症状 (いずれも自発報告につき頻度不明) があらわれることがあるので、紅斑、水疱、そう痒、発熱、粘膜疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

重大な副作用(類薬)

1.
他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、汎血球減少があらわれたとの報告があるので、このような異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

2.
他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、膵炎があらわれたとの報告があるので、血中のアミラーゼ、リパーゼの上昇等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1. 血液
0.1%未満 
赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板、白血球の減少、好酸球増多

2. 腎臓
0.1〜5%未満 
血清クレアチニン、BUNの上昇

3. 腎臓
0.1%未満 
蛋白尿

4. 精神神経系
0.1〜5%未満 
頭痛、ふらつき、めまい

5. 精神神経系
0.1%未満 
立ちくらみ、不眠

6. 精神神経系
頻度不明注) 
眠気

7. 循環器
0.1〜5%未満 
低血圧

8. 循環器
0.1%未満 
動悸

9. 呼吸器
0.1〜5%未満 
咳、咽頭部異和感・不快感

10. 呼吸器
0.1%未満 
痰、嗄声

11. 消化器
0.1%未満 
悪心、嘔気、嘔吐、胃部不快感、腹痛、食欲不振、下痢

12. 肝臓
0.1〜5%未満 
AST (GOT)、ALT (GPT) の上昇

13. 肝臓
0.1%未満 
Al-P、LDHの上昇、黄疸

14. 肝臓
頻度不明注) 
γ-GTPの上昇

15. 過敏症
0.1〜5%未満 
発疹、そう痒

16. 過敏症
頻度不明注) 
光線過敏症、蕁麻疹

17. その他
0.1〜5%未満 
血清カリウムの上昇

18. その他
0.1%未満 
耳鳴、味覚異常、口渇、CK (CPK) の上昇、胸部不快感、疲労、倦怠感、浮腫、顔面潮紅

19. その他
頻度不明注) 
脱毛、しびれ、脱力感、低血糖

その他の副作用の注意

副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

注) 自発報告につき頻度不明

高齢者への投与

低用量 (例えば2.5mg) から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

(1)
本剤は主として腎臓から排泄されるが、一般に高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがあり、副作用が発現又は作用が増強しやすい。

(2)
高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている (脳梗塞等が起こるおそれがある)。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。〔妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形等があらわれたとの報告がある。また、海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある。〕

2.
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。〔動物実験 (ラット) で乳汁中へ移行することが認められている。〕

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない (使用経験がない)。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。〔PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。〕

その他の注意

インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。

薬物動態

本剤は、未変化体のほかに4種の代謝物が検出・同定されているが、これらの代謝物の中で活性を有する代謝物はジアシド体 (イミダプリラート) のみである。

(1) 血漿中濃度

1) 単回投与1)
健康成人に本剤10mgを単回経口投与した場合、イミダプリルは投与2時間前後に最高血漿中濃度に達し、以後約2時間の半減期で減少した。一方、活性代謝物であるイミダプリラートの血漿中濃度は投与後6〜8時間に最高血漿中濃度(約15ng/mL) に達した後、半減期約8時間で緩徐に血漿中より消失した。

2) 反復投与2, 3, 4)

1. 健康成人
健康成人に本剤10mgを1日1回、7日間反復経口投与した時のイミダプリラートの血漿中濃度は投与3〜5日目で定常状態に達した。

2. 腎障害患者
高度腎障害を伴う高血圧症患者 (血清クレアチニン:3.3,2.9,1.9mg/dL) に本剤5mgを1日1回反復経口投与した時の血漿中イミダプリラート濃度推移は、腎障害を伴わない高血圧症患者に10mgを投与した成績と比較すると、最高血漿中濃度到達時間 (Tmax) の延長 (約11時間) ならびに消失半減期の延長 (約18時間) が認められた。腎障害患者の最高血漿中濃度 (Cmax) (約18ng/mL) は腎障害を伴わない患者の値 (約11ng/mL) に比べ高かった。

(2) 代謝、排泄5)
健康成人に本剤10mgを単回経口投与した場合、投与後24時間までの尿中総排泄率は投与量の25.5%である。

臨床成績

臨床効果
国内で実施された二重盲検比較試験を含む臨床試験の概要は次のとおりである。

(1) 本態性高血圧症 (軽・中等症)
軽・中等症の本態性高血圧症を対象とした一般臨床試験及び二重盲検比較試験における本剤の有効率は、80.8% (361/447) であった。6)

(2) 重症高血圧症及び腎障害を伴う高血圧症
重症高血圧症及び腎障害を伴う高血圧症を対象とした一般臨床試験の有効率はそれぞれ100% (19/19)、84.0% (21/25) であった。

(3) 腎実質性高血圧症
腎実質性高血圧症を対象とした一般臨床試験の有効率は80.6% (25/31) であった。

薬効薬理

イミダプリル塩酸塩は経口投与後、加水分解により活性代謝物であるジアシド体 (イミダプリラート) に変換される。イミダプリラートが血中・組織中のACE活性を阻害し、昇圧物質であるアンジオテンシンIIの生成を抑制することによって降圧作用を発現する。

(1) アンジオテンシン変換酵素阻害作用

1)
イミダプリル塩酸塩の活性代謝物であるイミダプリラートは、ブタ腎皮質及びヒト血清から調製したACEの活性をin vitro で拮抗的かつ濃度依存的に阻害する。7)

2)
イミダプリル塩酸塩及びイミダプリラートをラットに経口投与すると、アンジオテンシンIにより誘発される昇圧反応は用量依存的に抑制される。8)

(2) 降圧作用

1)
自然発症高血圧ラット(SHR) 及び2腎性高血圧ラットにイミダプリル塩酸塩を経口投与すると用量依存的な降圧作用が認められるが、正常血圧ラットに対する降圧作用は極めて軽度で、DOCA/食塩高血圧ラットでは十分な降圧を認めなかった。8)

2)
SHRにおいてイミダプリル塩酸塩の2週間連続経口投与は心拍数に影響を与えず、持続的な降圧作用を示す。8)

3)
本態性高血圧症患者において、本剤を通常用量にて1日1回反復投与したとき、24時間にわたって安定した降圧作用が持続し、血圧日内変動幅及び日内較差には影響が認められていない。9)

(3) その他の作用

1)
イヌにイミダプリル塩酸塩又はイミダプリラートを十二指腸内投与又は静脈内投与すると、腎血流量及び糸球体濾過値は有意に増加される。10)

2)
昇圧進展期のSHRにイミダプリル塩酸塩を9〜10週間連続経口投与したとき、昇圧進展の抑制及び高血圧性心肥大の抑制作用が認められている。11)

有効成分に関する理化学的知見

○一般名
イミダプリル塩酸塩 (Imidapril Hydrochloride)

○化学名
(4S )-3-{(2S )-2-[(1S )-1-Ethoxycarbonyl-3-phenylpropylamino]propanoyl}-1-methyl-2-oxoimidazolidine-4-carboxylic acid monohydrochloride

○構造式

○分子式
C20H27N3O6・HCl

○分子量
441.91

○性状

・白色の結晶である。

・メタノールに溶けやすく、水にやや溶けやすく、エタノール(99.5) にやや溶けにくい。

・1.0gを水100mLに溶かした液のpHは約2である。

○融点:
約203℃(分解)

包装

**タナトリル錠10:100錠(10錠×10)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
弘田雄三 他:臨床医薬 1992; 8(3):507-522

2)
弘田雄三 他:基礎と臨床 1992; 26(4):1457-1468

3)
鈴木 伸 他:臨牀と研究 1992; 69(2):636-648

4)
石井當男 他:臨床医薬 1992; 8(2):299-313

5)
伴野 清 他:田辺製薬研究報告 1993; 62-72

6)
猿田享男 他:臨床医薬 1992; 8(3):661-697

7)
菅谷 健 他:日薬理誌 1992; 100:39-45

8)
Kubo, M. et al.:Jpn. J. Pharmacol. 1990; 53:201-210

9)
猿田享男 他:臨床医薬 1991; 7(10):2205-2219

10)
Nishiyama, S. et al.:Arzneimittelforschung 1992; 42:451-456

11)
Kubo, M. et al.:Jpn. J. Pharmacol. 1991; 57:517-526

文献請求先

**田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター

〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10

電話 0120-753-280

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

**製造販売元
田辺三菱製薬株式会社

大阪市中央区道修町3-2-10