フルデカシン筋注25mg


作成又は改訂年月

** 2018年4月改訂 (第17版)D27

* 2015年4月改訂

日本標準商品分類番号

871172

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
2001年12月

薬効分類名

フェノチアジン系持続性抗精神病剤

承認等

販売名
フルデカシン筋注25mg

販売名コード

1172405A1031

承認・許可番号

承認番号
21400AMY00081
商標名
Fludecasin INTRAMUSCULAR INJECTION 25mg

薬価基準収載年月

2002年7月

販売開始年月

1993年6月

貯法・使用期限等

貯法

遮光保存,室温保存

有効期間

2年(外箱及びラベルに表示の使用期限内に使用すること)

注意

「取扱い上の注意」の項参照

規制区分

劇薬

処方箋医薬品注)

注)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分〔1瓶(1mL)中〕

フルフェナジンデカン酸エステル 25mg

添加物〔1瓶(1mL)中〕

ベンジルアルコール 15mg,ゴマ油 適量

性状

性状・剤形

微黄色〜褐黄色澄明の油液・わずかにベンジルアルコールのにおい

一般的名称

フルフェナジンデカン酸エステル注射液

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
昏睡状態の患者〔昏睡状態を悪化させるおそれがある.〕

2.
バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者〔中枢神経抑制剤の作用を延長し増強させる.〕

3.
重症の心不全患者〔症状を悪化させるおそれがある.〕

4.
パーキンソン病の患者〔錐体外路症状を悪化させるおそれがある.〕

5.
フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者

6.
**アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)(「相互作用」の項参照)

7.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)

8.
クロザピンを投与中, あるいは投与を検討されている患者〔クロザピンは原則として単剤で使用し, 他の抗精神病薬とは併用しないこととされている. 〕(「相互作用」の項参照)

原則禁忌

(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)

皮質下部の脳障害(脳炎,脳腫瘍,頭部外傷後遺症等)の疑いがある患者〔高熱反応があらわれるおそれがあるので,このような場合には全身を氷で冷やすか,又は解熱剤を投与するなど適切な処置を行うこと.〕

効能又は効果

統合失調症

用法及び用量

通常成人には,フルフェナジンデカン酸エステルとして1回12.5mg〜75mgを4週間隔で筋肉内注射する.
薬量及び注射間隔は病状又は本剤による随伴症状の程度に応じて適宜増減並びに間隔を調節する.
なお,初回用量は,可能な限り少量より始め,50mgを超えないものとする.

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
肝障害又は血液障害のある患者〔肝障害又は血液障害を悪化させるおそれがある.〕

2.
褐色細胞腫,動脈硬化症あるいは心疾患の疑いのある患者〔血圧の急速な変動がみられることがある.〕

3.
重症喘息,肺気腫,呼吸器感染症等の患者〔呼吸抑制があらわれることがある.〕

4.
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣閾値を低下させることがある.〕

5.
薬物過敏症の患者

6.
脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者〔Syndrome malin(悪性症候群)が起こりやすい.〕

7.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

8.
高温環境にある者〔体温調節中枢を抑制するため,環境温度に影響されるおそれがある.〕

重要な基本的注意

1.
本剤は,抗精神病薬の長期投与が必要な慢性精神病患者に使用するものである.本剤を用いる場合は,過去の治療で抗精神病薬の投与により症状が安定した患者に投与することが望ましい.

2.
本剤の投与にあたっては,本剤が持効性製剤であることを考慮して,初回用量は患者の既往歴,病状,過去の抗精神病薬への反応に基づいて決める.なお,複数の抗精神病薬を使用している場合は,可能な限り整理した後,できるだけ低用量より始め,必要に応じ漸増することが望ましい.投与初期に用量の不足による精神症状の再発の可能性も考えられるが,その場合には原則として,本剤以外の抗精神病薬の追加が望ましい.また,次回投与時にはその間の十分な臨床観察を参考に用量調節を行う必要がある.

3.
本剤による副作用の種類はフルフェナジン製剤のそれと同様のものであるが,本剤が持効性製剤であり,直ちに薬物を体外に排除する方法がないため,副作用の予防,副作用発現時の処置,過量投与等について十分留意する必要がある.

(1)
本剤投与においても,他のフルフェナジン製剤と同様,Syndrome malin(悪性症候群)や重篤な錐体外路症状に対しては抗パーキンソン剤等による対症療法を速やかに行うこと(「副作用」の項参照).

(2)
誤用等による過量投与により呼吸抑制,血圧低下,過度の鎮静等が生じた場合には,気道の確保,人工呼吸,輸液・血漿・アルブミン製剤・ノルアドレナリン等の昇圧剤(アドレナリンは禁忌)等による血圧の確保等の処置を行うこと.

4.
眠気,注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので,本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること.

5.
制吐作用を有するため,他の薬剤に基づく中毒,腸閉塞,脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること.

6.
抗精神病薬において, 肺塞栓症, 静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので, 不動状態, 長期臥床,肥満, 脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること.

相互作用

相互作用の概略

本剤は,主として肝代謝酵素CYP2D6で代謝される.

併用禁忌

(併用しないこと)

薬剤名等
**アドレナリン(アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)(ボスミン)

臨床症状・措置方法
アドレナリンの作用を逆転させ,重篤な血圧降下を起こすことがある.

機序・危険因子
アドレナリンはアドレナリン作動性α,β-受容体の刺激剤であり,本剤のα-受容体遮断作用により,β-受容体刺激作用が優位となり,血圧降下作用が増強される.

薬剤名等
クロザピン(クロザリル)

臨床症状・措置方法
クロザピンは, 原則として単剤で使用し, 他の抗精神病薬とは併用しないこととされている. 本剤は筋肉内投与後緩徐に血中に移行し,直ちに薬物を体外に排除する方法がないため,クロザピンと併用しないこと.

機序・危険因子
本剤が血中から消失するまでに時間を要する.

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等
中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体・麻酔剤等)

臨床症状・措置方法
睡眠(催眠)・精神機能抑制の増強,麻酔効果の増強・延長,血圧降下等を起こすことがあるので,減量するなど慎重に投与すること.

機序・危険因子
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある.

2. 薬剤名等
降圧剤

臨床症状・措置方法
起立性低血圧等を起こすことがあるので,減量するなど慎重に投与すること.

機序・危険因子
相互に降圧作用を増強させることがある.

3. 薬剤名等
アトロピン様作用を有する薬剤

臨床症状・措置方法
口渇,眼圧上昇,排尿障害,頻脈,腸管麻痺等を起こすことがあるので,減量するなど慎重に投与すること.

機序・危険因子
相互にアトロピン様作用を増強させることがある.

4. 薬剤名等
アルコール(飲酒)

臨床症状・措置方法
眠気,精神運動機能低下等を起こすことがある.

機序・危険因子
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある.

5. 薬剤名等
ドンペリドンメトクロプラミド

臨床症状・措置方法
内分泌機能調節異常又は錐体外路症状が発現するおそれがある.

機序・危険因子
ともに中枢ドパミン受容体遮断作用を有する.

6. 薬剤名等
リチウム

臨床症状・措置方法
心電図変化,重症の錐体外路症状,持続性のジスキネジア,突発性のSyndrome malin(悪性症候群),非可逆性の脳障害を起こすおそれがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止すること.

機序・危険因子
機序は不明であるが,併用による抗ドパミン作用の増強等が考えられている.

7. 薬剤名等
ドパミン作動薬(レボドパ製剤,ブロモクリプチンメシル酸塩)

臨床症状・措置方法
相互に作用を減弱させるおそれがある.

機序・危険因子
ドパミン作動性神経において,作用が拮抗することによる.

薬剤名等
接触注意(接触しないように注意すること)
有機燐殺虫剤

臨床症状・措置方法
縮瞳,徐脈等の症状があらわれることがある.

機序・危険因子
本剤は有機燐殺虫剤の抗コリンエステラーゼ作用を増強し毒性を強めることがある.

副作用

副作用等発現状況の概要

総症例数4,390例中632例(14.40%)1,045件の副作用が報告されている.主な副作用はパーキンソニズム249件(5.67%),アカシジア127件(2.89%)等の錐体外路症状,不眠51件(1.16%),けん怠感32件(0.73%)等であった.(再審査終了時)

重大な副作用

1. Syndrome malin(悪性症候群)(0.1%未満)
無動緘黙,強度の筋強剛,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それに引き続き発熱がみられる場合は,投与を中止し,体冷却,水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと.本症発症時には,白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある.なお,高熱が持続し,意識障害,呼吸困難,循環虚脱,脱水症状,急性腎不全へと移行し,死亡した例が報告されている.

2. 無顆粒球症,白血球減少(いずれも頻度不明)
無顆粒球症, 白血球減少があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと.

3. 麻痺性イレウス(0.1%未満)
腸管麻痺(食欲不振,悪心・嘔吐,著しい便秘,腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し,麻痺性イレウスに移行することがあるので,腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること.なお,この悪心・嘔吐は,本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること.

4. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと.

5. 遅発性ジスキネジア(頻度不明)
抗精神病薬の長期投与により,遅発性ジスキネジア(口周部,四肢等の不随意運動)が発症することがある.通常,抗パーキンソン剤を投与しても,この症状は軽減しない場合があり,本剤投与の継続の必要性を,他の抗精神病薬への変更も考慮して慎重に判断すること.

6. 肺塞栓症, 深部静脈血栓症(いずれも頻度不明)
抗精神病薬において, 肺塞栓症, 静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので, 観察を十分に行い, 息切れ,胸痛, 四肢の疼痛, 浮腫等が認められた場合には, 投与を中止するなど適切な処置を行うこと.

重大な副作用(類薬)

1. 突然死
他のフェノチアジン系化合物には血圧降下,心電図異常(QT間隔の延長,T波の平低化や逆転,二峰性T波ないしU波の出現等)につづく突然死が報告されているので,特にQT部分に変化があれば投与を中止すること.また,フェノチアジン系化合物投与中の心電図異常は,大量投与されていた例に多いとの報告がある.

2. 再生不良性貧血
他のフェノチアジン系化合物(クロルプロマジン)で,再生不良性貧血があらわれることが報告されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,減量又は投与を中止すること.

3. 眼障害
他のフェノチアジン系化合物(クロルプロマジン)の長期又は大量投与により,角膜・水晶体の混濁,網膜・角膜の色素沈着があらわれることが報告されている.

4. SLE様症状
他のフェノチアジン系化合物(クロルプロマジン)で,SLE様症状があらわれることが報告されている.

その他の副作用

1. 循環器
5%以上又は頻度不明 
脈拍上昇

2. 循環器
0.1〜5%未満 
血圧降下,頻脈,心悸亢進

3. 循環器
0.1%未満 
心電図異常

4. 肝臓注1)
5%以上又は頻度不明 
ビリルビン上昇,アルブミン減少

5. 肝臓注1)
0.1〜5%未満 
AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP上昇

6. 肝臓注1)
0.1%未満 
総タンパクの減少,Al-P,LDH,A/G比の上昇

7. 錐体外路症状注3)
5%以上又は頻度不明 
パーキンソン症候群(振戦,筋強剛,流涎等)注2)

8. 錐体外路症状注3)
0.1〜5%未満 
ジスキネジア(口周部,四肢等の不随意運動等),ジストニア(眼球上転,眼瞼痙攣,舌突出,痙性斜頸,頸後屈,体幹側屈,後弓反張,構音障害,舌のもつれ等),アカシジア(静坐不能)

9.
0.1〜5%未満 
視覚障害

10. 過敏症注4)
0.1%未満 
発疹,光線過敏症

11. 血液
5%以上又は頻度不明 
リンパ球減少,単球減少,血小板減少性紫斑病注1)

12. 血液
0.1%未満 
貧血,顆粒球減少,血小板減少

13. 消化器
0.1〜5%未満 
便秘,悪心・嘔吐,腹部膨満,口渇

14. 消化器
0.1%未満 
食欲亢進

15. 内分泌
0.1〜5%未満 
月経異常

16. 内分泌
0.1%未満 
体重増加,体重減少,射精不能

17. 精神神経系
0.1〜5%未満 
不眠,不安,易刺激,眠気,眩暈,頭痛,興奮,抑うつ,昏迷

18. 精神神経系
0.1%未満 
焦燥感

19. その他
5%以上又は頻度不明 
BUN上昇

20. その他
0.1〜5%未満 
けん怠感,鼻閉,脱力感,発熱,CK(CPK)上昇

21. その他
0.1%未満 
脱毛,発汗,集中力障害,痙攣

その他の副作用の注意

注1)異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.

注2)5%以上

注3)これらの症状があらわれた場合には,必要に応じて抗パーキンソン剤の投与等,適切な処置を行うこと.

注4)異常が認められた場合には投与を中止すること.

高齢者への投与

高齢者では錐体外路症状,脱力感,運動失調,排泄障害が起こりやすいので,患者の状態を観察しながら,慎重に投与すること.

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと. 〔本剤は動物実験で催奇形性作用は認められていないが, 死産児の増加が認められている. 類似化合物(フルフェナジンエナント酸エステル)で動物における催奇形性が報告されている. また, 妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合, 新生児に哺乳障害, 傾眠, 呼吸障害, 振戦, 筋緊張低下, 易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある. 〕

2.
授乳中の婦人に投与する場合には,授乳を中止させること.〔動物実験で乳汁中への移行がみられている.〕

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない.(使用経験がない.)

過量投与

症状

主な症状は呼吸抑制,血圧低下,過度の鎮静等である.

処置

気道の確保,人工呼吸,輸液・血漿・アルブミン製剤・ノルアドレナリン等の昇圧剤(アドレナリンは禁忌)等による血圧の確保等の処置を行うこと.

適用上の注意

1. 投与経路
筋肉内注射にのみ使用し,深部に注射すること.

2. 筋肉内注射時

(1)
筋肉内注射により局所の硬結,疼痛,発赤,腫脹等がみられることがある.

(2)
筋肉内注射にあたっては,組織・神経等への影響を避けるため,下記の点に注意すること.

1)
同一部位への反復注射は避けること.また,小児には特に注意すること.

2)
神経走行部位を避けるよう注意すること.

3)
注射針を刺入したとき,激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合には,直ちに針を抜き,部位をかえて注射すること.

その他の注意

1.
本剤による治療中,原因不明の突然死が報告されている.

2.
外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において,非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある.また,外国での疫学調査において,定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある.

3.
本剤を雌ラットに14週間筋肉内投与した試験において,3.2mg/kg/週以上の投与量で乳腺の過形成が認められている.

薬物動態

1. 血漿中濃度1)
統合失調症患者(6例)にフルフェナジンデカン酸エステル(FD)25mgを1回筋肉内投与後の血漿中フルフェナジン濃度は,1日目以降0.12〜0.64ng/mLで推移し,投与後28日目には0.15〜0.21ng/mLを示した.また,4週間隔で投与した連続投与試験では,血漿中フルフェナジン濃度は個体差はあるものの5回投与でほぼプラトーに達した.12回にわたる長期投与例においてもプラトーに達した後は血漿中濃度の上昇傾向は認められなかった.

FD25mg投与後の血漿中フルフェナジン濃度(GC/MS法)

2. 代謝<参考>外国人のデータ
フルフェナジンデカン酸エステルは筋肉内投与後緩徐に血中に移行し,エステラーゼによりフルフェナジンに変換される.その後は肝臓で代謝され,主代謝物として,7-ヒドロキシフルフェナジン及びフルフェナジンスルホキシドが同定された2).7-ヒドロキシフルフェナジン及びフルフェナジンスルホキシドはフルフェナジン同様ドパミン受容体を遮断する作用を有する11)

3. 排泄2,3)<参考>外国人のデータ
統合失調症患者(3例)にフルフェナジンデカン酸エステル25mgを単回筋肉内投与後の累積尿糞中回収率(30日間)は10〜23%であった.

4. チトクロームP450の分子種
CYP2D6

臨床成績

統合失調症377例に対する改善率は,中等度改善以上28.4%(107例/377例),軽度改善以上59.7%(225例/377例)である4)

薬効薬理

動物での作用

中枢ドパミン受容体遮断作用
マウス及びラットでは,筋肉内投与により,弁別回避反応に対する持続的抑制作用5,6),メタンフェタミン誘発運動興奮に対する抑制作用7)及びアポモルフィン誘発常同行動に対する持続的抑制作用8)が認められた.

<作用機序>
フルフェナジンデカン酸エステルは筋肉内投与後緩徐に血中へ移行し,移行後は速やかに加水分解されてフルフェナジンとなり,薬理作用を発現する9)
フルフェナジンの作用機序は,まだ完全に明らかにされていないが,中枢神経系におけるドパミン作動性,ノルアドレナリン作動性神経等に対する抑制作用によると考えられている10)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
フルフェナジンデカン酸エステル,Fluphenazine Decanoate(JAN)

化学名
2-〔4-〔3-〔2-(trifluoromethyl)phenothiazin-10-yl〕propyl〕-1-piperazinyl〕ethyl decanoate

分子式
C32H44F3N3O2S

分子量
591.77

構造式

性状
淡黄色〜褐黄色の粘稠な液又はろう状の塊,粉末,若しくはそれらの混じり合ったもので,わずかにエステルようのにおいがある.
メタノール,エタノール(99.5)又はジエチルエーテルに極めて溶けやすく,酢酸(100)に溶けやすく,水にほとんど溶けない.

分配係数
クロロホルム/水系(pH1〜10)及びオクタノール/水系(pH1〜10)での分配係数を求めた.その結果,各pH域とも有機溶媒層に100%分配された.

取扱い上の注意

本剤は冷蔵庫又は約10℃以下に保存するとき,フルフェナジンデカン酸エステルの結晶が一部析出し,更にゴマ油が一部固体油を析出するため,液がわずかに濁るが,15℃以上の室温に放置するとき速やかに再溶解し澄明となる.

包装

フルデカシン筋注25mg:1mL×5瓶

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
工藤義雄 他:臨床精神医学 1990;19(13):1935-1937

2)
Curry,S.H.et al.:Br.J.Clin.Pharmacol.1979;7:325-331

3)
Schreiber,E.C.et al.:Therapie 1973;28:441-449

4)
田辺三菱製薬(株):フルフェナジンデカン酸エステル臨床試験のまとめ(社内資料)

5)
栗原 久 他:Psychopharmacology 1979;65:1-6

6)
栗原 久 他:J.Toxicol.Sci.1979;4:87-98

7)
山田勝士 他:Arch.Int.Pharmacodyn.Ther.1980;248(1):76-85

8)
陳 博忠:日薬理誌 1978;74:871-883

9)
江角凱夫 他:薬理と治療 1991;19(1):67-85

10)
Anden,N.-E.et al.:Eur.J.Pharmacol.1970;11:303-314

11)
山下謙二 他:臨床精神医学 1990;19(13):1973-1983

*文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい.
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター

〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10

電話 0120-753-280

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

*製造販売元
田辺三菱製薬株式会社

大阪市中央区道修町3-2-10

*プロモーション提携
吉富薬品株式会社

大阪市中央区道修町3-2-10