レグテクト錠333mg


作成又は改訂年月

2013年3月作成(第1版)

日本標準商品分類番号

87119

日本標準商品分類番号等

国際誕生
1987年7月

薬効分類名

アルコール依存症 断酒補助剤

承認等

販売名
レグテクト錠333mg

販売名コード

1190022H1020

承認・許可番号

承認番号
22500AMX00874000
商標名
Regtect Tablets 333mg

薬価基準収載年月

2013年5月

販売開始年月

2013年5月

貯法・使用期限等

貯法

気密容器、室温保存

使用期限

外箱に表示

規制区分

処方箋医薬品注)

注)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

組成

本剤は1錠中、アカンプロサートカルシウム333mgを含有する。

添加物

クロスポビドン、結晶セルロース、ケイ酸マグネシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、メタクリル酸コポリマーLD、タルク、プロピレングリコールを含有する。

性状

性状

本剤は白色の円形の腸溶性フィルムコーティング錠である。

側面

識別コード

130

直径(mm)

10.3

厚さ(mm)

6.4

重量(mg)

532

一般的名称

アカンプロサートカルシウム錠

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2.
高度の腎障害のある患者[排泄遅延により、高い血中濃度が持続するおそれがある。]

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

アルコール依存症患者における断酒維持の補助

効能又は効果に関連する使用上の注意

1.
アルコール依存症の診断は、国際疾病分類等の適切な診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ使用すること。

2.
心理社会的治療と併用すること。

3.
断酒の意志がある患者にのみ使用すること。

4.
離脱症状がみられる患者では、離脱症状に対する治療を終了してから使用すること。[本剤は離脱症状の治療剤ではない。]

用法及び用量

通常、成人にはアカンプロサートカルシウムとして666mgを1日3回食後に経口投与する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

1.
本剤の吸収は食事の影響を受けやすく、有効性及び安全性は食後投与により確認されているため、食後に服用するよう指導すること。[空腹時に投与すると、食後投与と比較して血中濃度が上昇するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]

2.
本剤の投与期間は原則として24週間とすること。治療上の有益性が認められる場合にのみ投与期間を延長できるが、定期的に本剤の投与継続の要否について検討し、本剤を漫然と投与しないこと。[国内臨床試験では、24週間の投与による有効性及び安全性が確認されている。(「臨床成績」の項参照)]

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
軽度から中等度の腎障害のある患者[排泄遅延により血中濃度が上昇するおそれがある。(「重要な基本的注意」、「薬物動態」の項参照)]

2.
自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者[自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。]

3.
高齢者[血中濃度が上昇するおそれがある。(「高齢者への投与」の項参照)]

4.
高度の肝障害のある患者[使用経験がない。]

重要な基本的注意

1.
本剤は、アルコール依存症の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、投与すること。

2.
本剤との因果関係は明らかではないが、自殺念慮、自殺企図等が報告されているので、本剤を投与する際には患者の状態を十分に観察するとともに、関連する症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

3.
患者及びその家族等に自殺念慮、自殺企図等の行動の変化があらわれることのリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。

4.
中等度の腎障害のある患者では、排泄遅延により血中濃度が上昇するおそれがあるので、減量を考慮するとともに、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。異常が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「薬物動態」の項参照)

副作用

副作用等発現状況の概要

国内臨床試験において、安全性評価対象症例199例中37例(18.6%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢28例(14.1%)、傾眠、腹部膨満、嘔吐 各2例(1.0%)であった。(承認時)

重大な副作用

1. アナフィラキシー(頻度不明注1)
全身性皮疹、発疹、蕁麻疹、口内炎、喉頭痙攣、息切れ等の症状を伴うアナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

2. 血管浮腫(頻度不明注1)
舌腫脹、リンパ節腫脹等の症状を伴う血管浮腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

重大な副作用の注意

注1):海外で認められた副作用のため頻度不明

その他の副作用

1. 精神神経系
1〜5%未満 
傾眠

2. 精神神経系
1%未満 
不安、頭痛、精神運動亢進

3. 消化器
5%以上 
下痢

4. 消化器
1〜5%未満 
腹部膨満、嘔吐

5. 消化器
1%未満 
便秘、悪心、鼓腸、過敏性腸症候群、口内炎

6. 消化器
頻度不明注1) 
腹痛

7. 肝臓
1%未満 
γ-GTP増加

8. 皮膚注2)
1%未満 
湿疹、乾癬

9. 皮膚注2)
頻度不明注1) 
蕁麻疹、そう痒症、斑状丘疹状皮疹

10. その他
1%未満 
浮腫、末梢性浮腫

11. その他
頻度不明注1) 
不感症、勃起不全、リビドー減退・亢進

その他の副作用の注意

注1):海外で認められた副作用のため頻度不明

注2):投与を中止すること。

高齢者への投与

高齢者においては血中濃度が上昇するおそれがあるので、減量を考慮するとともに、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。異常が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「薬物動態」の項参照)

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

2.
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[ヒト母乳中への本剤の移行は不明であるが、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する有効性、安全性は確立していない。(使用経験がない)

過量投与

徴候、症状:
過量投与時にみられる主な症状は下痢であると考えられる。

処置:
解毒剤は知られていない。症状に応じて適切な処置を行うこと。

適用上の注意

服用時:
本剤は腸溶性のフィルムコーティング錠であるため、かんだり、割ったり、砕いたりせずにそのまま服用するよう指導すること。

薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

海外で実施されたアルコール依存症患者を対象とした本剤の計11のプラセボ対照臨床試験において、自殺念慮、自殺企図等の自殺関連有害事象の発現割合は、短期投与試験(90日〜6ヵ月)で本剤群1.4%(19/1317例)、プラセボ群0.5%(6/1186例)、長期投与試験(48週〜12ヵ月)で本剤群2.4%(17/702例)、プラセボ群0.8%(4/520例)であり、相対リスク比は、短期投与試験で2.85(95%信頼区間:1.14-7.12)、長期投与試験で3.15(95%信頼区間:1.07-9.30)であった。

薬物動態

1. 血漿中濃度

(1) 単回投与
健康成人男性(各10例)に本剤333〜1998mgを絶食下で単回経口投与した場合、血漿中未変化体濃度は4.4〜6.8時間で最高に達し、14.9〜20.4時間の半減期で消失した。血漿中濃度は用量増加とともに上昇し、AUC0-∞は用量にほぼ比例して増加した1)

健康成人男性に本剤を経口投与した後の血漿中未変化体濃度推移(各点は10例の平均値)
(薬物動態の表参照)

(2) 食事の影響
本剤666mgを健康成人男性9例に絶食下又は食後投与で単回経口投与し、薬物動態パラメータを比較した。絶食下では食後投与と比較して、Cmaxで約3倍、AUC0-∞で約2倍上昇した1)

(3) 反復投与
本剤を健康成人男性10例に食後反復経口投与(666mgを1日3回)した場合、反復投与2日目からほぼ一定の血漿中濃度を示し、速やかに定常状態に達すると推察された2)

(4) 高齢者
本剤666mgを健康高齢男性(67〜80歳)10例に食後単回経口投与した。健康非高齢男性(22〜29歳)10例の薬物動態パラメータと比較した場合、健康高齢者の血漿中濃度は高く推移し、Cmax及びAUC0-∞はそれぞれ約2及び2.3倍に増加した3)

(5) 腎障害患者
本剤666mgを中等度(クレアチニンクリアランス30〜60mL/min)及び高度(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)の腎障害患者と健康成人(各6例)に絶食下で単回経口投与し、薬物動態パラメータを比較した。中等度及び高度の腎障害患者のCmaxは健康成人のそれぞれ約2及び4倍であり、消失半減期は約1.8及び2.6倍に延長した4)。(外国人によるデータ)

(6) 肝障害患者
軽度から中等度の肝障害患者(Child-Pugh分類:A群、B群)と健康成人(各6例)に本剤を絶食下で反復経口投与(666mgを1日3回)し、薬物動態パラメータを比較した。肝障害患者と健康成人の薬物動態に差は認められなかった5)。(外国人によるデータ)

2. 分布
アカンプロサートカルシウムを健康成人男性に静脈内投与した後の分布容積は72〜109L(ほぼ1L/kg)であると推定される。(外国人によるデータ)6), 7)
また、ヒト血漿蛋白に対する未変化体(0.1〜10μg/mL)の結合率は限外ろ過法で1%以下であった8)

3. 代謝
アカンプロサートカルシウムは、生体内で代謝を受けず未変化体として排泄される9)
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitroのチトクロームP-450(CYP)阻害試験で、アカンプロサートカルシウムはCYP1A2、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4に対する阻害作用を示さず、初代培養ヒト肝細胞において、CYP1A2及び3A4の酵素誘導をしなかった10)

4. 排泄
アカンプロサートカルシウムの主要排泄経路は腎排泄である。日本の健康成人男性(各10例)に本剤(333〜1998mg)を絶食下で単回経口投与した場合、投与後96時間までの尿中に投与量の約4.99〜7.49%が未変化体として排泄された1)。外国の健康成人男性12例にアカンプロサートカルシウム333mgを静脈内投与した場合、投与後72時間までに投与量の96〜113%が尿中に未変化体として排泄された6)
(注)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人にはアカンプロサートカルシウムとして666mgを1日3回食後に経口投与する。」である。

薬物動態の表

薬物動態パラメータ

Dose
(mg) 
例数 Cmax
(ng/mL) 
tmax
(hr) 
t1/2,β
(hr) 
AUC0-∞
(ng・hr/mL) 
333 10 123 ± 45 4.40 ± 0.70 16.9 ± 5.9 1650 ± 620 
666 10 293 ± 174 5.30 ± 1.83 14.9 ± 8.8 3760 ± 1410 
1332 10 290 ± 120 6.80 ± 3.43 20.4 ± 15.1 8400 ± 3890 
1998 10 443 ± 207 5.20 ± 2.74 19.8 ± 15.4 10700 ± 5600 

平均値 ± 標準偏差


臨床成績

国内第III相プラセボ対照二重盲検比較試験11)

断酒意志があり、心理社会的治療を併用するアルコール依存症患者(327例)を対象として、本剤666mgを1日3回(1998mg/日)又はプラセボを24週間食後に経口投与した。その後、24週間の追跡観察期間を設けた。
その結果、投与期間の完全断酒率は、本剤群47.2%(77/163例)、プラセボ群36.0%(59/164例)であり、本剤のプラセボに対する優越性が示された。(臨床成績の表参照)

臨床成績の表

完全断酒率(投与期間)

投与群 完全断酒率 完全断酒率の差
(95%信頼区間) 
χ2検定 
本剤群 47.2%(77/163例) 11.3%(0.6〜21.9) P=0.0388 
プラセボ群 36.0%(59/164例) 11.3%(0.6〜21.9) P=0.0388 

薬効薬理

1. 薬理作用
アカンプロサートカルシウムは、動物を用いたエタノールの精神依存モデルに対して抑制作用を示した。

(1)
エタノール自発摂取モデルのラットにアカンプロサートカルシウムを腹腔内及び経口反復投与したところ、いずれもエタノールの自発摂取を抑制した12), 13)

(2)
条件付け場所嗜好性試験法を用いてマウスにエタノールへの条件付けを行った。アカンプロサートカルシウムの単回経口投与は、このモデルマウスのエタノールに対する報酬効果を抑制した14)

2. 作用機序
ラット大脳皮質初代培養神経細胞へのエタノールの持続曝露は、グルタミン酸刺激により誘発される細胞外への乳酸脱水素酵素の漏出を更に増大させ、アカンプロサートカルシウムはこの反応を抑制した15)。エタノール蒸気を吸入させたラットの依存モデルで、アカンプロサートカルシウムはエタノールからの離脱による側坐核及び海馬灌流液中のグルタミン酸量の増加を抑制した16), 17)
エタノール依存では中枢神経系の主要な興奮性神経であるグルタミン酸作動性神経の活動が亢進し、興奮性神経伝達と抑制性神経伝達の間に不均衡が生じると考えられている。アカンプロサートカルシウムの作用機序は明確でないものの、エタノール依存で亢進したグルタミン酸作動性神経活動を抑制することで神経伝達の均衡を回復し、エタノールの自発摂取抑制や報酬効果抑制につながると推察されている18)〜20)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
アカンプロサートカルシウム(Acamprosate calcium)(JAN)

化学名
Monocalcium bis(3-acetamidopropane-1-sulfonate)

分子式
C10H20CaN2O8S2

分子量
400.48

化学構造式

性状
本品は白色の粉末である。本品は水に溶けやすく、エタノール(95)又はジクロロメタンにほとんど溶けない。

分配係数
0 (1-オクタノール/水)

包装

レグテクト錠333mg:PTP 100錠、500錠

レグテクト錠333mg:バラ 500錠

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
国内第I相単回経口投与試験(日本新薬社内資料)

2)
国内第I相反復経口投与試験(日本新薬社内資料)

3)
国内第I相高齢者反復経口投与試験(日本新薬社内資料)

4)
腎障害患者における薬物動態の検討(日本新薬社内資料)

5)
肝障害患者における薬物動態の検討(日本新薬社内資料)

6)
静脈内投与時の薬物動態及び排泄パラメータの検討(日本新薬社内資料)

7)
単回及び反復経口投与時の薬物動態及び絶対的BAの検討(日本新薬社内資料)

8)
14C-アカンプロサートカルシウムのin vitroタンパク結合試験(日本新薬社内資料)

9)
14C-アカンプロサートカルシウム投与後のヒト代謝物の検討(日本新薬社内資料)

10)
In vitroにおけるヒトチトクロームP-450(CYP)阻害及び酵素誘導試験(日本新薬社内資料)

11)
国内第III相試験(日本新薬社内資料)

12)
Reduction in voluntary alcohol consumption in drinker rats with acamprosate administered by the intraperitoneal route (i.p.)(日本新薬社内資料)

13)
Determination of the minimum active dose of acamprosate in “alcohol-preferring-rats”(日本新薬社内資料)

14)
マウス条件づけ場所嗜好性試験法を用いたエタノールの報酬効果に対するアカンプロサートカルシウムの影響(日本新薬社内資料)

15)
エタノールを持続曝露したラット大脳皮質初代培養神経細胞へのグルタミン酸刺激反応に対するアカンプロサートカルシウムの作用 −細胞障害を指標として(日本新薬社内資料)

16)
Dahchour A., et al. : Psychiatry Res., 82, 107 (1998)

17)
Dahchour A., et al. : Alcohol. Clin. Exp. Res., 27, 465 (2003)

18)
De Witte P. : Addict. Behav., 29, 1325 (2004)

19)
Gass J. T., et al. : Biochem. Pharmacol., 75, 218 (2008)

20)
Olive M. F., et al. : Pharmacol. Biochem. Behav., 100, 801 (2012)

文献請求先

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日本新薬株式会社

京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14

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