ホスミシンS耳科用3%


作成又は改訂年月

* 2011年4月改訂 (第2版)

2009年1月作成

日本標準商品分類番号

871325

薬効分類名

ホスホマイシン系抗生物質製剤

承認等

販売名
ホスミシンS耳科用3%

販売名コード

1325703Q1036

承認・許可番号

承認番号
22000AMX02101000
欧文商標名
FOSMICIN-S FOR OTIC 3%

薬価基準収載年月

2008年12月

販売開始年月

2009年1月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

外箱に最終年月表示

規制区分

処方せん医薬品注1)

注1)注意−医師等の処方せんにより使用すること

組成

ホスミシンS耳科用3%は、1バイアル中に下記の成分を含有する。

有効成分

ホスホマイシンナトリウム 300mg(力価)

添加物

無水クエン酸

ホスミシンS耳科用3%溶解液(10mL)は、下記の添加物を含有する。

添加物

パラオキシ安息香酸メチル
パラオキシ安息香酸プロピル

性状

ホスミシンS耳科用3%は、白色の結晶性の粉末(無菌)で、水に極めて溶けやすい。
添付の溶解液(無菌)で溶解後はpH約7.5の無色澄明な液である。

一般的名称

局所外用ホスホマイシンナトリウム

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

(次の患者には使用しないこと)
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

<適応菌種>
ホスホマイシンに感性のブドウ球菌属、プロテウス属、緑膿菌

<適応症>
外耳炎、中耳炎

用法及び用量

添付の溶解液で溶解し、1mL当りホスホマイシンナトリウムとして30mg(力価)の溶液とし、通常、10滴(約0.5mL)を1日2回点耳する。
なお、症状により適宜回数を増減するが、難治性あるいは遷延性の重症例では、1日4回まで点耳回数を増加する。

(点耳後約10分間の耳浴を行う。)

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

使用上の注意

重要な基本的注意

1.
使用中に感作されるおそれがあるので、観察を十分に行い、感作されたことを示す徴候があらわれた場合には、使用を中止すること。

2.
本剤の使用にあたっては、4週間の使用を目安とし、その後の継続使用については、漫然と使用しないよう慎重に行うこと。

副作用

副作用等発現状況の概要

市販後使用成績調査の結果、全国350施設から総症例5,638例の臨床例が報告された。副作用発現症例数は13例(0.23%)であり、副作用発現件数は14件で、主な副作用はめまい等であった。(耳科用ホスミシンSの再審査終了時)

その他の副作用

過敏症注2)

0.1%未満
過敏症状

その他

0.1〜5%未満
めまい感等

0.1%未満
頭痛等

注2)症状があらわれた場合には、使用を中止すること。

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

適用上の注意

1. 使用部位

(1)
点耳用のみに使用すること。

(2)
眼科用に使用しないこと。

2. 使用時
使用する際の薬液の温度が低いと、めまい感を起こす可能性が高いので、使用時には、できるだけ体温に近い状態で使用すること。

3. 溶解後
本剤の調製後は、室温で2週間以上保存したものは使用しないこと。

薬物動態

1. 耳漏中濃度1)
ホスホマイシンナトリウムの300μg/mL(0.03%)注3)の溶液0.5mLを慢性化膿性中耳炎の患者(n=5)に点耳し、10分間耳浴して耳漏中濃度を測定した結果では、耳浴終了後10〜120分にわたり、耳漏中に20μg/mL以上のホスホマイシンが認められた。
また、耳漏中の半減期は、およそ0.9時間であった。
注3)本剤1バイアルを添付の溶解液に溶解したときの溶液の濃度は30mg/mL(3%)である。

2. 血中濃度2)
慢性化膿性中耳炎急性増悪症の患者(n=3)に、本剤を0.5mL点耳し、10分間耳浴した後の血清中濃度を測定した結果では、耳浴終了後30〜60分での薬剤の血清中濃度は0.010〜0.084μg/mLで、血清中への移行はわずかであった。

臨床成績

一般臨床試験における有効性評価対象症例261例での有効率は75.1%(196/261例)で、主な疾患別臨床効果は次表のとおりであった。なお、二重盲検比較試験では基礎治療としてセファレキシンを用いているので、その臨床試験の成績は、このまとめからは除外した。3〜9)
このうち、難治性あるいは遷延性と主治医が判断し、1日3〜4回投与した症例では84.6%(11/13例)と高い有効率が得られている。

疾患名 有効率 
中耳炎:慢性化膿性中耳炎 71.6%(58/81) 
中耳炎:慢性化膿性中耳炎急性増悪症 73.5%(100/136) 
中耳炎:急性化膿性中耳炎 92.9%(13/14) 
中耳炎:小計 74.0%(171/231) 
外耳炎 83.3%(25/30) 
合計 75.1%(196/261) 

薬効薬理

1. in vitro抗菌作用10,11)
ホスホマイシンはグラム陽性菌、グラム陰性菌に対し殺菌的に作用し、特に、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、プロテウス属等の化膿性中耳炎の主な原因菌に対し優れた抗菌力を示した。

2. 実験的中耳炎に対する治療効果12,13)
モルモットの中耳内に黄色ブドウ球菌あるいは緑膿菌を感染させ作成した実験的急性中耳炎に対し、耳科用ホスミシンS溶液0.1mLを、黄色ブドウ球菌感染では単回投与、緑膿菌感染では1日1回7日間投与した結果、治療効果が認められた。

3. 作用機序14〜16)
ホスホマイシンの作用機序は、極めてユニークである。すなわち、細胞質膜の能動輸送系によってホスホマイシンが効率的に菌体内に取込まれ、細胞壁peptidoglycanの生合成を初期段階で阻害することにより抗菌作用を示す。
(β-lactam系抗生物質は最終段階で阻害する。)

有効成分に関する理化学的知見

性 状
ホスホマイシンナトリウムは白色の結晶性の粉末である。
本品は水に極めて溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。

一般名
ホスホマイシンナトリウム Fosfomycin Sodium

略 号
FOM

化学名
Disodium(2R,3S)-3-methyloxiran-2-ylphosphonate

分子式
C3H5Na2O4P

分子量
182.02

構造式

分配係数
(log10 1-オクタノール層/水層、20±5℃)
(下表参照)

pH2.0〜10.0 
<−3.0 

包装

1バイアル中 300mg(力価)含有 10バイアル
(添付溶解液 10mL×10本)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
石井哲夫ほか:耳鼻と臨床,33(5):874,1987

2)
東堤 稔ほか:基礎と臨床,20(2):1399,1986

3)
藤巻 豊ほか:耳鼻咽喉科臨床,79(2):321,1986

4)
馬場駿吉ほか:耳鼻と臨床,32(2):270,1986

5)
橘 正芳ほか:耳鼻咽喉科臨床,79(3):495,1986

6)
田頭宣治ほか:耳鼻と臨床,32(1):155,1986

7)
昇 卓夫ほか:耳鼻咽喉科臨床,79(4):657,1986

8)
河村正三ほか:耳鼻と臨床,32(6):1067,1986

9)
馬場駿吉ほか:耳鼻と臨床,32(補2):946,1986

10)
出口浩一:Jap. J. Antibiot.,36(10):2844,1983

11)
出口浩一ほか:Jap. J. Antibiot.,39(9):2344,1986

12)
ホスホマイシンのモルモット中耳腔内投与による治療効果(社内資料)

13)
耳科用ホスミシンSの感染治療実験(社内資料)

14)
Fosfomycinの作用機作(社内資料)

15)
Kahan, F. M., et al.:Ann. New York Acad. Sci.,235:364,1974

16)
鶴岡 勉:日本化学療法学会雑誌,47(3):115,1999

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

*Meiji Seika ファルマ株式会社 くすり相談室

〒104-8002 東京都中央区京橋2-4-16

〈製品情報問い合わせ先〉
*Meiji Seika ファルマ株式会社 くすり相談室

電話(03)3273-3539

FAX(03)3272-2438

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

*製造販売元
Meiji Seika ファルマ株式会社

東京都中央区京橋2-4-16

その他の説明(付属機器の取り扱い等)

溶解方法

1.
粉末瓶キャップのリング部分を人差し指で持ち上げて下さい。

2.
粉末瓶をしっかり押さえながら上蓋のリングを右下に引きおろし、左側の切れ目のみ完全に切り離して下さい。

3.
切り離した上蓋を右に引きながら取り外して下さい。

4.
上蓋を取り外した後、アルミ天板とゴム栓を取り外して下さい。

5.
溶解液瓶の大キャップをとり、開封した粉末瓶に溶解液瓶をしっかりとカチッと音がするまではめ込み、よく振り、完全に溶かして下さい。

6.
溶かした薬液を溶解液瓶の方に移し、粉末瓶を外した後、大キャップを固く締めて下さい。