ルネトロン錠1mg


作成又は改訂年月

*2010年6月改訂(第8版)

2009年6月改訂

日本標準商品分類番号

872139

薬効分類名

利尿剤

承認等

販売名
ルネトロン錠1mg

販売名コード

2139004F1040

承認・許可番号

承認番号
22000AMX01497
商標名
LUNETORON TABLETS

薬価基準収載年月

2008年6月

販売開始年月

2008年6月

貯法・使用期限等

貯法

遮光、室温保存

使用期限

包装に表示の使用期限内に使用すること。

規制区分

処方箋医薬品

※注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

1錠中に次の成分を含有

有効成分

ブメタニド (日局) 1mg

添加物

結晶セルロース、カルメロースカルシウム、軽質無水ケイ酸、ポリソルベート60、ヒドロキシプロピルセルロース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物

性状

剤形

素錠 (割線入)

白色

外形

直径 (mm)

8.1

厚さ (mm)

2.8

重さ (mg)

180

識別コード

SANKYO
 257

一般的名称

ブメタニド錠

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
肝性昏睡の患者[血中アンモニア濃度を上昇させ、症状を悪化させるおそれがある。]

2.
体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者[電解質失調を促進させるおそれがある。]

3.
無尿の患者[有効循環血液量が減少し、糸球体ろ過率の低下のため尿素窒素が上昇することがある。]

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫、癌性腹水

通常成人1日1〜2錠 (ブメタニドとして1〜2mg) を連日又は隔日に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
進行した肝硬変症の患者[肝性昏睡を誘発することがある。]

2.
重篤な肝障害のある患者[低カリウム血症等の電解質失調を起こすことがある。]

3.
重篤な腎障害のある患者[急激な体液の減少を伴う腎血流量の低下をもたらし、尿素窒素が上昇することがある。]

4.
本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者[痛風の素因を有する患者では高尿酸血症の発現に伴い、痛風発作を誘発することがある。糖尿病の患者では、インスリンの分泌低下及び低カリウム血症による糖利用障害のため耐糖能の低下が発現し、糖尿病を悪化させることがある。]

5.
下痢、嘔吐のある患者[体液量が減少していることがあるので、更に脱水症状や、低ナトリウム血症を招くことがある。]

6.
利尿剤の連続投与を受けている患者[体液量の減少又は電解質平衡の失調等を起こしている可能性がある。]

重要な基本的注意

1.
本剤の利尿効果は急激にあらわれることがあるので、電解質平衡失調、脱水に十分注意し、少量から投与を開始して、徐々に増量すること。

2.
連用する場合、電解質失調があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等 
*昇圧アミン
   アドレナリン、ノルアドレナリン

臨床症状・措置方法
昇圧アミンの作用を減弱するおそれがあるので、手術前の患者に使用する場合には、本剤の一時休薬等の処置を行うこと。

機序・危険因子
併用により血管壁の反応性が低下するためと考えられている。

2. 薬剤名等 
降圧剤

臨床症状・措置方法
降圧作用を増強するおそれがある。

機序・危険因子
本剤はナトリウムの再吸収を抑制する。

3. 薬剤名等 
第8脳神経障害を起こすおそれのあるアミノグリコシド系抗生物質
  ストレプトマイシン、カナマイシン等

臨床症状・措置方法
腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。

機序・危険因子
機序は不明であるが、動物実験 (モルモット、ウサギ) で、カナマイシンとの併用により蝸牛の有毛細胞の障害が、また、動物実験 (ウサギ) で、カナマイシンとの併用により腎障害が発現したとの報告がある。

4. 薬剤名等 
セフェム系 (セファロスポリン系及びセファマイシン系) 抗生物質

臨床症状・措置方法
腎障害を増強するおそれがある。

機序・危険因子
機序不明

5. 薬剤名等 
ジギタリス製剤
  ジギトキシン、ジゴキシン等

臨床症状・措置方法
心臓に対する作用を増強するおそれがある。

機序・危険因子
本剤はカリウムを欠乏させ、ジギタリスの毒性を増大させると考えられている。また、ジゴキシンの腎クリアランスを減少させる。利尿剤によるマグネシウム欠乏も同様である。

6. 薬剤名等 
糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTH
  ヒドロコルチゾン等

臨床症状・措置方法
過剰のカリウム放出を起こすおそれがある。

機序・危険因子
両剤ともカリウムを消失させる。

7. 薬剤名等 
非ステロイド性消炎鎮痛剤
  インドメタシン等

臨床症状・措置方法
利尿作用を減弱することがある。

機序・危険因子
非ステロイド性消炎鎮痛剤によるプロスタグランジン生合成阻害によりナトリウム排泄が低下するためと考えられる。

8. 薬剤名等 
リチウム
  炭酸リチウム

臨床症状・措置方法
リチウム中毒を起こすことがある。

機序・危険因子
リチウムの再吸収が促進され、リチウムの血中濃度が上昇すると考えられる。

副作用

副作用等発現状況の概要

(本項には頻度が算出できない副作用報告を含む。)
668施設、総症例8,742例中、副作用が報告されたのは576例 (6.59%) であり、その主なものは脱力・倦怠感 (1.45%)、筋肉痛 (0.66%)、悪心・嘔気 (0.61%) 等であった。
[新開発医薬品の副作用のまとめ (その39)1)

重大な副作用

脱水症状
0.10% 
脱水症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1. 過敏症注1)
0.1%未満 
発疹、皮膚そう痒感

2. 代謝異常注2)
1%以上 
低ナトリウム血症・低カリウム血症・低クロール性アルカローシス等の電解質失調、高尿酸血症

3. 代謝異常注2)
0.1〜1%未満 
高尿素窒素血症

4. 代謝異常注2)
0.1%未満 
高血糖症

5. 消化器
0.1〜1%未満 
悪心、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢

6. 精神神経系
0.1〜1%未満 
耳鳴・難聴ないしその悪化、眩暈、ふらつき

7. 精神神経系
0.1%未満 
手指の振戦、頭痛

8. 精神神経系
頻度不明 
知覚異常

9. その他
1%以上 
脱力・倦怠感

10. その他
0.1〜1%未満 
口渇、筋肉痛、動悸

11. その他
0.1%未満 
筋痙攣、心窩部痛、糖尿、好酸球増多、関節痛

注1) 投与を中止すること。

注2) 減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

高齢者には、次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

(1)
高齢者では急激な利尿は血漿量の減少をきたし、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがある。

(2)
特に心疾患等で浮腫のある高齢者では急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮をきたし、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。

(3)
高齢者では、低ナトリウム血症、低カリウム血症があらわれやすい。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)

薬物動態

1. 血中濃度2)
海外における検討によれば、健康成人3例を対象にブメタニド1、2、3、4及び5mgを経口投与し、その血中濃度をガスクロマトグラフ法により測定した成績では、血中濃度のパターンは3例とも類似しており、最高血中濃度はほぼ30分後に出現する。次図はそのうちの1例の成績を図示したものである。

ブメタニドの経口投与による血中濃度

2. 排泄2)
海外における検討によれば、健康成人に14C標識ブメタニド1.15mg (15.5μCi) を経口投与し、尿中排泄を測定した結果は次図に示すとおりである。

ブメタニドの経口投与による尿中排泄



尿中14C放射活性の24時間までの回収率は投与量の65%であり、糞中回収率は72時間までに18%である。

(参考: 動物)

分布・代謝3)
ビーグル犬6頭に各々14C標識ブメタニド7.43mg/kg (100μCi/kg) を経口投与し、腸管から血液中に吸収された14C標識ブメタニドの分布を全身オートラジオグラフィーにより検討した結果、主に肝臓、腎臓、胆のう、膀胱などに移行がみられ、脳、全身骨格筋などにはほとんど移行しない。
また、代謝物について投与6時間後の膀胱内尿、胆のう内胆汁ならびに腸管内容物を薄層クロマトグラフィーで代謝物の分離を行った結果、尿中にはブメタニドのみが検出され、胆汁中及び腸管内容物中には主として抱合体が認められている。

臨床成績

本剤による臨床試験は二重盲検比較試験を含め、55施設、総症例926例について実施された。このうち、効果の判定が行われた914例の臨床成績の概要は次のとおりである。

(1) 疾患別効果4〜7)
本剤の疾患別有効率は心性浮腫94.3% (198/210)、腎性浮腫88.5% (308/348)、肝性浮腫88.3% (143/162)、癌性腹水88.6% (31/35) であった。

(2) 作用発現及び作用持続時間8)
健康成人3例にブメタニド1mgを1回経口投与したときの成績では、利尿作用は投与後約30〜60分からあらわれ、次第に効果が増強されて60〜180分で最高に達し、効果の持続時間は180〜300分であった。

(3) 腎機能低下例に対する効果9, 10)
腎機能低下例 (クレアチニン・クリアランス10mL/分以下) で利尿効果が認められた。

薬効薬理

1. 利尿作用11, 12)
経口投与により糸球体ろ過値にほとんど影響を及ぼさずに尿量及びナトリウム、クロールの尿中排泄を著しく増大する。

2. 作用機序12)
ループ利尿剤に属し、作用部位は主としてヘンレループ (尿細管係蹄) 上行脚であり、この部位におけるナトリウムの再吸収を強力に抑制することにより利尿作用を示す。

有効成分に関する理化学的知見

1. 一般名
ブメタニド (Bumetanide)

2. 化学名
3-Butylamino-4-phenoxy-5-sulfamoylbenzoic acid

3. 分子式
C17H20N2O5S

4. 分子量
364.42

5. 構造式

6. 性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
ピリジンに溶けやすく、メタノール又はエタノール (95) にやや溶けやすく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
水酸化カリウム試液に溶ける。
光によって徐々に着色する。

7. 分配係数
分配係数表参照

分配係数表

pH 1.2 (日局、第1液) 6.8 (日局、第2液) 
分配係数 (log Pow) 3.0 0.1 

Pow=(オクタノール相のブメタニド濃度/水相のブメタニド濃度)
(フラスコ振とう法)


包装

ルネトロン錠1mg (PTP)200錠

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
医薬品副作用情報 No.43 厚生省薬務局 1980

2)
Davies DL, et al.:Clin Pharmacol Ther. 1974;15 (2):141-155

3)
Shindo H, et al.:Radioisotopes 1979;28 (12):745-750

4)
木下康民ほか:医学のあゆみ1974;91 (2):80-89

5)
加藤克己ほか:薬理と治療 1975;3 (7):1260-1292

6)
加藤暎一ほか:薬理と治療 1974;2 (2):194-198

7)
浦壁重治ほか:臨牀と研究 1974;51 (6):1661-1667

8)
木下康民ほか:薬理と治療 1974;2 (2):213-223

9)
古川 浩ほか:薬理と治療 1974;2 (6):935-942

10)
浅野 泰ほか:薬理と治療 1974;2 (4):597-604

11)
Ostergaard EH, et al.:Arzneimittelforschung 1972;22 (1):66-72

12)
東尾尚宏:大阪市立大学医学雑誌 1974;23:297-306

文献請求先・製品情報お問い合わせ先

第一三共株式会社 製品情報センター

〒103-8426 東京都中央区日本橋本町3-5-1

TEL: 0120-189-132

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
第一三共株式会社

東京都中央区日本橋本町3-5-1